粘土又は粘土質の物は、川筋や水辺、泥濘(ぬかるみ)のある場所で見つかる事があります。
大量の場合は少ないですが、注意して上記の近辺を観察すると、少量なら見つける事も可能です。
陶芸をやっている方なら、これらの粘土が使えない物なのかと、思っても不思議ではありません。
縄文や弥生式土器も、基本的には自分の住んでいた近辺の粘土を使っていますので、見つける事は
不可能とは思われません。但し、現在の陶芸では1200℃以上で焼成していますので、それと全く
同じ状態で焼成する事は、難しいと思われますが、何らかの方法で利用が可能かどうか知りたい
所です。多くの場合、水に濡れた状態でないと、粘土である事が見抜けません。
1) 明治大正の頃には、屋根瓦を焼く窯が各地にありました。即ち地元で利用する為に焼成された
ものです。多くは川筋から採取した有色(主に赤土)の粘土を利用しています。
その他、場所によっては、「レンガ」も焼かれていました。
① 屋根瓦は、瓦の形状に圧縮成形し、乾燥後に1,000~1,250℃程度の高温度で焼成して得 られる
のが一般的ですが、石州瓦(石見)では1,300℃の高温で焼成されています。
又、杉の葉を使って黒くいぶす瓦などは、900~1,100 ℃程度で焼成されています。
当然、焼成温度が高いほど強い瓦となります。
但し、成形方法も異なりますので、瓦の土がそのまま使える訳ではありません。
② 採取した粘土が使えるかどうかは、実際に作品を作り、焼成して確認する事です。
) 不純物の確認。
見付けた粘土には、腐食した植物や木片、小石、砂などが含まれている事が多いです。
a) 少量の場合は、粘土に水を加え、やや軟らかくしてから、指を使って取り除きます。
b) カラカラに乾燥させてから、粉々に砕き目の細かい篩(ふるい)に通し、不純物を除去
します。篩を通った土に水を加え、練ってから使用する。
c) 粉々に粉砕した土を、水簸(すいひ)し砂などの不純物を減らす。
但し、a)から行い、成形のし易さ、焼成温度の確認などを行った後に、b)、c)へと順次駒を
進めた方が良いです。
) 成形し易い事を確認。
a) 最初に、上記 a)の方法で、少量の粘土の塊(湯呑み一個分程度)を作ります。
水の量を調節して、普段使っている程度の軟らかさにしておきます。
この段階で、粘土を触ると肌理の細かさや粗さ、「砂っぽい」かどうかが解かります。
又指で押す事である程度の粘性も解かります。
b) 直径が1cm程度、長さ15~20cmの細い紐を作ります。紐の両端を持ち、ゆっくり
「Uの字」状に曲げて行きます。 曲げで「ひび」が入るかどうかを確認します。
「ポッキリ」折れるようだと、粘りがありませんので、成形がし難いですので、このまま
では、使用が難しいです。全く「ひび」が入らない場合や、「ちいさなひび」程度でしたら
曲げる半径を徐々に小さくして行きます。当然曲げの強度が強くなりますので、「ひび」
が入り易くなります。 曲げる量でその柔軟性(可塑性)が判断できます。
) 乾燥による割れ、ひびの確認。
a) 成形し易いと判断した場合、実際に作品を作ります。手捻りの場合と、轆轤の場合の両方
試して見たいですが、手捻りだけでも十分です。その際、土の伸び具合も見る事ができ
ます。
b) 作品を作り終えたら口径と背の高さを測定しておきます。乾燥でどの程度縮むか後で
確認する為です。
c) 作品は自然乾燥させます。生渇きの段階で、底削りなどを行うと、肌荒れの状態から、
砂の有無も確認できます。乾燥させると、徐々に「ひび」の入る粘土もあります。
一般に「ひび」は成長する性質があります。「ひび」が徐々に広がるようですと、このまま
では使用できない可能性が大きいです。
) 焼成(試し焼き)による確認。
以下次回に続きます。
大量の場合は少ないですが、注意して上記の近辺を観察すると、少量なら見つける事も可能です。
陶芸をやっている方なら、これらの粘土が使えない物なのかと、思っても不思議ではありません。
縄文や弥生式土器も、基本的には自分の住んでいた近辺の粘土を使っていますので、見つける事は
不可能とは思われません。但し、現在の陶芸では1200℃以上で焼成していますので、それと全く
同じ状態で焼成する事は、難しいと思われますが、何らかの方法で利用が可能かどうか知りたい
所です。多くの場合、水に濡れた状態でないと、粘土である事が見抜けません。
1) 明治大正の頃には、屋根瓦を焼く窯が各地にありました。即ち地元で利用する為に焼成された
ものです。多くは川筋から採取した有色(主に赤土)の粘土を利用しています。
その他、場所によっては、「レンガ」も焼かれていました。
① 屋根瓦は、瓦の形状に圧縮成形し、乾燥後に1,000~1,250℃程度の高温度で焼成して得 られる
のが一般的ですが、石州瓦(石見)では1,300℃の高温で焼成されています。
又、杉の葉を使って黒くいぶす瓦などは、900~1,100 ℃程度で焼成されています。
当然、焼成温度が高いほど強い瓦となります。
但し、成形方法も異なりますので、瓦の土がそのまま使える訳ではありません。
② 採取した粘土が使えるかどうかは、実際に作品を作り、焼成して確認する事です。
) 不純物の確認。
見付けた粘土には、腐食した植物や木片、小石、砂などが含まれている事が多いです。
a) 少量の場合は、粘土に水を加え、やや軟らかくしてから、指を使って取り除きます。
b) カラカラに乾燥させてから、粉々に砕き目の細かい篩(ふるい)に通し、不純物を除去
します。篩を通った土に水を加え、練ってから使用する。
c) 粉々に粉砕した土を、水簸(すいひ)し砂などの不純物を減らす。
但し、a)から行い、成形のし易さ、焼成温度の確認などを行った後に、b)、c)へと順次駒を
進めた方が良いです。
) 成形し易い事を確認。
a) 最初に、上記 a)の方法で、少量の粘土の塊(湯呑み一個分程度)を作ります。
水の量を調節して、普段使っている程度の軟らかさにしておきます。
この段階で、粘土を触ると肌理の細かさや粗さ、「砂っぽい」かどうかが解かります。
又指で押す事である程度の粘性も解かります。
b) 直径が1cm程度、長さ15~20cmの細い紐を作ります。紐の両端を持ち、ゆっくり
「Uの字」状に曲げて行きます。 曲げで「ひび」が入るかどうかを確認します。
「ポッキリ」折れるようだと、粘りがありませんので、成形がし難いですので、このまま
では、使用が難しいです。全く「ひび」が入らない場合や、「ちいさなひび」程度でしたら
曲げる半径を徐々に小さくして行きます。当然曲げの強度が強くなりますので、「ひび」
が入り易くなります。 曲げる量でその柔軟性(可塑性)が判断できます。
) 乾燥による割れ、ひびの確認。
a) 成形し易いと判断した場合、実際に作品を作ります。手捻りの場合と、轆轤の場合の両方
試して見たいですが、手捻りだけでも十分です。その際、土の伸び具合も見る事ができ
ます。
b) 作品を作り終えたら口径と背の高さを測定しておきます。乾燥でどの程度縮むか後で
確認する為です。
c) 作品は自然乾燥させます。生渇きの段階で、底削りなどを行うと、肌荒れの状態から、
砂の有無も確認できます。乾燥させると、徐々に「ひび」の入る粘土もあります。
一般に「ひび」は成長する性質があります。「ひび」が徐々に広がるようですと、このまま
では使用できない可能性が大きいです。
) 焼成(試し焼き)による確認。
以下次回に続きます。