掛花入の話を、続けます。
5) 裏止めについて
壁などに、花入れを掛けた場合、孔から水が漏れ、壁にシミを作る事を防ぐ為に、
又、十分に水を入れる為に、金具を通した孔は、塞ぎます。これを裏止めと、言います。
昔は麦漆(小麦粉を水で溶き、漆を加えた物)を、使いましたが、乾燥が遅いため、
使われなく、なりました。
簡易な方法で、和紙を漆に浸けて、それを張り付ける方法も、有りましたが、強度が弱い為、
時間が掛かるのと、漆にかぶれるのとで、現在では、余り行われていない様です。
尚、裏止剤(黒、茶、焦げ茶)を、市販している所も、有る様です。
6) 垂撥(すいはつ)、花釘について
掛花入を、茶室や床に、飾る際、垂撥の釘に掛ける方法と、打ち付けた釘(花釘)に、
掛ける方法があります。
・ 一般の家の、床の間に、花を生ける場合でも、茶道の決まり事は、役にたつ、はずです。
① 垂撥とは、竹(5、7本組の黒竹、煤矢)製や、杉板製の物で、長さ:138、幅:9.5~11cmの
花入を掛ける為に、使います。これを、床や茶室に掛け、更に花入を掛けます。
・ 杉板製の垂撥は、釘が上下に、移動でき、高さを調節できます。
茶室の釘は、床柱の折釘、壁の無双釘、壁に下げる、垂撥用の釘があります。
② 茶室や床に、釘(花釘)を打ち付け、そこに花入を、掛る。
釘を打つのにも、釘の種類や、打つ位置、取り付け高さなど、決まり事(約束事)がある様です。
陶磁器の話とは、あまり、関係ありませんが、花入を掛ける位置と、高さが、判れば良いので、
興味の無い方は、読み飛ばして下さい。
) 花入を、軸の代わりに掛ける場合、床正面の中央に、掛ける釘を、中釘(向釘)と言います。
昔は鉄製の折釘を、用いましたが、現今では掛物を、掛ける時に、邪魔にならない様に、
釘の中に、引込む様になっている、無双釘を打ちます。
・ 高さは、多少の相違がありますが、普通床上面から、3尺7寸(112.1㎝)を標準としています。
) 床柱に打つ花入釘(柱釘)(鉄製の折釘)
床柱が、客付の方にあれば、中釘より2寸(6㎝)位低く打ち、床柱が勝手寄りの場合は、
中釘よりも2寸(6㎝)位高く打ちます。
・ 客が座って、見上げる様に、なります。
) 床天井に打つ蛭(ひる)釘
主に釣花入や、釣香炉などを、釣る為のもので、小形の蛭釘を、用いますが、
小間では、床天井の中央に、前後は奥へ、中心線から、1寸(3㎝)位入った処に打ます。
・ 但し、書院広間や、その鈎は流儀によって、多少の相違があります。
) 床の落掛の内外に打つ釘花入釘、
落掛では、床の中央部、その外側又は、内側に折釘を打って、釣舟を掛けます。
(落掛とは、床の前面上部の小壁を、受け止める、下の横木を、落掛(落し掛け)と言います。)
) 正月のみに用いる、柳釘(隅打釘、鉄製です)があります。
柳釘は、四畳半茶席では、床の勝手寄りの隅柱(この柱を塗立柱、塗出柱、楊子柱、
筆軸柱などと呼びます)に、畳面から、4尺3寸(130㎝)上がり位の高さ、
天井から約1尺5寸3分(46.4㎝)位、下がった処(席の天井高により、多少の増減があり)に、
打つ折釘のことです。
以下次回に続きます。
5) 裏止めについて
壁などに、花入れを掛けた場合、孔から水が漏れ、壁にシミを作る事を防ぐ為に、
又、十分に水を入れる為に、金具を通した孔は、塞ぎます。これを裏止めと、言います。
昔は麦漆(小麦粉を水で溶き、漆を加えた物)を、使いましたが、乾燥が遅いため、
使われなく、なりました。
簡易な方法で、和紙を漆に浸けて、それを張り付ける方法も、有りましたが、強度が弱い為、
時間が掛かるのと、漆にかぶれるのとで、現在では、余り行われていない様です。
尚、裏止剤(黒、茶、焦げ茶)を、市販している所も、有る様です。
6) 垂撥(すいはつ)、花釘について
掛花入を、茶室や床に、飾る際、垂撥の釘に掛ける方法と、打ち付けた釘(花釘)に、
掛ける方法があります。
・ 一般の家の、床の間に、花を生ける場合でも、茶道の決まり事は、役にたつ、はずです。
① 垂撥とは、竹(5、7本組の黒竹、煤矢)製や、杉板製の物で、長さ:138、幅:9.5~11cmの
花入を掛ける為に、使います。これを、床や茶室に掛け、更に花入を掛けます。
・ 杉板製の垂撥は、釘が上下に、移動でき、高さを調節できます。
茶室の釘は、床柱の折釘、壁の無双釘、壁に下げる、垂撥用の釘があります。
② 茶室や床に、釘(花釘)を打ち付け、そこに花入を、掛る。
釘を打つのにも、釘の種類や、打つ位置、取り付け高さなど、決まり事(約束事)がある様です。
陶磁器の話とは、あまり、関係ありませんが、花入を掛ける位置と、高さが、判れば良いので、
興味の無い方は、読み飛ばして下さい。
) 花入を、軸の代わりに掛ける場合、床正面の中央に、掛ける釘を、中釘(向釘)と言います。
昔は鉄製の折釘を、用いましたが、現今では掛物を、掛ける時に、邪魔にならない様に、
釘の中に、引込む様になっている、無双釘を打ちます。
・ 高さは、多少の相違がありますが、普通床上面から、3尺7寸(112.1㎝)を標準としています。
) 床柱に打つ花入釘(柱釘)(鉄製の折釘)
床柱が、客付の方にあれば、中釘より2寸(6㎝)位低く打ち、床柱が勝手寄りの場合は、
中釘よりも2寸(6㎝)位高く打ちます。
・ 客が座って、見上げる様に、なります。
) 床天井に打つ蛭(ひる)釘
主に釣花入や、釣香炉などを、釣る為のもので、小形の蛭釘を、用いますが、
小間では、床天井の中央に、前後は奥へ、中心線から、1寸(3㎝)位入った処に打ます。
・ 但し、書院広間や、その鈎は流儀によって、多少の相違があります。
) 床の落掛の内外に打つ釘花入釘、
落掛では、床の中央部、その外側又は、内側に折釘を打って、釣舟を掛けます。
(落掛とは、床の前面上部の小壁を、受け止める、下の横木を、落掛(落し掛け)と言います。)
) 正月のみに用いる、柳釘(隅打釘、鉄製です)があります。
柳釘は、四畳半茶席では、床の勝手寄りの隅柱(この柱を塗立柱、塗出柱、楊子柱、
筆軸柱などと呼びます)に、畳面から、4尺3寸(130㎝)上がり位の高さ、
天井から約1尺5寸3分(46.4㎝)位、下がった処(席の天井高により、多少の増減があり)に、
打つ折釘のことです。
以下次回に続きます。