北森鴻 著
しゃぼろん しゃぼろん。
不思議な擬音が使われた詩に心をひかれ、大学生・桂城真夜子は
夭折した童話詩人・樹来たか子を卒論のテーマに選ぶ。
彼女が住むのは東京の架空の街・遠誉野。
唐突に歴史上に現れたといわれるこの地で、樹来たか子の息子・静弥は
美術教師をしているという。
たか子の詩をめぐり、次々と事件が起こり、死者が出る。
そこに秘められているのは、25年前に起こった悲劇の秘密だった。
全く関係なさそうな事件の数々が、少しずつ重なり絡み合って
全貌を表していく過程は魅力的だ。
遠誉野と山口という遠く離れた土地を舞台に選んだのも効果的で、
神秘的であり、事件の鍵としての役割を果たす。
たか子のモデルは金子みすず。
無垢で率直でそれでいて真相を見通す彼女の魅力を、うまく切り取っている。
救いのない話と言われればそれまでの結末だが、美しい言葉と美しい国を
堪能した満足感は残る。
しゃぼろん しゃぼろん。
不思議な擬音が使われた詩に心をひかれ、大学生・桂城真夜子は
夭折した童話詩人・樹来たか子を卒論のテーマに選ぶ。
彼女が住むのは東京の架空の街・遠誉野。
唐突に歴史上に現れたといわれるこの地で、樹来たか子の息子・静弥は
美術教師をしているという。
たか子の詩をめぐり、次々と事件が起こり、死者が出る。
そこに秘められているのは、25年前に起こった悲劇の秘密だった。
全く関係なさそうな事件の数々が、少しずつ重なり絡み合って
全貌を表していく過程は魅力的だ。
遠誉野と山口という遠く離れた土地を舞台に選んだのも効果的で、
神秘的であり、事件の鍵としての役割を果たす。
たか子のモデルは金子みすず。
無垢で率直でそれでいて真相を見通す彼女の魅力を、うまく切り取っている。
救いのない話と言われればそれまでの結末だが、美しい言葉と美しい国を
堪能した満足感は残る。
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