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高校3年間を捨てたと言う娘(後編)

2024年03月14日 00時36分00秒 | タイで子育て
国立大付属高へ設置された全寮制の理数コースで奨学金を頂きながら高校3年間を学んだ娘は、学校や寮の環境が合わなくて学校生活はとても苦しく、高校の3年間を無駄にしてしまったと進路の選択を後悔している。

前回の記事…

高校3年間を捨てたと言う娘(前編) - Menkarm World

娘は国立大付属高へ設置された全寮制の理数コースで奨学金を頂きながら高校3年間を学び、2月中旬に卒業した。高1は新型コロナ騒動で大部分がネットを...

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では、学校の授業が期待したものとは違った事や、多い宿題に追われて十分な学習時間が確保出来なかった事を記事にした。

後編では寮について書いてみよう。
最初に寮の立地から。
寮は大学の構内へあり、敷地はバス通りへ面しても出入り口は路地の奥へ数百メートル入った先。

寮の周囲は林であり、人通りは少なく昼間でも寂しい感じ。

民間のアパートなら出入口へ警備員が居たりするが、この寮は警備員が居らず部屋の中へ先生が居られるだけ。
もし不審者から林の中へ引き込まれても気付いてくれる人は居ないだろう。
大学構内への関係者以外の出入りは自由であり、痴漢の話がSNSへ何度も書かれていたので不安だった。

寮の向かいへ大学職員のアパートがあるが、お店は洗濯屋だけで菓子や飲み物を売る店も自動販売機も無くて大変不便。
最近はバイクの配達サービスが普及しているのでアプリを通じて買い物は可能だが、お店へ行きたいと思ってもタクシーへ1人で乗るのも不安だし、薄暗い林の中の道を歩いて出るのも嫌になる。
大学構内は無料バスが走っているが運行は不規則でなかなか来ない時もあり、構内のコンビニへ買い物へ行くだけで往復1時間近く掛かる事も。
寮には門限はあっても昼間の出入りは自由だが、心理的に閉じ込められた様な気がしたと娘は言う。
静かな環境を求めて作られたのだろうが、高校生の女の子には寂し過ぎたのだ。

次は寮の部屋について。
寮へは親も入れないので実物を見てないが、娘の話だと部屋は20平米弱らしい。
そこで3人が暮らすので、机とロッカーが3つずつ有り、二段ベッド1つとシングルベッド1つを入れるとあまり余裕は無い筈。
窓は廊下側の天井近くを網戸で幅広に開けてあるだけで、バルコニー側へ浴室があるので窓は無く、バルコニーへ出るドアが網戸になっており、そこから外が見える。
エアコンは無く、部屋の通気も悪いので暑い日は蒸し風呂状態。
エアコンが無理でも、せめて換気扇くらい設置できないかと申し入れした保護者が居たが、寮の責任者は「そのくらい我慢しなさい」と言われたそうだ。
親の立場からだと、難しい勉強をするのは「我慢して頑張りなさい」と言えるが、劣悪な環境を我慢させる為にその学校へ入れたのではない。

大学の古い学生寮がこのスタイルで、寮の先生からすれば「何が悪いの?」かも知れないが、大学生なら住居は多くの選択肢から選ぶ事が出来て居住を強制されないし、大学の寮の周りには24時間営業の空調の効いた図書館や喫茶店があり、良い環境で勉強出来る。
娘の寮にも学習室はあったそうだが、コロナを理由にエアコンを使わせなかったり、窓が十分に開かなかったりで、あまり快適とは言えなかったそうだ。

附属高の全寮制理数コースで、寮の部屋へエアコンが無いのは、イサーンで2つと聞いている。
そんな寮でも快適と言って自宅へ帰りたがらない生徒が居たそうで、「環境が悪い」のではなく「娘が合わなかった」のかも知れない。

最後は同級生について。
以前も記事にしたが…

学友をこうやって蹴落とし利用する。 - Menkarm World

娘は某大学付属校へ国が設置した奨学金付きの全寮制コースで学んでいたが、そこで起きた事を紹介したい。先ずはA君の話から。A君のお兄さんは同じ大学の医学...

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30人居るクラスの半数がロープ1でポートフォリオ(履歴書)を使って医学部へ入るので、その為だったら何だってやる。そして悪い経歴を残さない為に先生の前では徹底的に良い人を演じる。
特に酷いのは、幼稚園や小学校からずっと附属で学んだ生徒(以後「生え抜き」と表現)で、多い人数で徒党を組んで他の生徒へ圧力を掛けて黒い物も白いと言わせてしまう。ルールや正義ではなく物事は力で決まるのだろう。(どこかの政治と同じw)
先生も生え抜き生徒を信用しているらしく、ある時に抜き打ちで部屋のチェックがあり、食べ物で散らかっていたので先生の機嫌が悪くなった。
散らかしたのは生え抜きの生徒なのに、怒る先生をスルーして机で勉強を続行。
もう一人の生徒は自分ではないのに叱られるが「私じゃない」と否定すれば生え抜きの生徒が悪くなるので何も言えない。
普通なら散らかした生徒が「私です」というべきだが、結局最後まで無関係な生徒が叱られ続け、最後は泣いてしまったそうだ。

娘は生え抜きグループと一緒に買物へ行き、リーダ格から代金数百バーツ(数千円)の立替を頼まれたので了承すると、それから返金するまでに数ヶ月。最後は逆ギレ気味だったそうだ。

体育祭で自分のチームが負けると、誰が悪くて負けたのかで生え抜きグループ内で喧嘩が始まったのにも驚いたそうだ。「『残念だけど、よく頑張った』とお互いに労うのが普通だよね」と娘は驚いていた。

入学時の寄付金が50万〜百万バーツと言われる学校なので、生え抜き生徒は中間層以上の経済力がある家庭の子供だと思うが、「やってる事はDQNと変わらない」と娘は言う。

もちろん全員がそうだと思わないが、クラスの中で主導権を握る最大グループが、善悪を意識せず自己利益の最大化を目指したのだろう。
タイの一般的な価値観とも異なるが、それが通ってしまったのが恐ろしい。
生徒数が30人に満たないコースの女子生徒はその半数という全寮制の小さな社会の中へ力を振るうグループがあり、他の生徒は事を荒げたくないので黙って静かに過ごしていたのだ。

2月中旬に高校を卒業して自宅へ戻り、それから2週間ほどした朝に起床した娘が喜んでいるので理由を尋ねると、ほぼ2年ぶりに夢を見たと言う。
娘はこのくらいで済んだが、鬱病や過労で入院した生徒も居たそうで、毎週帰宅させたり外部のアパートを借りたりしなかったら、娘も危なかったかも?
集団生活に慣れて、ストレス耐性のある生徒しか向かないのでは?

娘は、もう寮は懲り懲りなので、大学生になっても寮へは入らないと言ってる。
バンコクの中心へある大学へ行きたがっているが、どこへ住む積りやら?w

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