大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

バルサメソッドを如何に消化し、如何に血肉とするか?

2009-10-14 06:51:02 | サッカー全般
最近仕事用のカバンの中にも忍ばせて、暇な時に読んでいるのが、バルサのカンテラコーチをも務めた、ジョアン・サルバンスの(スペイン語では「ホアン」と読むんじゃないのかね?)「史上最強バルセロナ 世界最高の育成メソッド(小学館)」という本。文庫本サイズなんで興味ある人は自分が書評するよりも手にとって頂いた方がいいと思う。

ここで考えておきたいのは、バルサのメソッドを今の日本の現状に即して血肉としていくかということ。著者が指導に携わっている東海大菅生の手塚監督に言わせると、ボールポゼッションのメニューが軸となり、その際のポジショニングや如何にボールを動かしていくかなどの判断を養うトレーニングが多いのだけど、意外とディフェンスについての細かい指示がないということらしい。

この守備をあんまりやらない、というのがバルサらしいとは思う。過去バルサ流を日本に持ち込んでいた例としてはレシャックが率いていたフリューゲルスが挙げられるけども、その当時はもっぱらパス回しの練習が殆どで守備に関する具体的な指示がなかったらしい。その辺は守備の支持は細かいけども攻撃は選手個々のアイデアに任せるというタイプとは正反対なんだけども・・・ただ、その時のフリューゲルスって失点がやたら多くてレシャックは解任されてしまったのだが。

基本的にこのやり方ってポゼッションを高めていけば守備機会はなくなる、という思想に基づいていて、当時プレーしていた選手に言わせると確かにボール回しは上手くなったけども、それでもバルサの選手と同じレベルにまで上手くなったわけではない。また、このやり方って最後は中で切り崩せるドリブラーが必要なわけで、そこでかのパウロ・フットレの出番となったわけなんだけども・・・あと守備でしょうもない失点を如何に減らせるかも大事なわけで、本家バルサだってダメな時はカウンターでやられたり、セットプレーでも失点していたりしたことが多かったわけです(あと、GKバルテスがヤラカした時とか)。

昨季のバルサがこれまでと違っていたのは、実は守備の安定があったということを見逃してはいけないわけで、そこには守備をしないロナウジーニョをお払い箱にして前線からのチェックを行えるようになったこと、中盤の底に運動量が多くかつ攻撃参加の得意なバルサタイプのセイドゥ・ケイタを置いていたことと(そこらへんライカールト時代のエジミウソンやモタよりは良くなった)、あと更に相手にクロス上げられても跳ね返せるマルケスとプジョルが安定していたことが挙げられる。で、今年になるとバルサのコーチが言っていたことだが、前みたいにCKの時に全員が帰陣するということにしたとか・・・

そう考えると今の日本に即したやり方というのは、選手個々の技術や判断力、戦術理解を植えつける意味でバルサメソッドを取り入れるのは有意義(特に育成世代においては)ではあるが、それと同時に組織的守備と如何に融合させるかということに尽きるかな、と。本家バルサでさえ守備の安定という課題の克服に躍起になっているとしたら、バルサ流を学ぶ日本では尚更それを考えていかないといけないんだろうけども。つまり、それが中心になるのではなく、全体のバランスを考えた中での一つのメソッドとして考えるわけですね。

実際大宮なんかはサルバンスを講習会の講師として招いているんだけども、そこには育成世代においては主流のサッカーを教えて貰って理想を追い求める一方で、トップチームはとにかくJ1で残留し続けるという現実路線を使い分けているわけで、そこらへんは使い分けを上手くやっている方か。ただ、弱いところは育成世代でいくらいいサッカーを見に付けさせても、トップのお手本については・・・話題変えた方がいいかなw

その意味でサルバンスみたいな指導者ってユースレベルで監督ではなく、コーチとして主に攻撃面を見るのがいいのかな、と思うわけですね。これはアメフトで言うところのオフェンシブ・コーディネーターと同じ着想なんですけども・・・

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。