わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

骨董入門 19 (真贋について6)

2011-02-03 21:55:15 | 縄文土器の話、骨董の話
前回、唐津焼は、人気の有る焼き物ですが、偽者(贋作)が多いと、お話しましたが、唐津焼の壊れた

陶器の欠片(かけら=陶片)の、偽者が少なくないとの事です。

1) 我が国の焼き物で、陶磁器片で、その美しさが、認められ、骨董市場に流通しているのは、

   志野、織部、古唐津、初期伊万里の、焼き物などです。

2) 特に、古唐津では、絵の紋様が、素朴で簡単(簡素)に、表現されていたり、偶然出来た「景色」や

   赤褐色の「土味」その他、「手触り」や、「古色」など、日本人好みの要素を、多く含み、魅力有る

   焼き物と、言えます。

3) 良品は、高嶺の花ですが、陶片は、長い年月、唐津の窯で、制作されていた関係で、数多く存在

   しています。陶片は、それ自体は、使い物になりませんが、それを眺めるだけでも、心を豊かに

   してくれると、言う事で、蒐集している方も、多いです。

4) 但し、器陶器片は、不出来品として、故意に壊して、窯場近くの、いわゆる、ゴミ捨て場に

   ゴミとして、捨てられた物で、それを発掘して、収集した物が、発掘品と呼ばれます。

5) 発掘品ならば、それは本物と、言えますが、発掘品と言いながら、実は偽者も多いのです。

   発掘品=本物とは、限りません。ここ数十年の間に、偽者が多く出現し、それなりの値段で、取引

   されています。

6) 偽者には、現代作の作品を、故意に壊す物と、古い無地の発掘品に、後から、絵を付けた物が、

  多いです。(余談ですが、先日「割れ煎餅」の事が、テレビで放送されていました。ほとんどは、

  割れていない煎餅を、故意に機械で割って、大量に生産していました。これも偽者の「割れ煎餅」と

  言う事になります。)

 ① 本物と、間違え易いのは、後者の後絵付けの場合です。

   作品としては、無地の発掘品の、大皿や大鉢の見込み部分や、茶碗、中皿、小皿などの、破片です。

 ② これに、鉄絵で色付けし、再度窯に入れて焼成し、本物に見せ掛ける方法で、二度焼きと、呼ばれる

   やり方です。二度焼きの見付け方は、以前にお話していますので、ここでは、省略いたします。

 ③ 但し、破片ならではの、絵付けの方法も、ある様です。

   即ち、破片の形状に合わせて、絵が描かれている事です。勿論、破片の中だけで、絵が完結して

   いれば、一目で、怪しいと、見抜けますが、それを、ある程度、誤魔化す様な、描き方をしています。

 ④ 尚、絵が途中で途切れると、後絵付けの事が、解かるからとも、言われています。

   即ち、割れた断面に、鉄絵の顔料が、わずかに、着いてしまう事で、見分けられるとも、言います。

   その為、なるべく多く、破片より外に、絵が飛び出ない様な、描き方に成ってしまいます。

以下次回に続きます。 陶磁器片(陶片)

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