前回の続きを述べます。
⑧ 硼酸について
硼酸成分は、硼酸以外の物質では、硼砂から取る場合も有ります。
硼酸は次の様な効果が有り、釉の熔融剤として、広く使われています。
a) 熔け易い物質を作り、全ての珪酸塩熔融物に、混ざります。
b) 着色酸化物に対して、強力な熔融剤と成る。
c) 適量使用すると、釉の膨張率を下げるが、多く入れ過ぎると、逆に膨張率を大きくする。
d) 光の屈折力を大きくするので、光沢を増します。
e) 低温では、流動性は低いが、高温では、流動性が増し、釉が流れ表面を滑らかにします。
f) 失透を起さず、他の成分の結晶化を防ぎます。
尚 硼酸に熔け難い物質には、酸化クロム、酸化錫などが有ります。
⑨ 酸化チタンについて
この物質は、結晶釉には重要な成分で有り、下絵の具を作る時にも使われます。
(黄色、黄褐色、赤褐色、ピンク系顔料、などです)
酸化チタンを還元すると、銅赤の化合物に成ります。
尚 一般に使われるルチル(金紅石)は、酸化チタンを85~98%含んだ物です。
⑩ 燐酸について
・ 燐酸を多く含む物質は、骨灰です。
又 植物の灰も燐酸が含まれ、これを利用すると、光沢に深みが出て、独特な光沢が出ます。
・ 低温では、乳白剤として使われますが、多量に使用したり、高温では、光沢を失い、
釉飛びや、ピンホールの原因に成りますが、釉は薄く掛けて防ぐ事も可能です。
⑪ 酸化錫について
酸化錫は、釉に熔けず乱反射し、乳濁作用を起します。それ故乳濁剤として使われます。
・ 酸化錫を含む釉薬に、酸化クロムを入れると、ピンクや海老茶(マロン)と成ります。
・ 最近では、乳濁剤として、高価な酸化錫ではなく、ジルコニアや珪酸ジルコニウムが
使われています。
尚 乳濁剤として、酸化アンチモンも使用されます。
⑫ 木灰について
・ 木灰も溶融剤として、古くから(灰釉として)使われています。
・ 木灰は、樹木、樹皮などを焼き灰にし、水洗いし、可溶性の塩基物を取り除きます。
・ 昔から使われている灰は、以下の様な物が有ります。
a) 松、柏、柑橘、椿、つつじ、欅(けやき)、栗、楢(なら)などの樹木の灰(石灰質)
b) 竹、藁(わら)、羊歯(しだ)などの草の灰(珪酸質)
c) 獣骨、卵殻、及び芋、木の根など灰(燐酸質)
e) その他、土灰など各種の灰
一般に、根には燐酸が、幹には珪酸が、枝葉や皮には石灰が多く含まれています。
尚、自然灰は、産地、季節その他の条件によって、同じ物(一定な品質)は手に入り難いです。
陶芸釉薬の熔融剤
⑧ 硼酸について
硼酸成分は、硼酸以外の物質では、硼砂から取る場合も有ります。
硼酸は次の様な効果が有り、釉の熔融剤として、広く使われています。
a) 熔け易い物質を作り、全ての珪酸塩熔融物に、混ざります。
b) 着色酸化物に対して、強力な熔融剤と成る。
c) 適量使用すると、釉の膨張率を下げるが、多く入れ過ぎると、逆に膨張率を大きくする。
d) 光の屈折力を大きくするので、光沢を増します。
e) 低温では、流動性は低いが、高温では、流動性が増し、釉が流れ表面を滑らかにします。
f) 失透を起さず、他の成分の結晶化を防ぎます。
尚 硼酸に熔け難い物質には、酸化クロム、酸化錫などが有ります。
⑨ 酸化チタンについて
この物質は、結晶釉には重要な成分で有り、下絵の具を作る時にも使われます。
(黄色、黄褐色、赤褐色、ピンク系顔料、などです)
酸化チタンを還元すると、銅赤の化合物に成ります。
尚 一般に使われるルチル(金紅石)は、酸化チタンを85~98%含んだ物です。
⑩ 燐酸について
・ 燐酸を多く含む物質は、骨灰です。
又 植物の灰も燐酸が含まれ、これを利用すると、光沢に深みが出て、独特な光沢が出ます。
・ 低温では、乳白剤として使われますが、多量に使用したり、高温では、光沢を失い、
釉飛びや、ピンホールの原因に成りますが、釉は薄く掛けて防ぐ事も可能です。
⑪ 酸化錫について
酸化錫は、釉に熔けず乱反射し、乳濁作用を起します。それ故乳濁剤として使われます。
・ 酸化錫を含む釉薬に、酸化クロムを入れると、ピンクや海老茶(マロン)と成ります。
・ 最近では、乳濁剤として、高価な酸化錫ではなく、ジルコニアや珪酸ジルコニウムが
使われています。
尚 乳濁剤として、酸化アンチモンも使用されます。
⑫ 木灰について
・ 木灰も溶融剤として、古くから(灰釉として)使われています。
・ 木灰は、樹木、樹皮などを焼き灰にし、水洗いし、可溶性の塩基物を取り除きます。
・ 昔から使われている灰は、以下の様な物が有ります。
a) 松、柏、柑橘、椿、つつじ、欅(けやき)、栗、楢(なら)などの樹木の灰(石灰質)
b) 竹、藁(わら)、羊歯(しだ)などの草の灰(珪酸質)
c) 獣骨、卵殻、及び芋、木の根など灰(燐酸質)
e) その他、土灰など各種の灰
一般に、根には燐酸が、幹には珪酸が、枝葉や皮には石灰が多く含まれています。
尚、自然灰は、産地、季節その他の条件によって、同じ物(一定な品質)は手に入り難いです。
陶芸釉薬の熔融剤
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