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みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0736「あやつる」

2019-12-05 18:19:40 | ブログ短編

「じゃあ、行ってくるよ。君(きみ)はゆっくり友だちとおしゃべりしてて――」
 夫(おっと)はそう言うと出かけて行った。妻(つま)が玄関(げんかん)まで見送って戻(もど)って来ると、すかさず友だちの一人が声をかけた。
「あなたのご主人(しゅじん)って素敵(すてき)よね。今日は日曜なのにお仕事(しごと)なの?」
「違(ちが)うわよ。ちょっとね、お買い物を頼(たの)んだのよ」
「えっ、そうなの? いいわねぇ。うちの主人(ひと)なんか休日(きゅうじつ)は家の中でゴロゴロしてるくせに、ちょっと買い物を頼んだら、休みの日まで働(はたら)かせるつもりかって――」
「そうそう、うちの主人(ひと)もよ。もういやんなっちゃうわ。こっちは休みなしで家事(かじ)もこなしてるのにねぇ。あ~あ、あなたの旦那(だんな)と取り替(か)えて欲(ほ)しいわ」
 妻はちょっと誇(ほこ)らしげに微笑(ほほえ)むと、「もうやめてよ。でもね、うちの旦那も前は同じだったのよ。休みの日なんか、ぜんぜん動(うご)こうともしなかったんだから」
「ウソ、信じられないわ。あんなに完璧(かんぺき)な旦那なのに…。ねえ、何かあるんでしょ? 教えてよ。どうすれば、あんな主人(ひと)に改造(かいぞう)できるの?」
 妻はちょっと声を落として言った。「それはね、あの主人(ひと)が寝ているときに、耳元(みみもと)でちょっとささやくだけでいいの。とっても簡単(かんたん)なのよ」
「そうなの? で、何てささやけばいいのか教えてよ。あたしもやってみるから」
<つぶやき>この妻の計略(けいりゃく)を夫は知る由(よし)もないのです。まあ、知らない方が良いかもね。
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