福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

新型インフルエンザ問題(4)これほど万人にとって平等なリスクはない

2007年02月16日 06時44分09秒 | 医療、医学
「新型インフルエンザ」はまだ発生していない。しかし、事態は刻々と深刻になってきており、既に、いつ発生するかのレベルに達した、というのが大方のインフルエンザ感染症、ウイルス研究者の見解である。

 なのに、世の中は平穏である。

 例えば、地震などの自然災害の場合,気候上の災害などは、日本の国土全体が一気に日本海溝に崩れ落ち、海に沈むと言うようなSF的災害を除けば、一般に局所的である。だから、災害に遭わないという可能性も残るし、直接の被害はせいぜい数日単位である。だから、被災しなかったところからの援助も期待できるし、避難も出来る。しかし、「新型インフルエンザ」に関しては激しい流行は2ヶ月以上に渡るから、全国どこに住んでいようとも、誰一人としてその危険から逃れられることはできない。老若男女、貴賎貧富に全く関係なく罹患の危険にさらされる。これほど平等なリスクはない、と言える。これに関しては医療関係者も、一般住民と何ら変わりがないリスクを平等に負う。イヤ、むしろ業務上では大きなリスクを負う。

 かつて、ヨーロッパの封建社会はペスト等の疫病の流行によってヒトとしての平等意識、人権意識が台頭し、封建的機構が瓦解し始めた。「新型インフルエンザ」に関してはそのことが思い出される。日本の格差社会は「新型インフルエンザ」によって歪みが是正されるかもしてないし、労働者の立場も変わっていくかも知れない。

 いたずらに住民に不安を与える必要はないが、医療その他の各部門の責任者に不安を抱かせるような、準備不足の状況にこれ以上おいてはならない。秋田県の総合防災対策関連部署ではどの程度の準備状態にあるのか? 情報はないし、未だに医療面での対策に関する打ち合わせの打診もないから、特に準備はしていないのかも知れない。県民に、最小限の食糧の備蓄などを呼びかけなくて良いのだろうか?

 今後、私どもが医療面において準備すべき項目だけをザッと挙げてみた。

●初期の封じ込め対策と、封じ込めが出来なかった場合の対応。

●行政側の一応のマニュアルはあるが、が医療面からみてパンデミック時の対応マニュアルがない。作成が必要。

●医療側のマニュアルはフェーズ3迄は危機管理担当でまとめる。

●フェーズ4以降は県医師会の危機管理対策委員会で土台をつくる。

●医療上のマニュアルは各保健所を中心とした郡市医師会の対応が中心になるだろう。マニュアル作成には郡市医師会の感染症対策委員の関与が必要。

●秋田医報を通じ医療関係者の行動計画を広報する。

●患者のトリアージ、診療の場所、ドクターの集め方・配備に関しどうするか。

●病院スタッフの勤務態勢・シフトをどうするか。泊まり込みの交代制シフト、医療関係者が自宅に戻るまでの待機場所の確保。

●災害と異なりライフライン問題なさそうだが、食料不足になる可能性大。病院の食材の確保問題は深刻。

●パンデミック時、医療法にこだわらない対策、院内過剰ベットの扱いなどはどうなるのか。

●学校、公民館等公共設備をいかにして準医療施設として利用するか。

●虚弱老人とかに対する町内会機能の見直しが必要。

●県民に不安を与えない、パニックを起こさない情報の提供をどうする。メディアの有効利用。

●県民に対し、特に、トリアージについての啓蒙活動が必要。

●社会の治安の維持、医療機関、医療関係者の安全確保は重要要因となる。
 
 うーん、実に大変である。
コメント
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