先般、厚生労働省から、障害者自立支援法の実施状況が発表された(http://www.kyosaren.or.jp/sienhoujissijoukyo061023.pdf)。それによると、全体のサービス量が増えており、利用者負担を理由とした利用の中止や利用控えは極めて少なく、利用者は増加しているとされる。この調査どおりであれば、大変結構である。では、なぜ、先日、障害者自立支援法の見直しを要求する障害者団体の大規模集会(http://www.normanet.ne.jp/~jadh/1031.html)が開催されたのであろうか。また、各地で深刻な状況が報道(http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2006/0607-2.html)(http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-16662-storytopic-11.html)されているのはなぜであろうか。スペシャル五輪への出場断念の報道もある(http://www.asahi.com/health/news/TKY200610300330.html)。厚生労働省の発表に対する疑問の見解が相次いで出されている(http://www.npo-osc.com/news/news2006/tp061025.htm)(http://www.nginet.or.jp/box/GD/061025szk.pdf)(http://dpi.cocolog-nifty.com/vooo/files/061026gimon.pdf)(http://www.kyosaren.or.jp/news/2006/1027_1.htm)ように、現場で聞かれる声との乖離はやはり感じるところである。NPO法人による「障害者自立支援法のサービス利用に関する全国影響調査」(http://www.npo-osc.com/news/news2006/shienhou_06cyousa_matome.pdf)では、かなり厳しい実態が明らかにされている。しかし、障害者自立支援法の影響は、むしろこれからが本番であることを認識すべきであろう。10月から、障害程度区分認定による給付も本格的になり、地域生活支援事業が法定事業としてスタートした。また、精神障害者関係施設(授産施設等)の給付施設への移行は、これから順次行われるのである。ところで、市町村の障害福祉計画の策定作業が遅れているようである。当初の国の予定では本年9月に中間報告が出されることになっていた(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb15GS60.nsf/0/66544aa30f5a5be9492570e30016d12b/$FILE/siryou12.pdf)が、とても間に合うような状況ではなかったであろう。現在、保健・医療・福祉において様々な構造改革が進行中であるが、果たして障害者福祉の構造改革はどうなるであろうか。
最近、感染性胃腸炎が急増している(http://idsc.nih.go.jp/idwr/kanja/weeklygraph/04gastro.html)。特にノロウイルス(http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k04/k04_11/k04_11.html)について、ここ数日、全国的に報道されている;京都(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061111-00000248-mailo-l26)、大分(http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/oita/news/20061112ddlk44040255000c.html)、北海道(http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20061112&j=0022&k=200611125450)(http://www.news-kushiro.jp/news/20061108/200611083.html)、山梨(http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/yamanashi/news/20061110ddlk19040231000c.html)、奈良(http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/nara/news/20061108ddlk29040633000c.html)、大阪(http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/osaka/news/20061108ddlk27040533000c.html)(http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200611050018.html)、秋田(http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/akita/news/20061107ddlk05040434000c.html)。つい最近も管内の保育所で集団感染事例が発生したところである。さて、昨年の初め、高齢者施設でノロウイルスの集団感染が大きく報道され、昨年6月には国から高齢者介護施設における感染対策マニュアル(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/tp0628-1/)が出されているが、ノロウイルスについて、一般にはどれだけ知られているであろうか。このウイルス事例が急増している理由として、昨年2月の通知(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/tp0628-1/dl/9.pdf)の影響も否定できない。この通知によって、施設において、同一の感染症若しくは食中毒の患者又はそれらが疑われる者が10名以上又は全利用者の半数以上発生した場合は市町村主管部局及び保健所に報告されることになったのである。報告されれば、当然、行政調査・検査が行われるが、ノロウイルスの病原診断技術も向上している(http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/kanshi/031105-1.html)。さて、ノロウイルスは、施設内感染対策ばかりではなく、食中毒対策としても重要である(http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/index.html)。食中毒統計において、ノロウイルスは原因物質別患者数でダントツ一位になっているのである(http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/05hassei/xls/joukyou.xls)。ではなぜ、ノロウイルスによる食中毒事例が多いかといえば、ノロウイルスについて正しく理解されていないからである。例えば、国内産生食用カキのノロウイルス汚染状況(http://idsc.nih.go.jp/iasr/26/310/dj3109.html)は、どれだけ知られているであろうか。特に冬季における生食用カキの汚染率が高いこと(http://idsc.nih.go.jp/iasr/26/310/graph/df31091.gif)は一般にはあまり認識されていないように感じる。「生食用」と表示されているから安全とは限らないのである。国からノロウイルスに関するQ&A(http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html)が示されているが、もっとストレートに、「冬季にはカキの生食は控えるべき」という注意喚起が必要と感じるこの頃である。