わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動轆轤入門 40 底削り 7 削り作業3

2014-10-01 21:39:22 | 電動ろくろ入門
 ③ 仕上げと確認。

   仕上げとは、荒削りの部分を綺麗にする事。必要な所の面取りを行う事。不必要な

   「ケガキ線」(針などで描いた線)を消す事などです。

   確認とは、最初に想定した形に成っている事。所定の寸法に仕上がっている事などです。

  ) 仕上げ作業。

   a) 「カンナ」で削る際、土の種類によっては表面が荒れます。荒めの土や「ハゼ石」等が

     入っている土では、この石が取れて、表面に予期せぬ穴が開きます。

     この穴に硬めの粘土をなすり付け、穴を埋める事もあります。

     但し、荒めの土を使い表面を綺麗にしたら、荒めの土を使う意味が無いとも言えます。

   b) 畳み付き(高台がテーブルに着く部分)の角は面取りします。即ち、角部を斜めにカット

     します。この事により、割れの発生を予防します。


     又、畳付き部の肌荒れに注意します。本焼後に砥石を掛けるとしても、場合によっては、

     この部分に「ドベ」を付けて、滑らかにする場合もあります。    

   c) 作品の表面はなにかと傷が付くものです。例えば、「カンナ」の角による細い横線。

     高台の大きさを表す、針で描いた円(ケガキ線)。「カンナ」で削った際の削り目の境や

     段差。 そして多いのが「爪痕(つめあと)」です。

   d) 「爪痕」は作品を手に持った場合に多く付く傷です。特に爪の伸びた指で作品に触れる際

     に付き易いです。やや湾曲した細くて短い線となって現れます。気が付いたら出来ていた

     と感じる事が多いです。基本的には削り取りますが、土が軟らかい場合には、指で撫ぜて

     消す事も出来ます。

  ) 確認作業。

   a) 削り不足の為重い。薄く轆轤挽きして軽く作るのが本来の姿ですが、慣れない方は、

     薄く挽く代わりに、削り作業で軽くし、削り作業で贅肉を取ろうととします。

     作品の内側は、基本的には行いません、その為、外側のみを削り、形が細くなります。

   b) 形の確認は作品を指で触れて確認する事。

     人はどうしても視覚に頼り判断しがちですが、見た目では誤魔化せられる事も多いです。

     轆轤を回転している状態で下から上、上から下へと撫ぜると、表面の凹凸や形が正確に

     判断する事ができます。

   c) 大切な確認作業では、高台内の削りで、特に中央を盛り上げる兎兜(ときん)の高さが

     畳付きより高くならない事です。高い場合には独楽(こま)の様に、回転し不安定に

     成ります。 又、高台内に施釉する場合には、十分深く削ってある事を確認します。

   d) 寸法で確認できる場合には、定規やコンパス等で測定すると良いでしょう。

5) 削り作業の終了。 轆轤上より作品を取り除く。

  ① 止め土で固定されている三箇所を、長手方向に針で二分して切ります。その際、作品に傷を

    付けない事です。作品よりやや遠く目に切り込みを入れます。

  ② 切り離した作品側の土を取り除く。 三箇所取り除けば、轆轤や「シッタ」上に残った土を

    取り除かなくても、作品を取り上げる事ができます。

  ③ 止め土が軟らかい時には、作品に止め土の「カス」がくっ付いている場合には、「竹へら」

    で作品表面を撫ぜる様にして剥ぎ取ります。

  ④ 作品が乾燥不十分の時は、止め土で固定した時に、作品が押され変形する場合があります。

    作品を轆轤上から取り上げた際、歪みが無いか確認します。ある程度修正する事も可能です

  ⑤ 最後に平坦な場所に置き、安定し「ガタツキ」が無いことを確認し、削り作業は終了します

以下次回に続きます。    
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