福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

老医のつぶやき(1) 私は年齢判断能力欠如人間?? 

2018年04月03日 17時37分50秒 | 医療、医学
 最近の中高年者は年齢が分からない。いや、若い人も分からない。私は年齢判断音痴、らしい。

 馴染みのない患者が外来に来たときに、診察時に「どうされたんですか?」と聞き、ついでほぼ全員に「年令は?」と聞く。
 机上の電子カルテに年齢は表示されているし、紙カルテの場合でも処方箋などを見ると年齢が分かるのであるが、私はそれらを見ないで患者から直接聞く。認知症の患者の場合はテストを兼ねてであるが、おかしいときは返事を聞いた後で確かめる。
 
 この様な当たり前の質疑、対話を介して患者との間の緊張関係を解く。和顔愛語と共に私が絶やす事のない診察のコツのひとつである。

 若い印象の患者は、特に若作りの方は嬉々として〇〇歳と応える。その時の表情が良い。自分でも実年齢との違いを意識している、という事がわかる。

 最近の方々は各年代を通して年齢がよくわからない。自分が予測した年令に近い事のほうが少ない。外見よりも高年齢である事が多い。毎回驚きであり、楽しみのひとつであり、自分の年令音痴にあきれることも多い。時代そのものが、日本の文化そのものがアンチエイジング効果があるからである。
 人の外見とアンチ工イジング(3) 現代に生きること自体アンチエイジング

 中には直接答えないで〇〇年生まれです、と答える方もいる。患者から私が試されているようだ。自分の年齢に近い方々の場合は分かりやすいが、ちょと離れると計算出来ない。その時の為に私はiPhoneの裏に年齢早見表を添付してチラッと見る。

 逆に患者から探りを入れられる事がある。
 私の様な高齢医師に診られることなど想定して来なかったのであろう。60代の時は1-3歳ほどサバを読んでいた。一般的には若くみられたいのであろうが、私はより高年齢に見られたい、と思ってきた。遺伝的な問題なのだろうが、小学高学年の頃から白髪交じりで、40代頃からドッと白髪が増え老けてみえるようになった。そんなことも関係していた、と思う。

 最近はサバを読むをやめた。患者に不安を与えるのではないかとの懸念からである。なんでこの病院はこんな年寄り医師も雇っているのか?? 今日の診察医は大丈夫か?? などなど。

 私からみても高齢医師はあまり頼りにならない。頼りにしないほうがいい。近代医療の事を知らないし、判断があまいからである。その甘さの影には、病気や疾患を詳細に捉えるよりは大局的立場から患者を考えるべきだという、という意味もある。ただし、この部分は私の個人的な感想である。他の高齢医師が自らの医師像をどうとらえているかなど、話したこともないから知るよしもない。

 ただ一般的に医師は経験も大事と思われていることもあって、私は幸い大部分の患者からは好意的に捉えられているが、若手の医師からの評判は芳しく無い。それを日々自覚する。
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