わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

縄文土器(土器の形)3

2009-11-14 21:47:09 | 縄文土器の話、骨董の話
陶芸の「ルーツ」である、縄文土器の話を、続けます。

 6) 縄文土器の特徴

  ① 土器の形

  ) 後期から晩期までの土器

   a)  後期の形と、文様

     後期に入ると、文様、形に、大きな変化が現れます。器形は、薄手になり、

     厚手の大きな土器は、次第に薄くなり、用途に応じた、土器が造られていきます。

     即ち、深鉢、浅鉢、甕、壷、注口、台鉢等が、一般的に造られています。

     又、釣手形土器、蓋付土器、双口土器など、非実用的と思われる、器も造られ、

     変化に富んでいます。

     文様は、「ヘラ」状の道具による、沈線文のほか、磨消(すりけし)縄文の手法が発達します。

     特に、磨消文様は、後期の中頃に、盛んに作られ、全国に普及しました。

     同じ技法の文様が、全国に広がり流行したのは、これが始めてです。

   ・  注: 磨消文様とは、 土器の表面全体に、縄文を付けた上から、線描で文様の輪郭を描き 、

        そこから、はみ出た縄文を、「ヘラ」等で磨り消して、輪郭内の文様を、

        浮き出させる技法です。

    b) 晩期の形と、文様

     晩期では、亀ヶ岡式土器(青森県、亀ヶ岡遺跡) が、代表的な土器です。

     東日本を中心にB・C10世紀~B・C3、4世紀に栄え、器形を磨いた土器で、

     縄文土器、最後の華と、言うべきものです。

     繊細精緻の造りで、豪快な中期の作品とは、対称的です。

     薄手小型の精製土器と、大型で粗雑な作りの粗製土器があり、後者は、内面に、

     炭化物が付着し、日常的な什器として、使用されたと、思われます。

     亀ヶ岡式精製土器の特徴は、一見理解不能な多様で、複雑怪奇な文様が描かれ、

     赤色塗料が、塗布されている点であり、器種も複雑に分化し、装飾も繁煩を極めています。

     尚、西日本の地域の晩期は、縄文土器の衰退が続き、次の弥生式へと、移って行きます。

  ) 縄文文化(土器)の終末

     縄文土器が終末期になると、段々と無文で、赤焼きの物が増え、器形も整い、穏やかになり、

     弥生(土器)化していきます。

     弥生文化は、大陸から伝来した稲作が、早いスピードで、全国に広がり、農耕生活となり、

     生活が一変した結果、その用具(土器)にも大きな影響を、与えています。

 7) 縄文土器の焼成(野焼き)

 以下次回に続きます。

縄文土器の形 文様

  
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