わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

化粧土と色土47 色土の技法3 練上手(練込)3 轆轤造り3

2013-11-29 21:27:00 | 陶芸入門(初級、中級編)

3) 中央から渦巻き状に外側に広がる模様の入った練込み皿(又は鉢)を作る。

  二色以上の色土を交互に積み上げ、轆轤挽きする事て螺旋状の模様を作る方法に付いて述べて

  来ましたが、この応用として渦巻き文の練込み皿(又は鉢)を作る事も可能です。

  ① 二色以上の色土を積み上げ、轆轤挽きを行い、底と胴部分をやや膨らませ、口を締めて砲弾形

     にします。先端部は完全に閉じ、最上部を下に押して肉厚にします。

     周囲の余分な土は竹へら等で取り除きます。特に裾は綺麗な円に成る様にします。

  ② 底を糸で切り離し、逆さにして轆轤の中心にセットします。

     底を拳(こぶし)で強く叩き締め、底の面積を広げると伴に底割れを防ぎます。

  ③ 轆轤成形を行います。

   ) 上部は肉厚で径が狭くなっていますので、直ぐに轆轤挽きせずに、手で外側に押し広げます

       轆轤挽きで広げると、螺旋模様が崩れます。その際、周囲もなるたけ円に成る様にします

   ) 皿や鉢を轆轤挽きで作る際、口縁の高さに差が有ったり、胴部分に肉厚の差が有ると、

      綺麗な丸い皿(鉢)には成りませんので、轆轤作業前に確認しておく事です。

   ) 轆轤では土を上に伸ばす作業は出来るだけ少なくします。

      即ち、轆轤の回転を砲弾形を作る際と同じ方向で作業すれば、螺旋模様はほどける方向に

      なります。それ故、轆轤の回転方向を逆転して轆轤挽きする事が理想ですが、慣れない

      作業には戸惑うはずです。逆回転での轆轤作業が苦手の場合は、出来るだけ手作業を

      優先して形造り、最後の仕上げで轆轤挽きすべきです。皿や鉢を作る要領で口径を広げ

      形を作ります。尚、轆轤挽きで肉を薄くするのではなく、削り作業で肉薄にしますので、

      若干肉厚に作っても問題有りません。袋物と違い、作品の内側と外側両方を削る必要が

      あるからです。

    ④ 生乾きの状態で轆轤上の作品をカンナを使って、一皮削り取ります。

       即ち、表面の泥(どべ)を取り除く事で、模様が現れます。

     ) 削り作業の際、カンナに「削りカス」が付く状態では乾燥不足です。カンナの刃より削り

       カスの土が逃げていく状態で、削りカスが紐状に連なる頃が削り時です。

       削りに従い模様がはっきり見えてきます。中心より外側に流れる練込み模様に成って

       いれば成功です。但し、意図した模様になっていない場合も多い物です。

      ) カンナの削り痕も模様の邪魔に成りますので、仕上げは丁寧に行います。

         最初に内側を削り、その後ひっくり返して裏側と高台を削り出します。

    ⑤ 同じ模様は作る事が出来ません。砲弾形にする段階で大体の模様が決まりますが、この

       模様は偶然性が大きく作用します。

       尚、渦巻き文様は一本線の場合も有れば、複数の渦巻きが巴(ともえ)の様に表す事も

       可能です。その際には、意図的に工夫する必要があります。

    ⑥ 完成したら素焼き後、透明釉を掛けて本焼きします。

  轆轤での練込み模様を作るのは、一発勝負です。途中からやり直す事は出来ませんし、使って

   いる土も再度使う事はできません。この技法の面白さは、やる度に模様が違う所です。

以下次回に続きます。   

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