goo blog サービス終了のお知らせ 

みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0737「リフレッシュ法」

2019-12-06 18:09:28 | ブログ短編

 デスクで仕事(しごと)をしていたすみれは、大きく背(せ)のびをして吐(は)き出すように呟(つぶや)いた。
「あ~ぁ、疲(つか)れたわぁ。もうだめ。ちょっと光合成(こうごうせい)してくるね」
 すみれは隣(となり)の席(せき)の敦子(あつこ)に声をかけると、席(せき)を立って部屋を後(あと)にした。そばにいた後輩(こうはい)の芳恵(よしえ)が不思議(ふしぎ)そうに敦子に訊(き)いた。
「あの、光合成って、何なんですか?」
「ああ、息抜(いきぬ)きでしょ」敦子は仕事の手を止めずに答(こた)える。「リフレッシュってやつよ」
「そうなんだ。じゃあ、あたしも行ってこようかな?」
「あんたはダメでしょ。まだ、やらなきゃいけない仕事がたまってるじゃない」
「でも、あたしもへとへとなんですけど…。そろそろ休憩(きゅうけい)…、ダメですよねぇ…」
 すみれはビルの屋上(おくじょう)に来ていた。彼女は雲(くも)ひとつない青空(あおぞら)を見上げて呟いた。
「今日も良い天気(てんき)ねぇ。お日さま、最高(さいこう)!」
 すみれは腕(うで)を上げて大きく伸(の)びをした。そして太陽(たいよう)の方へ身体(からだ)を向ける。すると、不思議なことが起こった。彼女の皮膚(ひふ)の色がだんだん緑色(みどりいろ)に変化(へんか)したのだ。
 ――彼女は全身(ぜんしん)で太陽の光を受けていた。しばらくして、充分(じゅうぶん)に太陽の光を浴(あ)びると、彼女の皮膚はもとの色に戻(もど)った。彼女は大きく深呼吸(しんこきゅう)すると呟いた。
「さあ、もうひとふんばり…。よし、がんばろうっ!」
<つぶやき>リフレッシュの仕方(しかた)は人それぞれ。もしかしたら、こんな人もいるかもね。
Copyright(C)2008- Yumenoya All Rights Reserved.文章等の引用と転載は厳禁です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする