公演が近づいてきて、稽古現場は盛り上がってきていることと思う。
この時期の公演にはかなりの緊張感も伴っていることだろう。
毎日届けられる稽古場の写真を見ながら、私は離れた場所で色々想像するばかりなのだけど、
脚本に書き加えた箇所について、この場でちょっと語ってみたいと思う。
原作には書かれていない何を加筆するか、京都まで来てくれた川野さんと話しあった。
今回の舞台の生演奏では、カヤグムという韓国の楽器が使われると言う。
韓国…私は記憶の中に埋もれていた何十年も前にもらったTさんからの一枚の絵葉書を思い浮かべた。
対馬半島のフェリー乗り場から出された絵葉書。朝鮮半島が一番よく見える場所に建てられていたという立て看板の写真だった。
大阪に住んでいたTさんが遠いその場所に足を運んだ理由、写真とは関係のない文面…。あれはどういう意味だったのだろう。
そのあとに亡くなったTさんと絵葉書について語り合うことはなかった。
Tさんと「ひめごと」に登場する一人の人物が、私の中でリンクしていく。
藤崎信。原作ではあまり語られなかったその人物を深めていきたい思いが強くなっていった。
藤崎信は真木森生の父親でストーリーの要にもなっている人物だが、謎を残したまま行方不明になっている。
いなくなった者たちは何も語らない。ひめごとはひめごとのまま、今も存在する。
問題は残された者たちが自分自身をどこで納得させるかだ。
カヤグムの弦を揺らす独特の演奏法は、深い悲しみの感情を表現するとも言われている。
登場人物のそれぞれのひめごと、Tさんの思い、私自身の事…
私は今回の加筆を通して、物語が育っていく過程と共に、自分自身の変化をも実感することが出来た。
この作品を、沢山の方に観てもらいたいと心から思う。
この時期、劇場に足を運ぶことを躊躇される方にも、配信や応援チケットが用意されている。
大樹さんの配信映像はとてもきれいで、編集も素晴らしい。
応援チケットには上演台本とDVDが付いている。
何度も観返してもらえば、その都度発見のある作品なのだ。
配信は写真のチラシのQRコードから申し込めます。
応援チケットは
「ひめごと」オフィシャルサイトや私に連絡してください。
そして可能ならやはりぜひ当日公演に!
私は17日と18日、おじゃまします。ぜひ!
【公演情報】
◆劇団大樹 第15回本公演
星みずく&エターナルウィステリアアーツ共催
「ひめごと」《ライブ配信あり》
作:み群杏子
演出:篠原明夫
音楽/演奏:金オル (カヤグム)
花美術:横井紅炎 (草月流華道家)
出演:平田京子、白須慶子、川野誠一、工藤世名、俵一
◆公演スケジュール
12月14日 (水) 19:00~
12月15日 (木) 14:00~/19:00~
12月16日 (金) 14:00~/19:00~
12月17日 (土) 14:00~/19:00~
12月18日 (日) 14:00~
於:小劇場てあとるらぽう
〒171-0051
豊島区長崎5丁目1-32 城北日専連ビルB1F
◆観劇チケット <日時指定・全席自由>
前売:4000円/当日:4500円
学生割:3500円(要学生証)
日俳連:3500円(要会員証)
※11月1日(火)前売開始
◆応援チケット
料金:5000円(特典付き)
①「ひめごと」上演台本
②「ひめごと」公演DVD
※観劇には行けない、でも劇団は応援したい!購入応援という形の「劇団支援チケット」です。特典は、お振込みを確認後、公演終了後に指定のご住所へ発送させて頂きます。ご観劇は出来ません。
◆前売り+応援チケット <日時指定>
料金:8000円(特典付き)