わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

茶道具 (水指1)

2010-05-15 23:08:18 | お茶と「茶の湯」と茶道具(茶陶)
水指とは、、点茶の際、茶釜に水を足したり、水で茶碗や茶筅を、すすぐため、蓄えておく器です。

 (役目としては、やや脇役に成りますが、茶人達の、美意識が感じられます。)
  
1) 水指の分類

 茶道具の水指は、材質から分類すると、金属、陶磁器、木竹工品などが、有ります。

 ① 金属は、唐銅(からかね)、砂張(さはり)、毛織(モール)、七宝(しっぽう)、鍍金(ときん)

   南鐐(なんりょう)、等が有ります。中国より渡来した水指は、本来は、唐胴に始まります。

   砂張: 銅と錫の合金の事です。 南鐐:良質の灰吹銀、すなわち純銀という意味です。

 ② 木工品では、木地を曲(まげ)た容器は、十四世紀、日本の絵巻物に、登場することから、

   水指の歴史は、古い物と判ります。

   木竹工の水指は、手桶(ておけ)、釣瓶(つるべ)、曲物(まげもの)などがみられます。

 ③ 圧倒的に多いのは、陶磁器製の、水指です。

  陶磁器には、磁器製の、清朝の型物と呼ばれる、「染付け」や、青磁、色絵、祥瑞写しの水指

  砥部焼きの「万写し枡形水指」があり、 陶器では、高麗(こうらい)、中国の安南(あんなん)、

  南蛮(なんばん)などの他に、 信楽、備前、瀬戸、伊賀、高取、薩摩、唐津、志野などの

  国焼(くにやき)などがあります。

  十六世紀に入り、茶の湯が成立してくると、茶人の求める水指が、取り入られ、又、焼かれる様に

  なります。

  江戸時代には仁清、乾山、保全という華やかな、水指へと展開して行きます。

  更に、現代に近づくにつれ、形、色彩が多彩となります。

2) 著名な水指

 ① 青磁浮牡丹太鼓胴水指 中国 重文 総高さ:20.1 口径:22.3 底径:16.2

 ② 伊賀水指 銘:破袋 重文 高さ:21.4 口径:15.2 底径:18.2

 ③ 信楽一重口水指 銘:柴の庵 高さ:15.4 口径:17.0 底径:15.5

   (古信楽の名物水指。利休所持)

 ④ 備前火襷水指 重文 高さ:13.0 口径:12.5 底径:10.6

 ⑤ 志野芦絵水指 銘;古岸 高さ:17.8 口径:18.5 底径:17.5

 ⑥ 色絵輪宝かつ磨文水指 仁清作 重文 高さ:12.5

 ⑦ 色絵梅の絵水指 仁清作 重文 高さ:14.5

 ⑧ ニ彩荒磯文水指 永楽保全作 高さ:15.5 口径:16.2 底径:12.0

 その他、瀬戸渋紙水指、膳所(ぜぜ)菱口水指、高取遠州管耳水指、丹波水指、大樋瓢型水指など、

 多くの水指が、存在しています。

以下次回に続きます。
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