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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 30 焼成前の準備とは 2?

2014-11-18 22:33:08 | 素朴な疑問
これから述べる事は主に窯と窯詰めのことですが、すでに何回かに分けて、これらについて述べて

いますので、重複する事があると思われますが、ご了承下さい。

焼成方法には、炎を発生する方法と、電気窯の様に炎が出ない焼成の方法がありますが、窯詰め

には若干の違いがあります。

1) 窖窯(あながま)の様に傾斜地に窯を築く事もありますが、一般には平坦な土地に、窯が

  設置又は築かれています。登窯も傾斜地に築かれ、階段状になていますが、各袋(室をこう

  呼びます)は平坦地に、耐火煉瓦を使って築かれています。

2) 窯に作品を入れる場所として、横扉式、シャトル式、上扉式、横穴式などがあります。

  窖窯の様に中に入り、狭い空間で窯詰め作業するのは、大変疲れる事にんまります。

 ① 一番楽な窯は、シャトル式の窯で、窯の前にレールが敷かれ、窯の外で窯詰めを行い、終了後

  に窯の中に押し込む方法です。四方から作品の設置状態が確認される為、作業が楽に成ります。

 ② 窯の手前側に作品を出し入れする扉がある横扉式は、一番一般的な窯です。

  但し、大きな窯では、頭を窯の中に入れて作業する事に成りますので、やや窮屈な作業と成り

  ます。

 ③ 上扉式は小中型の窯の物が多く、電気窯に多いタイプです。

   真上から作品を出し入れしますので、背の高い窯では、踏み台が必要になります。

   下から順番に窯詰めしますので、一度窯詰めしてしまうと、変更は容易では有りません。

 ④ 横穴式は登窯や窖窯の様に奥が長い場合で、窯の横方向に作品の出し入れ口を設けています

   登窯では袋毎に、設けられています。 

3) 現在主に使われている燃料を使用する窯の構造は、倒炎式と言われるもので、窯の壁に沿って

 上昇した炎は、天井まで登りその後、天井より窯の底に向かい、棚板の高さより低い煙道を通り

 煙突に抜ける構造となっています。この構造が窯の中の温度を一番均一にする事が出来ると言わ

 れています。

4) 窯詰めをする際、棚板を使うのが一般的です(裸火で焼成)。

  薪(まき)窯では、灰が掛からない様にする為、匣鉢(さや)を使います。但し、灰の効果を

  期待する場合(備前焼など)は、棚板で行います。

 ① 棚板の一段目を設置する。

  ) 最下段の棚板は、窯の底から数センチ浮かせてます。その際、サイコロと呼ばれる支柱を

   使います。(例 30x40x50mm。)サイコロを使う理由は、棚板の下からも熱や炎が

   入り込ませる為ですし、煙道がある窯では、変動を塞がない為れす。

  ) 一枚の棚板に3個のサイコロで支えます。即ち、奥の両角と手前側の辺の中央部の3箇所

   です。最下段の棚板は、全て同じ高さにするのが基本です。

   このサイコロの位置が棚板を上に積み上げる際の、支柱(L字.I字型)の位置となります。

   サイコロが煙道の真上に来る場合には、煙道に耐火煉瓦でブリッジを架け、サイコロを置く

   スペースを作ります。

  ) 棚板同士には指1本程度の隙間を設け、炎や熱の通り道を作ります。

    窯の壁との間にも隙間が必要です。ガス窯の様に両脇にバーナーがある場合、奥の壁と

    手前の壁(又は扉)の間に指1本程度の隙間が必要です。尚電気窯の場合は後日お話します

  ) 棚板を設置する場合、棚板の汚れに注意が必要です。即ち下の棚板上の作品の天井になる

    からです。素焼きではほとんど問題に成りませんが、本焼きでは、その汚れが下の作品に

    降り掛かる場合があるからです。

5) 窯詰めの手順。

以下次回に続きます。

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