大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

中国をダシにして自国批判する連中がサッカー界にもおるぞ

2015-03-31 00:29:46 | 中国サッカー
私がニュースについて深読みをする習慣が身についたのは、中国ウォッチングをおいて、かの国のニュースに触れるようになってからだった。勿論、かの国において西側諸国並の報道の自由を求めることは出来ないので(報道の自由度に関わらず、どの国においても権力者側はメディアを使って大衆をコントロールしようとするが)、そこから何が読み取る事ができるかを常に考えている。

一つの例を上げれば、かの国において腐敗防止だの海賊版撲滅だのというスローガンを掲げたりするのは裏返せばそれがどんな状態にあるのかということを言っているようなものであり、そしてうわべだけの対策をするもののそれは大抵、コントロールされる下の側が巧妙な抜け道を考えたりする(これを中国語では、上有政策、下有対策という)のが彼の国の日常である。

そう考えると、今回習近平国家主席のサッカー強化策というのをどう見たらいいのか。

まず、彼がぶちまけた、サッカー重点校を2年で2万校増やすというのは今現在の中国でのサッカー競技人口を考えるとどうやって集めるのかが想像つかない。一国の人口が多いというけれども、実際に中国足協が発表している登録人数は8000人程度しかない。そんな中で、中国には7000人のメッシが居るなんていう話の根拠はなんなのか、ってことですよw アーセナルの方で出た論文だって原文のソースが明らかになってないけど、その論文の著者は基本中国の現状について無知すぎるんじゃないだろうか?そうでなかったら知っていても敢えて中国の市場の重要性を如何にアピールする為に粉飾しているかのいずれかになる。4年前にも書いたけど、一国の人口が競技レベルに反映された実例ってインドのクリケットしかないわけで、NZのラグビーやカナダのアイスホッケーを見てみ?

更に、父母にしてみたら我が子がサッカー上手いからという理由でサッカー重点校に入れたとして、その後の社会の受け皿があまりにも狭すぎる。この中でプロになれる選手がほんのごく一握りでしかなく、日本における体育推薦(中国では体育特長生というが)という制度にしても十分使われている印象がない。若手人気作家である韓寒の小説「三重門」の中で主人公の林雨翔が母親の麻雀仲間のコネで「体育が優秀」という理由で一筆貰って、市の重点校に体育推薦枠で潜り込もうとしたものの、点数がわずか3点しか足りずに仕方なく県の重点校に進学するという下りがあるけども、その話からしても、中国の「体育特長生」は日本のスポーツ推薦とは意味合いがかなり違う。

そう、昔も今も学業成績が一番進路を左右するのが中国の現状で、「高考」の点数によって行ける大学のレベル(一番上が「一批 イーピー」二番目が「ニ批アルピー」)に振り分けられたりもするわけだから、今まではスポーツなんかするよりも勉強することを父母たちは我が子に望んでいたわけ。

そんな状況において、中国はプロにもなれず、かと言って進学する学力も十分にないアスリート崩れの選手を量産しようとするのが習近平主席の政策であったりもする。もっとも、親の言われるままに真面目に勉強し続けて北大や清華大のような名門大学を出ても就職にありつけずに、蟻族やねずみ族を量産して深刻な社会問題にしてしまうんだから、いろんな選択肢を残すのも悪くはないんだけども、問題はそうしたスポーツ一筋だったアスリートたちへの受け皿をどう作るかじゃないですかね?その対策すら考えずにいたずらに体育重点校を増やしてどないすんの?

だからまあ、筆者なんかは、確かにいろんな弊害があるものの、学業成績だけでなく運動能力等の一芸を評価して進学出来たり、或いは就職出来る枠を残している日本の教育システムというのも捨てたもんじゃないな、と思ったりもするわけですね。

で、ここで注意を促しておきたいのは、中国を引き合いに出して日本の現状について批判する連中って基本的には中国に関して関心がないわけで、中国を自らの批判において都合よく利用しているにすぎないわけ(最近の事例が、AIIBに参加しなかったら日本が孤立するって話。普段からさんざんアメリカに追随する日本外交を批判してきた連中がですよw)。その古い典型が恐らく南アフリカ大会前に3戦全敗論をぶち開けた高名なサッカーライター(なんていう風には認めたくはないけども)なんだけども、最近またぞろ形を変えてACLにおけるJリーグの体制批判にも出てきているから要注意だ。


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