ねむたいむ

演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

東京、行ってきました

2014-12-07 | Weblog
東京ではホテル三連泊。贅沢をさせてもらっった。
朝起きたまま部屋を飛び出しても、帰ってきたらちゃんとお掃除されている。朝食のバイキングも美味しかったし、ベッドも室温も快適で、三日間ぐっすり眠れた。
劇場は絵空箱という小さな空間。小公演では人気の場所だそうだ。
今回は劇団大樹さんからオファーを受けての東京行だ。

公演前日、私が到着するとすでにセットがなかば出来ていた。華道家・横井紅炎さんの、いつも通りの特色のある素敵な美術。竹や和紙といった自然の素材を使って、ダイナミックかつ繊細に組み立てられている。和紙には落ち葉がはめ込まれ、それに照明があたって美しい。舞台上にはジェリービーンズのような箱がちりばめられている。

本番では、私はゲスト扱いなので、前半は客席から観させてもらって、後半に舞台から呼ばれる形での出演だった。

前半の「カスタネットの月」は、照明も、荒井美帆さんの二十五絃筝(写真では左端にちょっと写っているだけですが)の響きも、水川美波さんのダンスも、もちろん出演者のみなさんの朗読も、完成度が高く、ほんとうに素晴らしかった。
和紙の月に、美波さんの動きが映し出されるというシーンもあって、とにかく美しい。

この作品は、2006年にりゃんめんでも上演したものだ。
その時は女の一人語りで、舞台上に朗読者が一人、他の登場人物は声だけの出演という形だった。
今回はより演劇的になっていて、登場人物がそれぞれの役を演じるのではなく、主人公こずえの複雑な心の動きをみせるため、一度脚本をばらして再構築するという作業がなされていた。
斉藤さんの演出は動きも緻密に計算されていて、手間もかかっていて、小公演といえど全力投球の主宰の川野さんの姿勢が伝わってくる。
とても面白い演出だと思ったのだけど、川野さんの殻を破りたいと言っていた演出に、一言言わせてもらうなら、川野さんには、こずえのヒーローである栗林先生の役を、いつもの殻を破って演じることに挑戦してもらってもよかったのでは、と思ったりもする。
なんといっても、こずえを再生させたのは初恋にも似た「恋のちから」なのだから。栗林先生は大切な役で、こずえが羽森さん一人が演じたように、栗林先生もほかの役と一緒に演じたりしてはいけないと思う(って、これは台本を読ませてもらった段階では感じなかった感想なのですが)。

後半は、軽いトークセッションと、様々な私の作品をつなげて一連の物語のようにして構成したものを、出演者のみなさんと一緒に読ませてもらった。作家として、とても贅沢なことをさせてもらったと思う。とても楽しかったし、勉強にもなった。

川野さんの演劇製作者としての姿勢には、毎回本当に感心するばかりだ。
私も来年11月には大阪で新作をプロデュースすることになっている。頑張らねば!









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