土器と呼ばれる焼き物は、一般に700~1000℃程度で焼成されています。
縄文や弥生式土器は、基本的には野焼きですので、700~800℃程度が多い様です。
この温度は素焼きの焼成温度と同じ程度ですので、当然水を透し水漏れを起こします。
しかし、この様な焼きの甘い焼き物も、古代では煮炊き用として利用されていました。発掘品には、
穀物や動物の肉、貝などを煮炊きした痕跡が見られと言う事です。即ち、この様な土器も十分使用に
耐える焼き物となっています。水の漏れる容器でいかにして煮炊きが出来たのか、不思議に感じます
又、土器を直接火に掛けた(当てた)とみなされています。現在の陶磁器は土鍋などの特殊な粘土を
使ったものしか、直火に掛ける事が出来ません。これも不思議に思う素朴な疑問です。
1) 水漏れ防止方法。
現在ならば、水漏れ防止剤もありますが、古代ではその様な薬品は有りませんでしたが、それに
代わるものがありました。
① 煮炊きした残りの液体を使う。
) 新しく焼かれた作品は当然水を透し、そのままでは煮炊きや水の貯蔵などには、使用できま
せん。そこで煮炊きした残りの暖かい液体を注ぎ込み、内部に浸透させ素地に吸い込ませます
一度処理を施せば、煮炊きを重ねる事で、更に強固になりますので、壊れるまで使えます。
) 吸い込まれた液体は当然外に漏れ出します。即ち素地の隙間を通り抜けます。
煮炊きした残りの液体には、穀物の粒や貝などには、溶けたものにはデンプン質、肉類の脂
(あぶら)などが含まれています。これらが素地の隙間に引っ掛かります。
) 注ぎ込まれた液体を他の容器に空けてから、作品を乾燥させます。
乾燥すると、デンプン質や脂類は硬く固まり、素地の隙間を埋める事に成ります。
現在でも新たに使う土鍋は、長持ちさせる為に、お粥を炊くと良いと言われているのと同じ
事です。一度で上手く水漏れ防止が出来ない場合には、同じ事を数度繰り返した様です。
) 但し、煮炊きした液体が無い場合は、どうしたのかの疑問が残ります。
② 磨製土器(つや出し土器)
つや出しは粘土の表面に光沢を与えるだけでなく、表面を石などで擦り付ける事で、素地の隙間
に目詰まりを起こし、吸水性の少ない、丈夫な壁を作ります。
我が国でも、弥生式土器などでは、表面を磨いて水漏れを防ぐ方法がとられていた様です。
) つや出し土器の歴史は古く、世界の各地で行われており、中東では7千年以前の作品の
破片が発見されています。
) 現代でも「水甕(みずがめ)」として利用されています。特に表面に水が染み出し、
蒸発する事で、甕の水を冷却する働きがあり、重宝に利用されています。
特にアフリカでは現在でも制作続けられているとの事です。
) つや出しは粘土の生乾きの段階で行います。
a) 目の細かな泥漿(でいしょう)でコーティングしてから行うと、より強固に成ります。
b) 古くから使われている道具は、川原などで採取した丸みのある自然石です。
c) 現在では、スプーンのの背中や、市販されているゴム箆(へら)、動物の革の切れ端、
フェルト等の繊維類などが使われています。
) 乾燥が進んだ場合には、金属製のへら、鋸(のこぎり)の刃、瓢箪(ひょうたん)の皮
などで磨いて艶を出しています。
2) 土器が直火に強い訳。
以下次回に続きます。
縄文や弥生式土器は、基本的には野焼きですので、700~800℃程度が多い様です。
この温度は素焼きの焼成温度と同じ程度ですので、当然水を透し水漏れを起こします。
しかし、この様な焼きの甘い焼き物も、古代では煮炊き用として利用されていました。発掘品には、
穀物や動物の肉、貝などを煮炊きした痕跡が見られと言う事です。即ち、この様な土器も十分使用に
耐える焼き物となっています。水の漏れる容器でいかにして煮炊きが出来たのか、不思議に感じます
又、土器を直接火に掛けた(当てた)とみなされています。現在の陶磁器は土鍋などの特殊な粘土を
使ったものしか、直火に掛ける事が出来ません。これも不思議に思う素朴な疑問です。
1) 水漏れ防止方法。
現在ならば、水漏れ防止剤もありますが、古代ではその様な薬品は有りませんでしたが、それに
代わるものがありました。
① 煮炊きした残りの液体を使う。
) 新しく焼かれた作品は当然水を透し、そのままでは煮炊きや水の貯蔵などには、使用できま
せん。そこで煮炊きした残りの暖かい液体を注ぎ込み、内部に浸透させ素地に吸い込ませます
一度処理を施せば、煮炊きを重ねる事で、更に強固になりますので、壊れるまで使えます。
) 吸い込まれた液体は当然外に漏れ出します。即ち素地の隙間を通り抜けます。
煮炊きした残りの液体には、穀物の粒や貝などには、溶けたものにはデンプン質、肉類の脂
(あぶら)などが含まれています。これらが素地の隙間に引っ掛かります。
) 注ぎ込まれた液体を他の容器に空けてから、作品を乾燥させます。
乾燥すると、デンプン質や脂類は硬く固まり、素地の隙間を埋める事に成ります。
現在でも新たに使う土鍋は、長持ちさせる為に、お粥を炊くと良いと言われているのと同じ
事です。一度で上手く水漏れ防止が出来ない場合には、同じ事を数度繰り返した様です。
) 但し、煮炊きした液体が無い場合は、どうしたのかの疑問が残ります。
② 磨製土器(つや出し土器)
つや出しは粘土の表面に光沢を与えるだけでなく、表面を石などで擦り付ける事で、素地の隙間
に目詰まりを起こし、吸水性の少ない、丈夫な壁を作ります。
我が国でも、弥生式土器などでは、表面を磨いて水漏れを防ぐ方法がとられていた様です。
) つや出し土器の歴史は古く、世界の各地で行われており、中東では7千年以前の作品の
破片が発見されています。
) 現代でも「水甕(みずがめ)」として利用されています。特に表面に水が染み出し、
蒸発する事で、甕の水を冷却する働きがあり、重宝に利用されています。
特にアフリカでは現在でも制作続けられているとの事です。
) つや出しは粘土の生乾きの段階で行います。
a) 目の細かな泥漿(でいしょう)でコーティングしてから行うと、より強固に成ります。
b) 古くから使われている道具は、川原などで採取した丸みのある自然石です。
c) 現在では、スプーンのの背中や、市販されているゴム箆(へら)、動物の革の切れ端、
フェルト等の繊維類などが使われています。
) 乾燥が進んだ場合には、金属製のへら、鋸(のこぎり)の刃、瓢箪(ひょうたん)の皮
などで磨いて艶を出しています。
2) 土器が直火に強い訳。
以下次回に続きます。