前置きが長くなりましたが、いよいよ窯の設計に掛かりたいと思います。
3) 窯の設計。
必要な用具は、A4又はA3の方眼紙(1mmが良い)、鉛筆、定規、コンパス等です。
① 窯の種類と構造と形を決める。
ここでは主に本焼用(素焼も可)の窯について述べます。楽焼用の窯に付いては、後日述べる
予定です。
ⅰ) 窯の種類とは、電気、ガス、灯油、薪などの燃料(熱源)の違いです。
ⅱ) 燃料の差によって、窯の構造と形が変わります。
窯の形は矩形(四角)の物が多いですが、小型の電気窯では丸い形の物もあります。
電気窯を除く窯では、倒炎式が一般的ですが、小さな楽焼窯では、直炎式が多いです。
倒炎式の窯では、天井部分がアーチ状に成っています。又、扉の取り付ける位置と、扉を
開く方向も考慮しておく必要があります。例えば、前扉型の場合、右開きと左開きがあります
当然、窯詰めや窯出しがし易い方向が良いのですが、敷地の関係で決ってしまう事もあります
② 窯の内寸を決める。(窯の容量、容積を決める)
一度にどの様な大きさの作品を、何個焼成したいかによって決まります。
勿論、容積の大きな窯であれば、余裕なのですが、窯が大きくなり、場所と費用、時間が掛り
更に作品の量も当然増え、中々窯が一杯に成らず、定期的に作品を焼き上げる事も難しくな
りますので、適量の容積に決めます。
ⅰ) 棚板の大きさを決め、一段に何枚使うか(何枚敷)を決めます。
棚板は同じ大きさの物を揃える事です。棚板は使っているうちに、ひびが入ったり、割れたり
する物ですので、ある程度消耗品であるとも言えます。その為同じ大きさであれば何時でも
手持ちの棚板で、取り替える事が可能になります。後で述べますが、棚板の使用する数は
常に一定と言う訳では有りませんので、数に余裕を持たせて下さい。
ⅱ) 棚板の数は1、2、4、6、8枚それ以上の中から選ぶ事に成ります。
一般は1~4枚程度が多い様です。
ⅲ) 窯の底の大きさ(内寸)を決る。
a) 棚板と棚板の間は指一本程度の隙間を開けて、敷き詰めます。
b) 棚板と窯の内側の壁との隙間を決める。
バーナーの焚口の無い壁との隙間は指1~2本の隙間が必要です。
焚口のある側では、バーナーヘッドよりやや大きい穴が必要ですので、この穴の大きさ
プラス2cm以上の隙間が必要です。焚口が左右両方にある場合は、隙間は二倍になり
ます。
c) 前扉の場合には、扉との隙間も2cm以上が必要です。
敷き詰めた棚板の周囲にこれらの空間(隙間)を設ける事で窯の底の内寸が決ります。
ⅳ) 窯の底の外寸を決める。
軽量断熱耐火煉瓦をどの様に積み上げるかによって、外寸が決まります。即ち壁の厚さを
決める事に成ります。煉瓦の大きさは、230x115x65 mm です。
a) 一番薄い壁にする場合には、65mmと成りますが、これでは、余りにも薄すぎ熱が
閉じ込め難く、温度上昇も思う様にいかず、窯の冷えも速過ぎると思われます。
そこで、更に外側に安価な煉瓦(B-1等)を重ね合わせ130mmの壁にします。又は
安価な煉瓦の変わりに耐熱製のシリカボードを使います。これだと厚みも25mm程度です
ので壁の厚みを65+25=90mmと薄くする事が出来ます。
b) 更に窯の壁を厚くするには、厚さが115mmの方向に積み上げます。
外側に安価な煉瓦を重ねるとすれば、115+65=180mm。又は115+115
=230mmとなります。尚、耐火煉瓦の230mm方向で積み上げれば、壁の厚みは
230mmとなりますので、外に安価な煉瓦を積む必要は無くなりますが、高価な耐火
煉瓦の数が増え、費用が嵩む事になります。
c) 窯の内寸に壁の厚みを加えた物が、窯底の外寸に成ります。
但し、燃料を使う窯では、煙突が必要になります。煙突を何処に設置するかによって、
窯底の外寸も変わります。即ち窯と一体化するか、別体にするかです。一体化する場合には
外寸も増える事になります。
ⅴ) 煙道、煙突の設計。
以下次回に続きます。
3) 窯の設計。
必要な用具は、A4又はA3の方眼紙(1mmが良い)、鉛筆、定規、コンパス等です。
① 窯の種類と構造と形を決める。
ここでは主に本焼用(素焼も可)の窯について述べます。楽焼用の窯に付いては、後日述べる
予定です。
ⅰ) 窯の種類とは、電気、ガス、灯油、薪などの燃料(熱源)の違いです。
ⅱ) 燃料の差によって、窯の構造と形が変わります。
窯の形は矩形(四角)の物が多いですが、小型の電気窯では丸い形の物もあります。
電気窯を除く窯では、倒炎式が一般的ですが、小さな楽焼窯では、直炎式が多いです。
倒炎式の窯では、天井部分がアーチ状に成っています。又、扉の取り付ける位置と、扉を
開く方向も考慮しておく必要があります。例えば、前扉型の場合、右開きと左開きがあります
当然、窯詰めや窯出しがし易い方向が良いのですが、敷地の関係で決ってしまう事もあります
② 窯の内寸を決める。(窯の容量、容積を決める)
一度にどの様な大きさの作品を、何個焼成したいかによって決まります。
勿論、容積の大きな窯であれば、余裕なのですが、窯が大きくなり、場所と費用、時間が掛り
更に作品の量も当然増え、中々窯が一杯に成らず、定期的に作品を焼き上げる事も難しくな
りますので、適量の容積に決めます。
ⅰ) 棚板の大きさを決め、一段に何枚使うか(何枚敷)を決めます。
棚板は同じ大きさの物を揃える事です。棚板は使っているうちに、ひびが入ったり、割れたり
する物ですので、ある程度消耗品であるとも言えます。その為同じ大きさであれば何時でも
手持ちの棚板で、取り替える事が可能になります。後で述べますが、棚板の使用する数は
常に一定と言う訳では有りませんので、数に余裕を持たせて下さい。
ⅱ) 棚板の数は1、2、4、6、8枚それ以上の中から選ぶ事に成ります。
一般は1~4枚程度が多い様です。
ⅲ) 窯の底の大きさ(内寸)を決る。
a) 棚板と棚板の間は指一本程度の隙間を開けて、敷き詰めます。
b) 棚板と窯の内側の壁との隙間を決める。
バーナーの焚口の無い壁との隙間は指1~2本の隙間が必要です。
焚口のある側では、バーナーヘッドよりやや大きい穴が必要ですので、この穴の大きさ
プラス2cm以上の隙間が必要です。焚口が左右両方にある場合は、隙間は二倍になり
ます。
c) 前扉の場合には、扉との隙間も2cm以上が必要です。
敷き詰めた棚板の周囲にこれらの空間(隙間)を設ける事で窯の底の内寸が決ります。
ⅳ) 窯の底の外寸を決める。
軽量断熱耐火煉瓦をどの様に積み上げるかによって、外寸が決まります。即ち壁の厚さを
決める事に成ります。煉瓦の大きさは、230x115x65 mm です。
a) 一番薄い壁にする場合には、65mmと成りますが、これでは、余りにも薄すぎ熱が
閉じ込め難く、温度上昇も思う様にいかず、窯の冷えも速過ぎると思われます。
そこで、更に外側に安価な煉瓦(B-1等)を重ね合わせ130mmの壁にします。又は
安価な煉瓦の変わりに耐熱製のシリカボードを使います。これだと厚みも25mm程度です
ので壁の厚みを65+25=90mmと薄くする事が出来ます。
b) 更に窯の壁を厚くするには、厚さが115mmの方向に積み上げます。
外側に安価な煉瓦を重ねるとすれば、115+65=180mm。又は115+115
=230mmとなります。尚、耐火煉瓦の230mm方向で積み上げれば、壁の厚みは
230mmとなりますので、外に安価な煉瓦を積む必要は無くなりますが、高価な耐火
煉瓦の数が増え、費用が嵩む事になります。
c) 窯の内寸に壁の厚みを加えた物が、窯底の外寸に成ります。
但し、燃料を使う窯では、煙突が必要になります。煙突を何処に設置するかによって、
窯底の外寸も変わります。即ち窯と一体化するか、別体にするかです。一体化する場合には
外寸も増える事になります。
ⅴ) 煙道、煙突の設計。
以下次回に続きます。
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