芝居を書く前、私は詩を書いていた。詩の雑誌主催の会で、俳優さんに私の詩を朗読してもらったことがあった。とてもドラマチックな朗読で、へぇ、こんな風に読んじゃうんだとびっくりした。自分の頭の中で作っていたその詩のイメージと、読む人のイメージが全然違っていた。
詩人の谷川俊太郎さんはよく自作の詩を読んでいる。俳優さんが読むより淡白でナチュラル。へたといえばへた。でも、本人なんだから聞く人は納得する。谷川さんはイメージを押しつけない。自分の感情をあまり入れず、でも、時として文字よりも印象深く、ことばを聞く人の耳に届ける。
詩、ならいいと思う。詩はとてもパーソナルなものだ。自分の心情を書く。自分の思いを書く。だから本人の味で聞かせられる。でも、物語となると、ちょっと違ってくる。
物語性のある独立した世界を聞く人に届けるためには、やはり語りの技術がいる。その技術は、長く訓練を重ねた人にはかなわない。今後、自作の物語のリーディングを続けるためには、そこを乗り越えなければと、思う。乗り越えてその上に、書いた本人だから伝えられるものまでを表現できるようになれればと、思っている。
3月29日・30日に海月文庫で行ったドラマ・リーディング「甘やかな十字架」を、文字の形でHPにアップしています。
「透馬くんのこと」「トモヨリさんのこと」「もりお君のこと」「ジェリービーンズの指輪」という、それぞれ15分ほどの4つの短編。
興味あるかたは、み群杏子のホームページ「微熱の箱」の、「甘やかな十字架」のコーナーへどうぞ。
詩人の谷川俊太郎さんはよく自作の詩を読んでいる。俳優さんが読むより淡白でナチュラル。へたといえばへた。でも、本人なんだから聞く人は納得する。谷川さんはイメージを押しつけない。自分の感情をあまり入れず、でも、時として文字よりも印象深く、ことばを聞く人の耳に届ける。
詩、ならいいと思う。詩はとてもパーソナルなものだ。自分の心情を書く。自分の思いを書く。だから本人の味で聞かせられる。でも、物語となると、ちょっと違ってくる。
物語性のある独立した世界を聞く人に届けるためには、やはり語りの技術がいる。その技術は、長く訓練を重ねた人にはかなわない。今後、自作の物語のリーディングを続けるためには、そこを乗り越えなければと、思う。乗り越えてその上に、書いた本人だから伝えられるものまでを表現できるようになれればと、思っている。
3月29日・30日に海月文庫で行ったドラマ・リーディング「甘やかな十字架」を、文字の形でHPにアップしています。
「透馬くんのこと」「トモヨリさんのこと」「もりお君のこと」「ジェリービーンズの指輪」という、それぞれ15分ほどの4つの短編。
興味あるかたは、み群杏子のホームページ「微熱の箱」の、「甘やかな十字架」のコーナーへどうぞ。