東京大学の伊藤元重教授が言っています。日本の貯蓄率は、国際的に見て、高いと考えている人が多いようですが、家計部門で見る限り、非常に低い水準になっている。1990年代は、15%でしたが、2007年には3%までに落ちている。
国民の保有している、金融資産は1400兆円といわれ、ドイツ、フランスの2倍、米国、英国の3倍になっています。しかしこの個人金融資産の70%は、60歳以上の高齢者によって保有され、消費が極めて少ないので、内需不振を招いていると、国会の予算委員会でも議論されています。75歳以上で、200兆円の保有、なにを後生大事に抱えているのかと、話題になっていました。
参議院の予算委員会で、野党の某氏が、社会保障に不安があるから、高齢者の貯蓄が、市場に出ないのだ。われわれの調査でそれは明確だ。社会保障を充実させることが、景気上昇の引き金になると、主張していました。さてどうですか?。いま、この金融資産を保有している人々は、「消費を抑え、貯蓄することが、美徳と教え込まれてきた世代です」あと、20年も経ずして、家計部門貯蓄の激しい落ち込み同様、1400兆円の金融資産も、激しく落ち込んでいくに違いありません。