大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

最後に引き際の美学を見せてくれたツネ~誰の思いのままにならない人生を選ぶ

2011-12-20 07:39:55 | サッカー全般
本題に入る前に少し野球の例を引き合いに(前にも書いたが、野球には組織論に関して学べるケースが色々と転がっているもんで)。中日の落合前監督が著書「采配」(この本面白いんでサッカーファンにも読んで欲しい)において、就任1年目でリーグ優勝を決めた後に、エースの山本昌が監督室にやってきて、落合前監督に対してもう一年だけやらせて欲しいと直訴したところ、落合前監督は、いつまで続けるかはお前自身が決めろ、と突き放したという話を書いておられる。まあ、山本昌ぐらいの実績を残したベテランであれば、ドラゴンズからクビを言い渡されにくい分、本人が引き際を決めなきゃいけない、という立場にはあるのだろう。落合前監督はそういうことを山本昌には言いたかったんだろうとは思うが(だから山本昌とか関西の球団の誰かさんとかは引き際を誤ってるんじゃないかな・・・)。

その意味で、ツネの場合には、神戸であれ、他クラブであれ、望めば現役を続行するという選択はあったんだけども、神戸に残ったとしても戦力としての期待がされているわけではないということは在籍中でも感じていただろうし、それならと自分の身の振り方を自分で決め、しかも今後はどこかの組織に属することはなく(あくまでも現時点での情報で。もっとも、神戸にしてみれば籍だけでも残しておいて欲しいと思っているのかもしれないが・・・)、フリーの立場でFIFAマスターを取得する為に勉強しなおすという選択も見事ではある。だからそういう選択をしたのならば、彼にはどこの組織にも見を置かずに、今後は自分の頭脳で勝負していく、ということで頑張って欲しいとは思う。

ツネの引退後の身の振り方については、神戸だけでなく、ガンバやJFAにしても欲しい人材ではあった分色んなオファーがあったと報じられている。けど、彼はそうしたオファーを全て振り切ったのは、これ以上自分を何かに利用されたくない、と思っているからだろう。それが現役の晩年不遇を味わった人間としての意地じゃないかと思っているし、彼のことを本当に考えているんなら、彼のやりたいようにさせてあげたらいいんじゃないか、ということを、かつて所属していたチームのサポとしては強調したいと思う。

今後彼がどんな道を歩むのかは誰にも判らない。ただ、言えることは、彼は予め敷かれたレールに乗ることを拒否したということだろう。それが現役の頃とは異なる、最初の人生の選択であったことを覚えておこう。