銅版画制作の日々

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麦の穂をゆらす風(ToT)/~~~

2006-12-19 | 映画:ミニシアター


名匠ケン・ローチ監督と新星キリアン・マーフィーによる最高傑作『麦の穂をゆらす風』をこの間鑑賞しました。なかなか記事を書くことが出来ず

《お話》
1920年緑深きアイルランドの南部の町コーク。医者を志す青年デミアンはロンドンでの勤務が決まり、アイルランドを離れようとしていた。ところが仲間がイギリスから送られてきた武装警察ブラック・アンド・タンズの暴行によって命をおとすこのことによって、医者になる将来を捨て、兄と共にイギリス支配からの独立を求める戦いに身を投じる。そんな彼らのゲリラ戦に苦しめられたイギリス軍は停戦を求めた戦いは終結したものの、両国に結ばれた講和条約の内容によっての是非をめぐって今度はアイルランド人同志が敵・味方になる内戦が始まる。この内戦によって、デミアンと兄、そして恋人のシネードとの絆も引き裂かれていく

今も世界のどこかで、繰り返される悲しみなぜ人はこの悲劇を繰り返すのだろう。ラストシーンで流されるたとえ傷つき合い、血を流そうとも、愛するものと繋がりあおうとする強い思い権力や圧力に最後まで抵抗を続けた青年ダミアンの生きる姿をアイリッシュ・トラッドの名曲にのせて名もなき人々の涙が胸揺さぶる感動作

2006年カンヌ国際映画祭で、最高賞パルムドールを受賞した感動作品主演はキリアン・マーフィー、最近では「プルートで朝食を」で女装青年などを演じ、インパクトのある俳優として、活躍名監督ケン・ローチも、彼の演技あってこそ、この最高賞を受賞できたと評価している。

 

  麦の穂をゆらす風公式サイト

 ※アイルランドは1652年にイギリスの植民地化となっている。それ以降300年近くイギリスの支配下にあったらしい。1922年にアイルランド自由国を成立イギリスの自治領となる。しかし北アイルランド6州はイギリスに留まる。それから15年後、イギリスは独立を認めた。とはいえイギリス連邦内の共和国という形だった。更に11年後の1949年、イギリス連邦から脱退、共和制に移行した。長い歴史の中でイギリスの支配下にあったアイルランドの人たちの思いを、まさにこの映画が語っている
最初のシーンで、シネードの弟ミホールがアイルランド語で話したことから、暴行を受けて、命を落す。母国語を使ったことだけで、何ということか思わず憤りを感じるきっと長い支配下の時代に、このような迫害でアイルランドの人々は苦しめられていたのだと思う。歴史に刻まれたこの映画は最後まで悲しいものだった

 プルートで朝食をのキリアン・マーフィー

追記:キリアン・マーフィー、「プルートで朝食を」のキトゥン役がいまだに記憶に残っています。あの時の彼は本当に美しいなあと・・・・。その後、DVDで「ダブリン上等!」を観たのですが、まったくイメージが違って・・・・でした。コリン・ファレルとの共演で、人間模様の面白さが印象的な映画でした

 「麦の穂をゆらす風」はただ今京都シネマにて上映中です

 

 

Comments (7)
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