福田の雑記帖

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国民皆保険制度(11)協会けんぽ12年度試算 平均保険料初めて10%を超す

2011年10月11日 06時01分16秒 | 医療、医学
 わが国は国民皆保険制度を敷いている。全ての国民が何らかの健康保険に加入している,ことになっている。各人の健康保険の引き受け団体は3.500もに及ぶが、それらは■職域保険と■地域保険に二大別される。

 更に、分類すると
 ■地域保険は、国民健康保険と後期高齢者医療制度の二つ。
 ■職域保険は、組合管掌健康保険(組合健保)、全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)、共済組合、の三つである。

 このうち協会健保は、中小企業の従業員やその家族が加入する健康保険で,2008年までは社会保険庁が運営し政府管掌健康保険と呼ばれていた。加入者は3.500万人ほどで国保に次ぐ規模で,協会けんぽの保険料率は2011年度は9.5%で保険料は17万円ほどで、労使で折半される。これが、2012年度の試算では10.2%に達する見込みとなった。
 景気低迷による給与が落ち込んでおり、高齢者医療を賄うための拠出金が大幅に増えているためで、従業員一人あたり年間26.284円増える見込みとなっている。賃金が少なく経営困難な中小企業の健康保険なだけに労働者にも雇用側にも厳しい対応となっていく。

 この協会けんぽから高齢者医療向けの拠出金は3兆3千億円で、加入者への保険給付費用は4兆9千億円ほどで、政府の補助率16.4%に変更がなかったために、運営出来なくなるための保険料増額とのことであった。
 この様に国民皆保険の仕組みは複雑である。始めから成り立たない仕組みとしての後期高齢者医療制度に対して、職域保険から多額の拠出金が回され,更に、職域保険にも国から補助が行われている。労使ともに自ら用いる保険料の約二倍徴収されているほかに、納めた税金からも医療費として使われている。

 何しろ、後期高齢者医療制度は納める保険料は一人あたり年間6万円ほどであるのに対し、医療費は10倍以上の88万円もかかっている。この仕組みを方々でカバーし,何とかバランスを取っている。この状態は更に悪化していくことが予想される。

 だから負担の仕組みを考えると共に、増大していく医療費自体にも手をつけなければ国民皆保険は徐々に厳しくなっていく。
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