福田の雑記帖

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国民皆保険制度(12)各種の日本の医療の満足度調査結果

2011年10月12日 18時50分00秒 | 医療、医学
 2010年4月15日、共同通信はロイター通信による「医療制度 に関する満足度調査」の結果を報じたが、その際、「日本の医療の満足度は15%で22カ国で最低レベル」とした。この結果は、WHOを始めとするその他の調査で実証された過去の結果とは大きくかけ離れており、関係者を驚かせた。

 ロイターのデータによると、自国の医療制度に満足している人の割合が高いのはスウェーデン(75%)と カナダ(70%)、英国(55%)であった。満足度が低いのは、韓国、ロシアなどで、共に満足していると答えた割合は30%以下だった。米国は回答者の51%が手ごろな医療を受けられる、と回答した。

 上記のロイターの調査は「世界のGDPの75%を占める22ヶ国」の「18-64歳」の人を対象に2009年11月から3ヶ月間かけて行ったもの。「自分の家族が重篤な病気になった場合、良質で手ごろな医療を受けることは難しいか?」との間いに対し「困難」との回答の割合はスウェーデン(25%)、ベルギー(30%)。高かったのは日本(85%)、ハンガリー(83%)であった。

 従来の調査は今回のロイターの結果とは異なっている。
 以下がその代表的調査結果である。

 ■WHO(2000年):日本は健康寿命が第1位、健康達成度の総合評価も第1位と評価されている。
 ■第2回日本の医療に関する意識調査(2006年):日医総研の調査では「受けた医療」に対する満足度が83.6%、「日本の医療」に対する満足度は51.2%。
 ■日本の医療に関する世論調査(2009年):日本医療政策機構の調査では、「現在の医療制度にどの程度満足していますか」という設問 に対し、55%が満足と答えている。一方で、「将来の医療についての不安」 として、「必要な時に医療を受けられない」(74%)、「深刻な病気になったときに医療費 を払えない」(79%)という回答があった。
 ■OECD加盟国における地域医療の満足度および医療制度の信頼度調査(2009年):
米国のGallup社が公表した 「 OECD加盟国における地域医療の満足度および医療制度の信頼度調査」によれば、 日本は、「地域の医療における質と利便性に対する満足度」が64%、「医療制度に対する信頼度」は57%であった。
 ■厚労省受療行動調査(2009年):「病院に対する全体的な満足度」で「外来患者」58.3%、「入院患者」 66.3%が満足と回答。

 日本医師会はロイターの報告に対し2010年5月26日の記者会見で、「この調査は、医療に対する満足度を直接聞いたものではない」、「日本国民の医康に対する満足度は決して低くない」と強調した。
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