多くの焼き物の底部には、高台と呼ばれる部分が付いています。
勿論、高台の無いいわゆる「ベタ」高台も存在します。
1) 高台には機能的(実用的)な役目の他に、美的感覚を演出する(見た目の良さを表す)効果が
あります。
① 機能的な役目とは。
) 一番大きな役目として、施釉時に高台部分を持ち、本体部分に指跡が付かない様にする
働きがあります。勿論、施釉する際に直接作品を持たずに、鋏(はさみ)等の施釉用具を
用いる事で、指跡を付けない方法もありますが、余り一般的では有りません。片手で持てる
程度の作品では、親指、人差し指、中指の3本などで摘む様に高台部を持ち、漬け掛けや流し
掛け等で施釉する事ができます。又、高台部は持ち易い形状(持ち易い形に整える)の場合が
多く、施釉時に取り落とす事も少ない形に成っています。更に、持った高台部にも、若干の
指跡が付く事もありますが、余り目立つ位置ではありませんので、容易に指跡を消す事が出来
ます。逆に、高台が「ベタ」や碁笥底(ごけぞこ)高台の場合、器を持つ部分が口縁と底など
の様に限定されたり、器本体をしっかり鷲掴みし施釉する事になります。指跡もしっかり
本体に残り易いです。勿論、抹茶々碗の様に、指跡が一つの景色と認められ、評価される事も
有りますが、一般的には余り良い評価は得られません。勿論指跡を消す方法もありますが、
完全に消す事は、意外と難しいです。特に指跡の周辺は他の場所より、釉が肉厚になります
ので、修正には指などで撫ぜて、均一にする必要があります。
注: 碁笥底高台とは、器の外側のラインが、「くびれ」が無く底まで連続し、一見ベタ高台に
見えますが、高台内は削られ凹んでいる高台です。
) 高台のある器は、持ち易い利点があります。
高台脇は本体より細くなっていますので、両手の小指、薬指で器の下部を保持し易い形状に
成っている場合が多いです。但し、極端に低い高台の場合、この効果は少なくなります。
) 高台には、一般的な輪高台(割り高台を含む)の他、桜高台や四方高台、三日月高台など
がありますが、多くは削り出したり付け高台となります。高台脇には贅肉となる土が多く
付いているのが普通です。この贅肉は作品を重くする働きがあります。食器など作品を軽く
する必要がある場合には、この贅肉を取り除く事が重要になります。
碁笥底高台の場合、この贅肉が残り易く作品が重くなる傾向があります。碁笥底にする場合は
内側の底の形状を外側の形状に合わせる事で、肉薄にする事が出来ます。
② 美的感覚を演出する。
) 高台のある作品は、実際に軽くなるのですが、軽く見せる効果もあります。
即ち、作品本体が宙に浮く様な感覚を演出し、作品が軽くなっている感じを与えます。
テーブルや床に接地している部分が少ない為、作品本体は浮き上がって見えます。又、底が
狭い為、不安定感を醸し出し、作品に動きを与える事にもなります。
) ベタ高台や碁笥底高台は、テーブルに張り付いた感じを与えます。当然安定感はあるの
ですが、浮遊感や作品の動きを感じさせる事は少ないです。
2) 平たい皿に高台を付ける際に注意する事。
① 平たい角皿に脚(高台)を付ける事は、出来るだけ控えたいです。「ベタ」高台が安全です。
平たい皿であっても、高台を付けると、上記の如く持ち易くなったり、浮遊感を与える等の
効果をもたらします。それ故、出来るだけ脚を付けたい処ですが、本焼きで本体が「ヘタッテ」
しまう危険性が存在します。即ち、本焼き程の高温になると、素地本体もやや軟らかくなり
脚だけでは、本体を支える事が出来なくなる場合が多いです。特に4点の脚で支えると、皿の
中央が落ち込み、「V」字型になる場合があります。この「V」を無くす様に、脚を皿の中心
よりに移動すると、皿の周辺が落ち込んできます。即ち、丁度良い位置を見出す事は非常に困難
です。これを防ぐ為に、落ち込みそうな場所に皿の下から支える必要があります。支える為に
道具土などを使用したり、特別な用具を使う事もありますが、二枚貝の貝殻を使う事もあります
② 轆轤挽きした大皿の場合も、輪高台を付けると、皿の中央や皿の周辺が落ち込む事があります
一般に高台の径は、皿の直径の1/2~1/3と言われています。但し大皿(30~60cm程度)では
この数値は必ずしも、当てはまりません。場合によっては、内外の二重の輪高台を付ける必要が
出てくる事も稀ではありません。
勿論、高台の無いいわゆる「ベタ」高台も存在します。
1) 高台には機能的(実用的)な役目の他に、美的感覚を演出する(見た目の良さを表す)効果が
あります。
① 機能的な役目とは。
) 一番大きな役目として、施釉時に高台部分を持ち、本体部分に指跡が付かない様にする
働きがあります。勿論、施釉する際に直接作品を持たずに、鋏(はさみ)等の施釉用具を
用いる事で、指跡を付けない方法もありますが、余り一般的では有りません。片手で持てる
程度の作品では、親指、人差し指、中指の3本などで摘む様に高台部を持ち、漬け掛けや流し
掛け等で施釉する事ができます。又、高台部は持ち易い形状(持ち易い形に整える)の場合が
多く、施釉時に取り落とす事も少ない形に成っています。更に、持った高台部にも、若干の
指跡が付く事もありますが、余り目立つ位置ではありませんので、容易に指跡を消す事が出来
ます。逆に、高台が「ベタ」や碁笥底(ごけぞこ)高台の場合、器を持つ部分が口縁と底など
の様に限定されたり、器本体をしっかり鷲掴みし施釉する事になります。指跡もしっかり
本体に残り易いです。勿論、抹茶々碗の様に、指跡が一つの景色と認められ、評価される事も
有りますが、一般的には余り良い評価は得られません。勿論指跡を消す方法もありますが、
完全に消す事は、意外と難しいです。特に指跡の周辺は他の場所より、釉が肉厚になります
ので、修正には指などで撫ぜて、均一にする必要があります。
注: 碁笥底高台とは、器の外側のラインが、「くびれ」が無く底まで連続し、一見ベタ高台に
見えますが、高台内は削られ凹んでいる高台です。
) 高台のある器は、持ち易い利点があります。
高台脇は本体より細くなっていますので、両手の小指、薬指で器の下部を保持し易い形状に
成っている場合が多いです。但し、極端に低い高台の場合、この効果は少なくなります。
) 高台には、一般的な輪高台(割り高台を含む)の他、桜高台や四方高台、三日月高台など
がありますが、多くは削り出したり付け高台となります。高台脇には贅肉となる土が多く
付いているのが普通です。この贅肉は作品を重くする働きがあります。食器など作品を軽く
する必要がある場合には、この贅肉を取り除く事が重要になります。
碁笥底高台の場合、この贅肉が残り易く作品が重くなる傾向があります。碁笥底にする場合は
内側の底の形状を外側の形状に合わせる事で、肉薄にする事が出来ます。
② 美的感覚を演出する。
) 高台のある作品は、実際に軽くなるのですが、軽く見せる効果もあります。
即ち、作品本体が宙に浮く様な感覚を演出し、作品が軽くなっている感じを与えます。
テーブルや床に接地している部分が少ない為、作品本体は浮き上がって見えます。又、底が
狭い為、不安定感を醸し出し、作品に動きを与える事にもなります。
) ベタ高台や碁笥底高台は、テーブルに張り付いた感じを与えます。当然安定感はあるの
ですが、浮遊感や作品の動きを感じさせる事は少ないです。
2) 平たい皿に高台を付ける際に注意する事。
① 平たい角皿に脚(高台)を付ける事は、出来るだけ控えたいです。「ベタ」高台が安全です。
平たい皿であっても、高台を付けると、上記の如く持ち易くなったり、浮遊感を与える等の
効果をもたらします。それ故、出来るだけ脚を付けたい処ですが、本焼きで本体が「ヘタッテ」
しまう危険性が存在します。即ち、本焼き程の高温になると、素地本体もやや軟らかくなり
脚だけでは、本体を支える事が出来なくなる場合が多いです。特に4点の脚で支えると、皿の
中央が落ち込み、「V」字型になる場合があります。この「V」を無くす様に、脚を皿の中心
よりに移動すると、皿の周辺が落ち込んできます。即ち、丁度良い位置を見出す事は非常に困難
です。これを防ぐ為に、落ち込みそうな場所に皿の下から支える必要があります。支える為に
道具土などを使用したり、特別な用具を使う事もありますが、二枚貝の貝殻を使う事もあります
② 轆轤挽きした大皿の場合も、輪高台を付けると、皿の中央や皿の周辺が落ち込む事があります
一般に高台の径は、皿の直径の1/2~1/3と言われています。但し大皿(30~60cm程度)では
この数値は必ずしも、当てはまりません。場合によっては、内外の二重の輪高台を付ける必要が
出てくる事も稀ではありません。
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