福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

「こんなに雪がない冬は初めて・・・」という若い女性達

2007年02月21日 06時37分15秒 | 季節の話題
 まだ寒波は何度か来るのだろうが、時折見られる日差しはもうすっかり春の息吹である。本当に今期は雪が降らない。朝方に5cmほど積もっていたことが2回ほどあったきりで、通勤はずっとスリッパで通している。ここ数年は靴下を着用しているが、雪で冷たい思いしたのは一度だけである。NHKラジオの朝の番組では梅が咲いた、寒桜が満開などの方々の春の便りを連日流している。何れも2-3週間早いのだそうだ。今朝はモンシロチョウが飛んだという便りであった。

 こんな冬は私にとって初めてである。こんな事で良いのだろうか、どっかでリバウンドが来るのではないか?春の農業用水は大丈夫か?夏には冷夏や渇水にならないか?と思いつつも、私には通勤も楽で、除雪のための時間が全く不要なのはとても有り難い。

 降雪時には、最小限で済まそうと思えば条件の悪くなりやすい路地10数mほどの除雪で良いのだが、ご近所では高齢化が進んでいるので、いつもついでに路地を40mほど先までやってしまう。除雪機で雪を飛ばすので労力的にはそれほど大変ではないが、1時間ほどの時間が惜しい。出勤も遅れ、早朝の予定が狂う。されど自然の営みだから身を任すしかない、と割り切るしかない。だからこそ実に有り難い。

 先日、大阪出張の帰路、私の前には20歳前後の女性数人のグループが乗っていて、秋田の上空から山並みの雪を見つつ今年の積雪の話をしていた。それぞれが「こんなことは初めての体験」、「私もよ」などなどと話し合っていた。私が担当する外来は高齢者が多く、70歳以上の方々が7-8割り占める。この方々も同じ事を同じように話す。そんなに詳しく覚えていないのでは?とは思うが、確かに気象観測史上でも初めてだと言うから、本当だろう。各年代の方々が同じことを言うのは当然であるが、若い方々がこぞって「生まれて初めて」と言い合っているのを聞いて何となく、違和感があった。

 「自分の人生を通して経験はありません。全く初めてです」などという感想は、ご高齢の方が人生を振り返りつつしんみり語る時の言葉なのかと思っていたが今はそうではなくなったらしい。この嚆矢は、水泳の岩崎選手、当時中学生だったと思う。オリンピックで金メダルを獲得したときのインタビューで「私が生きてきた人生で最高の喜びです・・・」とか言って、当時流行語にもなった、あのときからでないかなと思う。
 私が年取ったセイなのかも知れないが、若い世代の方々の価値判断は次第に狭くなってきていて、自分の範囲だけからの判断になりつつあるように思えてならない。
 雪のこと程度なら笑って聞き流せるが、社会の判断、常識、良識等というほぼ共通の認識、価値判断もあることを分かって欲しいものである。そのための勉強が社会勉強なのだが、それが不足しているように思う。
コメント
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