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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 101 陶芸での失敗事例5?

2015-03-29 22:25:45 | 素朴な疑問
4) 削り作業の失敗事例。

  陶芸では、器の高台を削り出したり、高台脇を削る作業を伴うのが一般的です。その他に、肉厚を

  薄くする為や模様を彫り込んだり、装飾模様を表す為に、削り作業を行う事も多いです。

 ① 削り作業は、電動轆轤上で行う以外に、手回し轆轤を使ったり、轆轤は使わずに手に持って削る

   事もあります。高台周りや、作品の肉厚を薄くする際には、均等な厚みにする事が求められます

   さもないと、「割れやひび」の他、作品が変形する恐れが出てくるからです。

 ② 電動轆轤で削り作業で失敗する事。

   基本的に、電動轆轤で削る事が出来るのは、円形状のものに限られます。

  ) 電動轆轤で削ると表面が滑らかで、完全な円形に削れます。更に、削るスピードも格段に

    速く効率的に削り作業が行なわれます。但し、一歩間違えれば一瞬ににて形が変化したり、

    穴が開いてしまいますので、注意が必要です。

  ) 削り作業に入る前に、カンナなどで削れる程度に、生乾きの状態にしておく必要があります

    一般に、前日轆轤挽きした作品は、一晩ほど室内に放置しておけば、削り易い状態になります

    当然、季節や空気の乾燥具合によって左右されます。乾きが速いようですと乾いた布又は、

    水で濡らし固く絞った布を被せる等して調整します。

  ) 轆轤上で削り作業を行うには、作品を伏せて裏返しにします。

    安定して直接轆轤上に作品を伏せる事が出来る場合は、問題ありませんが、口径の狭い作品や

    口縁の高さに差があり不安定な場合、「湿台(シッタ)」を使います。

  ) 作品の肉厚を確認する。削り出す前に、あらかじめ、どの部分にどの程度の贅肉が付いて

    いるかを確認します。片手の指で厚みが確認できれば良いのですが、背の高い場合には両手で

    計る場合もあります。又作品を持った場合の重さで判断する事も可能です。即ち大きさの

    割には重たく感じるのは、どこかに余分な土が付いている証拠です。多くの場合、作品の腰の

    周りが多いです。

  ) 作品を伏せた状態で、轆轤の中心に据えます。

    但し、作品が歪んでいる場合や、傾いている場合には、全ての部分で中心が取れる訳では

    有りません。基本的には、削りたい部分を中心にその上下が中心に来る様にします。

   a) 轆轤上に鉛筆などで円を描き、この線に合わせ様とする人がいますが、状況によっては

    巧く行きません。この方法が有用なのは、背の低い皿状の場合のみです。

   b) 背が高く成るに従い、少しの狂いも上部に行く程、狂いは大きくなりますので、

    上記の方法は使えません。一般に高台や高台脇を削る際には、底面からい1cm程度下の位置

    で中心をとります。

   c) 中心を出す方法は慣れない方は大変難しい作業になります。

    ・ 一般には、轆轤をゆっくり手で回転させながら、器の側面を指の裏側で、連続的に軽く

     叩く方法が良いと言われています。轆轤の回転が速いと、遠心力で作品が轆轤上より

     転げ落ちてしまいますので、ゆっくり回転させます。連続的に叩く事で、作品は轆轤の

     中心に移動します。実際には、かなりの熟練を要する作業です。

    ・ 基準点よりどの程度離れるかによって調整する方法。

     一般に基準点は自分の指を使います。左又は右手の人差し指を使う事が多いです。

     基準点ですので、しっかり位置が出なければなりません。即ち、しっかり位置を固定

     します。轆轤をゆっくり回転させると、指に触れる場所と触れない(空振りする)場所

     があります。空振りした所で、右手又は左手で轆轤の回転を止め、空振りした方向に作品を

     移動させます。移動させる寸法は、作品から離れた基準指との距離の半分です。

     作品の全周で指が触れていれば、OKです。    

    ・ 上記指の他、固定した治具(じぐ)を使う場合もあります。

     基準になる指の位置を固定する事は中々難しいですので、固定した物で代用します。

   ) 作品を轆轤上又は「湿台(シッタ)」に固定する、又は固定しない場合。

以下次回に続きます。
     
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