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監督業を通して草の根の中国を理解しだしている岡田監督 ~WOWOWでのインタビュー番組を見て

2013-01-20 10:00:49 | 中国サッカー
WOWOWで一昨日の夜放送された、杭州緑城の岡田監督に密着した番組は録画予約していたので、しっかり拝見させて頂きました。ガンバサポ的にはACLの中国アウェーでお世話になりました、Sさんが通訳として時には岡ちゃんの分身として、時には声を張り上げ、時には選手と一緒に伴走する姿を見ると、元気にやってるはるなあ、と安心しました。

その岡田監督なんだけども、個人的に1番興味深いところは、何故中国で監督をしようという気になったのか、ということ。解説の仕事で、スペインでクラシコの試合(多分バルサ夢スコの試合だった)を見て、あのバルサのサッカーを自分もやって見たいと思ったらしいんだけども、それを実現できる素材が杭州のユースチームの中にいたという事らしい。

一番の疑問は何と言っても、クラシコでバルサが夢スコで勝つような試合を見て、なんでまた中国を選んだのかってことですね。どう考えても論理が飛躍し過ぎてるやろ、ってw

まあ、確かに中国のトップチームなんかだと、バルサのサッカーとは親和性が全くないどころか、真逆のサッカーやってるところが少なくない。だからこそ、岡田監督は何色にも染まっていない、まっさらなユースの年代から変えて行こうとしたとも考えられる。つまり、バルサを目指そうとするのならば、バルサが今の位置に辿り着くまでにやってきた、カンテラから一環したサッカースタイルでの育成というのをやれる場所、として選んだのが杭州だった、ということなのかもしれないけども。つまり、ある意味実験場ということなんですわ。

勿論、日本のクラブでそれが目指せるところがない、というわけではないけども(むしろやりやすい面はある)、敢えて中国で不可能と思われるようなことに挑戦してやろう、という気持ちもあったのかもしれない。それが今ご本人のモチベーションということになっているのだろう。

その意味で、岡田監督は、トップチームの監督の立場からして、ユースから手塩に掛けた選手をトップに定着させるという、今の中国のサッカーレベルからしたら本当に気の遠くなるような農耕生活を送る事を決断したと言えるかもしれない。その為に、番組では触れては居ないけど、右腕として連れて来たコーチの小野剛さんを今季からユースを見れるようにしたのは、トップとユースの関係をより緊密にする狙いがあるのだろう。

ただ、岡田監督はあくまでもトップチームの監督である以上、中国においては珍しく長い目で見守ってくれるクラブとはいえ、その改革の過程において、やはりある程度結果を出して行かなければ自分への求心力が失われていくという危機感はあったのだろう。そうした中で、チームのセットプレーの得点王で、セルティックで俊輔とプレーしたこともある、主将の杜威(ドゥー・ウェイ)をクラブが山東へ売却した時にはさすがの岡田監督も頭に来て、来年はやらないとクラブには言っていたらしい。これは流石にクラブが自分の足を引っ張る行為と映ったんでしょうね。

それでも彼が来季も監督を続けることにした理由は、御本人が語っておられたように、どんなに不調でも、遠征に行く前の空港で自身の誕生日を祝ってくれた、サポーターの存在が決めてであったらしい。勿論、来季の条件や構造においてクラブと話し合って双方合意に達したというのもあるのだろうけども、サポーターが、残留を決断させる後押しをした、というのも同じサッカーチームのサポやってる者としては熱くなる話だ。そこに反日感情というのは存在しないし、中国へ行った選択をしたからこそ味わえる感動ってやつかもしれない。あと、それ以外にも一般の人達の彼への接し方というのも、彼の中国観を変えるきっかけとなったのかもしれないかな?

岡田監督は多分中国に来る前は、多くの日本人と同じように、報道を通して得た情報を元に中国のイメージを持っておられたのだろうとは思うけども、こうしたサポーターの取った行動を始めとする、一般の人たちの彼への接し方というのは普段なかなか報道からは出てこないだけに、岡田監督にとっては新鮮であったことかもしれない。

こないだNHKBSで日中の学生が討論していた番組の中で、中国側の学生が指摘していたのは、一般的な日本人が抱く中国に対する悪い印象というのは、中国政府が取る外交政策のせいであって、草の根での交流が少ないからでないか、というものだったんだけども(かの国では民衆が政権を選べないという背景も理解しておくべきだろう)、岡田監督は、中国へ渡った日本人の初期の中国理解の段階というか、報道以外の中国の一面というのを監督業を通して理解しておられるわけです。まあ、これから中国に引き続き滞在されていくことで良い面も悪い面も理解して行かれることになるかもしれないんだけども、番組を見終えて、今季もどこかで中超での杭州緑城の試合を視察しに行きたいと思いましたね。

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