民芸とは、「民衆的芸術」の略で、大正~昭和に掛けて、柳宗悦(やなぎむねよし)(1889~1961年)が
唱えた美術運動です。
1) 民藝運動とは
彼は、民衆の日常生活の中にこそ、生きた本来の工芸の美が有ると述べ、この民芸の精神に
適う、焼き物作りを目指し、活動を始め、各地の焼き物なども、紹介し、蒐集し始めます。
(尚、彼は、陶磁器以外にも、漆器、家具、調度品、衣、着物、屏風、彫刻、絵画、書など、
多方面に渡り、関心を寄せ、蒐集しています。)
柳の行動に共感したのは、富本健吉、河合寛次郎や浜田庄司、英国人のバーナード・リーチ等でした。
大正15年4月1日に、「日本民藝美術館建設趣意書」を、上記4名の名前で、発表します。
柳以外は、陶芸家として、著名な人々です。
(注: この趣意書の全文は、次回に掲載する予定です。)
此の中で、本当の美は、美術品の中にあるのでは無く、庶民が日常に使っている、雑具の中に在ると
見なしており、所謂(いわゆる)「下手(げて)」の物に、多くの美が見受けられる事を、発見したと、
述べています。
2) 彼らは、地方の小さな窯場を訪れ、指導すると共に、そこで作られていた、日用雑貨を、
「用の美」として、全国に紹介します。
それらの窯の中には、「益子焼」(栃木県)、「壺屋焼」(沖縄県)、「小鹿田(おんた)焼」(大分県)
「出西(しゅせい)焼」(島根県)、「布志名(ふじな)焼」(島根県)、「袖師(そでし)焼」
(島根県)などが有ります。
3) 日本民藝館開館
昭和11年(1936年)10月に(東京都目黒区駒場4-3-33)民芸館は開館され。初代館長に
柳宗悦が、就任します。以降、ここが、民藝運動の、本拠地になります。
① 蒐集品を展示
名も無き工人達の手によって生まれた、「日用雑器」に美を見出し、蒐集した品数は、万余を
超えます。これらは、「健康の美」「正常の美」と言う、価値基準と、美の基準によって、
集められており、日本民藝館に展示されています。
) 展示室ごとに、陶磁器、染織、李朝工藝、木漆工などを、中心に常時500点程を公開し、
3ヵ月毎に陳列替をしています。
休館日:月曜日(祝日、振替休日は開館、翌日閉館)開館時間:10時~17時
TEL: 03(3467)4527
) 民藝運動に共感して、各地方にも、民藝館が設立されます。
a) 松本民芸館:1962年開館。 丸山太郎氏のコレクション
長野県松本市里山辺下金井 1313-1 TEL: 0263 (33) 1569
b) 富山市民芸館: 染織品、金工品など、普段使いの品々を展示。
富山県富山市安養坊1104(富山市民俗民芸村内)TEL: 076 (431) 6466
c)日下部民藝館: 江戸時代の御用商人の、日下部家の町家住宅(重文)を利用した民藝館。
土蔵の展示室に、日下部家の貴重な品々が、公開されています。
岐阜県高山市大新町 1-52 TEL: 0577 (32) 0072
d) 豊田民藝館: 三つのテーマ館からなり、第一民藝館は、東京目黒の日本民藝館の一部を
移築復元したもの。
愛知県豊田市平戸橋町岩波86-100 TEL: 0565 (45) 4039
e) 京都民藝資料館: 1981年開館 陶磁器、染織品などの、工芸品を展示。
京都市左京区岩倉幡枝町28-1 TEL: 075 (722) 6885
f)大阪日本民藝館:1970年の万国博覧会の際、日本の民藝を出品したのを機会に、西の拠点として、
開館したもの。春秋の2回特別展を開催しています。
大阪府吹田市千里万博公園10-5 TEL: 06 (6877) 1971
g) 倉敷民藝館: 1948年開館。江戸時代末期の米倉を、改装したもので、建物自体が民藝品
です。 年に3度の、展示の入れ替えがあります。
岡山県倉敷市中央1-4-11 TEL: 086 (422) 1637
h)出雲民藝館: 出雲の豪農、山本家の屋敷を民藝館として使用。
漆器、木工品などの生活工芸品を展示。
島根県出雲市知井宮町628 TEL: 0853 (22) 6397
i) 鳥取民藝館: 民藝運動に共感を得た、地元の吉田氏により開館。
山陰地方に伝わる古い民藝品を展示。
鳥取市栄町651 TEL: 0857 (26) 2367
尚、休館日、開館時間などを知りたい方は、各地の民藝館に、お問い合わせ下さい。
以下次回に続きます。
参考資料: 「用の美」<上> 柳宗悦コレクション 日本の美 著者:日本民藝館
(株)世界文化社 発行
唱えた美術運動です。
1) 民藝運動とは
彼は、民衆の日常生活の中にこそ、生きた本来の工芸の美が有ると述べ、この民芸の精神に
適う、焼き物作りを目指し、活動を始め、各地の焼き物なども、紹介し、蒐集し始めます。
(尚、彼は、陶磁器以外にも、漆器、家具、調度品、衣、着物、屏風、彫刻、絵画、書など、
多方面に渡り、関心を寄せ、蒐集しています。)
柳の行動に共感したのは、富本健吉、河合寛次郎や浜田庄司、英国人のバーナード・リーチ等でした。
大正15年4月1日に、「日本民藝美術館建設趣意書」を、上記4名の名前で、発表します。
柳以外は、陶芸家として、著名な人々です。
(注: この趣意書の全文は、次回に掲載する予定です。)
此の中で、本当の美は、美術品の中にあるのでは無く、庶民が日常に使っている、雑具の中に在ると
見なしており、所謂(いわゆる)「下手(げて)」の物に、多くの美が見受けられる事を、発見したと、
述べています。
2) 彼らは、地方の小さな窯場を訪れ、指導すると共に、そこで作られていた、日用雑貨を、
「用の美」として、全国に紹介します。
それらの窯の中には、「益子焼」(栃木県)、「壺屋焼」(沖縄県)、「小鹿田(おんた)焼」(大分県)
「出西(しゅせい)焼」(島根県)、「布志名(ふじな)焼」(島根県)、「袖師(そでし)焼」
(島根県)などが有ります。
3) 日本民藝館開館
昭和11年(1936年)10月に(東京都目黒区駒場4-3-33)民芸館は開館され。初代館長に
柳宗悦が、就任します。以降、ここが、民藝運動の、本拠地になります。
① 蒐集品を展示
名も無き工人達の手によって生まれた、「日用雑器」に美を見出し、蒐集した品数は、万余を
超えます。これらは、「健康の美」「正常の美」と言う、価値基準と、美の基準によって、
集められており、日本民藝館に展示されています。
) 展示室ごとに、陶磁器、染織、李朝工藝、木漆工などを、中心に常時500点程を公開し、
3ヵ月毎に陳列替をしています。
休館日:月曜日(祝日、振替休日は開館、翌日閉館)開館時間:10時~17時
TEL: 03(3467)4527
) 民藝運動に共感して、各地方にも、民藝館が設立されます。
a) 松本民芸館:1962年開館。 丸山太郎氏のコレクション
長野県松本市里山辺下金井 1313-1 TEL: 0263 (33) 1569
b) 富山市民芸館: 染織品、金工品など、普段使いの品々を展示。
富山県富山市安養坊1104(富山市民俗民芸村内)TEL: 076 (431) 6466
c)日下部民藝館: 江戸時代の御用商人の、日下部家の町家住宅(重文)を利用した民藝館。
土蔵の展示室に、日下部家の貴重な品々が、公開されています。
岐阜県高山市大新町 1-52 TEL: 0577 (32) 0072
d) 豊田民藝館: 三つのテーマ館からなり、第一民藝館は、東京目黒の日本民藝館の一部を
移築復元したもの。
愛知県豊田市平戸橋町岩波86-100 TEL: 0565 (45) 4039
e) 京都民藝資料館: 1981年開館 陶磁器、染織品などの、工芸品を展示。
京都市左京区岩倉幡枝町28-1 TEL: 075 (722) 6885
f)大阪日本民藝館:1970年の万国博覧会の際、日本の民藝を出品したのを機会に、西の拠点として、
開館したもの。春秋の2回特別展を開催しています。
大阪府吹田市千里万博公園10-5 TEL: 06 (6877) 1971
g) 倉敷民藝館: 1948年開館。江戸時代末期の米倉を、改装したもので、建物自体が民藝品
です。 年に3度の、展示の入れ替えがあります。
岡山県倉敷市中央1-4-11 TEL: 086 (422) 1637
h)出雲民藝館: 出雲の豪農、山本家の屋敷を民藝館として使用。
漆器、木工品などの生活工芸品を展示。
島根県出雲市知井宮町628 TEL: 0853 (22) 6397
i) 鳥取民藝館: 民藝運動に共感を得た、地元の吉田氏により開館。
山陰地方に伝わる古い民藝品を展示。
鳥取市栄町651 TEL: 0857 (26) 2367
尚、休館日、開館時間などを知りたい方は、各地の民藝館に、お問い合わせ下さい。
以下次回に続きます。
参考資料: 「用の美」<上> 柳宗悦コレクション 日本の美 著者:日本民藝館
(株)世界文化社 発行