梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

女の話

2011-04-19 09:25:18 | 雑記
22~23の頃の話である、時々のみに行っていた小さな飲み屋が有った、当時はスナックと言う形式で無いと11時以降の営業が出来ない、名目は軽食食堂と言う事になっているが女性が何人かいて隣に座って接客をする、言わば小型で安いクラブ形式である、
その何人か居る女性の一人が居なくなった、美人でもないがスタイルの良い感じの良い娘だが何か花が無い娘だった、良くある事で気にもしていなかったがこれも話の枕でママに「Nちゃん辞めたの?」と聞いて見たら「そうなのよ、突然だったし良い子だったので止めたんだけど辞めちゃった」という事だった、「理由は言わなかったけどどうも妊娠してたみたい」と言う、「私はTさんと何か有ったんじゃないかと思うけど、良い大人だから他人がとやかく言う事じゃないし、こんな仕事をしていればよくある話だしね」と言う事だった、Tと言うのはこのスナックの常連で私とも顔見知りである、自動車整備工場で塗装工をやっていて自分と同い年位だった、スポーツマンで爽やかなちょっと良い男なので男女問わず人気が有った。
その後何週間かして彼に会ったので冷やかし半分に「Nちゃんと何か有ったんだって?」と聞いて見たら「そうなんだよな、気にはなっているんだがアパートも引っ越してしまって」と言う事でやはり何度か男女の関係が有ったらしい、彼はかなりあしげく通っていたので暫くして店を何度か休む事があり、身に覚えがあるので少し出てきた下腹が気になって聞いて見たら「そうなの、少し酷い便秘なのよ」と言う返事だったと言う、しかしその直後から店に来なくなりママに聞いたら突然やめたと言う、
すぐにアパートに行ってみたが既に引っ越した後だったらしい。
それから半年位してTから電話が来た、「どうして良いか解らないから相談に乗って欲しい」と言われ話を聞いて見たら東京都の婦人問題何とかと言う所から職場に電話があって「Nと言う女性を知っていますね」と言われ「知っている」と答えたら「彼方の娘さんが生まれて彼女が大変困っています、すぐ来て下さい」と言う電話だったそうだ。
Tは「参ったよ、彼女がどうと言う事じゃなく未だ結婚はする気が無い、彼女の性格から恐らく自分の子だとは思うがどうしたらいいか解らない」と言う、頼むから一緒に来てくれないかと言われて付いてゆく事になった、新宿の若松町に有るその施設にいったら未だ彼女は入院状態だった、
対応した女性は強い口調でTを攻め、自分にも「何で関係の無い人が居る」と攻め立てるのだが肝心なNちゃんは最初からずっと泣きっぱなしで「御免なさい、Tさんに迷惑は掛けません、私が勝手に生んだんです」と言っていたが係りの年配の女性はNちゃんを叱り付けて「結婚しなさい、最低でも認知をしなさい」と言い立てるのを聞いていて少し腹が立って来た、
頼まれた以上言うことを言って置かないとと彼が妊娠ではないかと問い合わせた時、彼女が否定してそのまま居なくなった事を伝えるとNちゃんも「結婚は出来ないと最初から解っていた、でもTさんの子供が欲しかった、妊娠したと言えばおろせと言われるのが怖かったので隠れた」という、しかし早期破水になって救急車を呼ぶ事になってこの施設に廻されて結局彼の名前を出したらしい、
結局少し纏まった金を渡し今後彼に対して迷惑は掛けないと言う事で済ませたが後で聞いたら彼は「認知だけはして来た」そうである、
なぜ彼女がTと結婚が無理だと思ったのか、それでも彼の子供を欲しかったと言うのは何故なのか二人ともどうしても解らない、女性は子供をおなかに宿した時から母親になれるが男は産着に包まった赤子を渡されても暫くは父親に成り切れない、
女性と言う生き方は一見打算的に見えるが全く感情的でもある、やはり男にとっては永遠のなぞだ

少し前、今は葉桜になっている



此花はなんだかわからない、多分果物のような気もする