裁判記録の特別保存の対象例として「全国的に社会の耳目を集めた」、「少年事件に関する調査研究の参考資料になる」などが挙げられる。最高裁が1992年の通達で示した。最終判断は各家裁の所長に委ねられている。
この通達自体が具体性を欠いていることが問題の一つである。事件ごとに対応がまちまちである。
◉2000年に17歳少年が起こした西鉄高速バス乗っ取り事件(佐賀家裁)などは残されていた。
◉少年が小学生5人を襲い、うち2人を殺害した神戸の事件は、刑罰の対象年齢を「16歳以上」から「14歳以上」に引き下げた少年法改正のきっかけになった事件の一つだった。歴史的資料であり、当然特別保存されるべきだった。
神戸家裁、最高裁が廃棄の経緯の調査に否定的なのは疑問。
神戸家裁、最高裁が廃棄の経緯の調査に否定的なのは疑問。
誰がどんな理由で廃棄の判断をしたのか、どのような手続きを取ったのかなどを検証する必要がある。一部でも写しを保管している可能性がある警察や検察、弁護士の協力を得て、復元に努めることは当然である。
特別保存の運用が適切だったかどうか、最高裁は有識者委員会で検証する方針、という。裁判所にある全ての記録の保存の在り方についても意見を聞き、今後の方針を決めるという。こんなことも自分たちでは決められないのか??
特別保存の運用が適切だったかどうか、最高裁は有識者委員会で検証する方針、という。裁判所にある全ての記録の保存の在り方についても意見を聞き、今後の方針を決めるという。こんなことも自分たちでは決められないのか??
こんなレベルで最高裁は判決の最終裁断を下していたのか??ならば、最高裁が判決を出す前に事前に有識者の意見を聞いてはどうか。
私は国内の重大事件の資料を収集している。少年事件も然りである。
少年事件は少年の社会復帰を重視する立場で非公開で、原則として事件記録の閲覧はできない。だから少年事件の情報は限られる。
犯人が少年であった場合には遺族にはほとんど情報が届かない。ツンボ桟敷に置かれる。したがって、少年による事件の被害者及びその家族は二重、三重に苦しみを味わうことになる。加害者の人権はかなり守られているが被害者、被害者家族の人権はほとんど無視されている。
確かに、復帰後に加害者の個人情報が暴かれることはあってはならない。それは理解できるが、犯人の更生は一生かかっておこなわれなければならない。適切な経過を辿っているかは裁判所の責任でフォローすべきである。
事件は判決が出た時点で終了してはいない。裁判所は最終判決が出ると「一件落着」扱いするのであろうが、「事件は生きている」し、「関係者も生きている」、「事件の原因、要因になった社会も生きている」のだ。
学術的な研究などを通じ将来の社会に資する可能性は守るべきだ。
私は司法関係者の歴史観、良識、責任感を疑いたい。
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