ブランデー、パイプ、モーツァルト、ロッキングチェアー、読書・・・
ねえ、あなた。
今も窓辺に、あなたが見えるようですわ。
でも、わたしを残して、先に、いっちゃいましたね。
ローズティー、手作りクッキー、花柄のルームシューズ、イングランド製タータンチェックのひざ掛け、アルマの香り・・・
ローズガーデンの隅に植えられたハーブを採ってきて、今夜のメニューにハーブを入れよう・・・
なんちって、なんちって・・・・
これ、老人ホームで20平方メートルのお部屋に暮らす、わたしの将来。
日本庭園を前に、ぽかぽか日差しの縁側で、居眠り。
これは、おそらくないように思う・・・。
それは、記憶の中に、永遠に映る残像となるかも知れない。
昨夜、手巻き寿司をした。
具が、いつもになく、豪勢だった。
(滞在中の二人に、スーパーまで、わたしの愛車を飛ばして買い物してきてもらった)
具のなかで、
ウナギが高かったということで、サンマの蒲焼(2尾280円)を買ってきてくれていた。
サンマの手巻き寿司、初めての経験だ。
準備して、下娘の帰りを待つ、わたしたち。
下娘が、予告より早く帰宅した。
わたし
「今日は、張り込んだんだからね」
下娘
「表現が古いなあ」
わたし
「そう? じゃあ、奮発したから・・・。これで、いい? (うるさい、やっちゃ)」
下娘
「・・・」
下娘は、目下、神経がピリピリ中なので、そっとしておく。
とても豪華で、素敵な夜となった。
材料費は、彼らに1万円札を渡し、足りないと困るから、と、もう1万円追加したが、
おつりは、1万円プラス、たくさんの千円札と小銭。
安かったからと、トイレットペーパーも買ってきてくれていた。
つまり、ディナーは、ものすごく安くついた。
さっそく、フェイスブックにアップしていたようだ。
外食の、いったい何分の一だろう。
新しいメンバーが加わると、メニューのバリエーションが増えて、新鮮だ。
(手巻き寿司、・・・手抜きでありますが。
海苔も滅多に使うことがないので、機会があれば使わないと、永遠に使わない)
昼食も、滞在中の彼が作ってくれ、わたしは、その間、納戸の片付けに精を出すことが出来た。
納戸の、あふれかえるゴミと不要物に、埋もれ、
退路を考えずに納戸の内部、奥地まで、せっせ、せっせと掘り進んだため、
「ご飯ができました~」と呼ばれても、なかなか出ることが出来ず、少々焦った。
無事、入り口にたどり着き、ゴミや不要物は、また後で・・・と、入り口に山積みにしたまま、
ありあわせ材料で、ちゃちゃっと作ってくれた和食を美味しくいただいた。
イマドキの男子は、厨房が定位置のようで、なんの気負いもないようだ。
家にある材料をチェックし、ネット(ケータイ)で調理法を調べ、手際よく料理する。
いやはや、ありがたいことでございます。
謝謝。