わ! かった陶芸 (明窓窯)

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続 釉(薬)について5(透明、マット、乳濁3)

2018-03-09 15:46:20 | 釉薬に付いて 釉薬の種類 熔融剤
釉はガラス質と述べましたが、それには三様の状態を呈します。

即ち、透明釉とマット(艶消し)釉、乳濁(白濁)釉です。後者を失透明釉と呼ぶ事もあります。

1) 釉として使用できるのは、アルミナ(Al2O3)とシリカ(SiO2)成分の割合によって決まります

 ④ シリカ(珪酸)成分が多くなると乳濁釉になります。

   Al2O3:SiO2 = 1:10(モル)以上になると、次第に白く濁った釉になります。

  ⅰ) シリカは地球上で最も多く存在する物質です。

    (以上までが前回の話です。)

  ⅱ) シリカの役割は、主にガラス質を構成する成分です。

   それ故、釉に大量(釉中に50%以上)に存在させる必要があります。

   このガラス質は、酸やアルカリ、各種のガス及び液体(化学薬品等)に対し強い抵抗性を

   有します。 適度の着色剤を添加する事で、色釉を作る事が出来ます。 

  ⅲ) シリカ成分が増加すると次の様な状態が出現します、

   a) 熔融温度が上昇する。

    珪酸塩は、各温度で完全に交じり合いますが、含有量が増えると熔ける温度が上昇します。

   b) 釉の流動性を少なくする。即ち粘性を増します。

    その為、流動性が必要な結晶釉などには、大量に入れる事は出来ません。

   c) 熱膨張率を低くし、釉の硬さと強度を増します。

    珪酸(シリカ)は素地と釉の膨張収縮の差を少なくし、密着を良くします。

    膨張率が大きい事は、縮み率も大きい事を意味します。その為釉に貫入が入り易くなり

    「ヒビ釉」を作るには、シリカ成分を少なくする事に成ります。

  ⅳ) 乳濁釉を作るには、

   釉が乳白化するのは、釉中の細かい結晶が浮遊し、光がそれらに反射、屈折、撹乱し散乱発散

   して起こります。それ故添加物の粒子が細かい程、乳濁します。

   a) シリカ(珪酸、珪石など)を多く入れる事で乳濁釉を作る事が出来ます。

    これは分相と呼ばれる現象で、ガラス成分が変化を起こし、同じガラス質でありながら

    お互いに熔け合わない状態で、乳濁を起こします。

   b) 乳濁剤(失透剤)を添加する事で、容易に乳濁釉を作る事が出来ます。

    酸化チタンや骨灰、蛍石は少量添加するだけで、釉に熔け込み分相を起こし、乳濁します。

    ジルコンを添加すると、釉に熔け込み冷却と共に、結晶を析出し失透を起こします。

    但し、多量に添加すると、釉に熔けきらず乳濁します。この場合には、アルミナ成分が多く

    成ると、艶消しになりシリカ成分が多くなると乳濁になります。    

   c) 灰釉で乳濁釉を作る事ができます。

    長石と藁(わら)灰でも可能ですが、鉄分の少ない(いす灰)も使うとより白い釉を作る

    事が可能に成ります。

    代表的な釉は、藁白、白萩等の乳濁釉がります。尚、艶消し釉には、卯の斑(うのふ=鵜、

    兎などの文字を当てる事もあります。)等があり、籾殻(モミガラ)灰を用います。

   d) 志の釉も乳白釉ですが、一般の乳濁釉よりも熔け不足で、無数の細かい気泡が表面まで

    在らされているのが特徴です。長石(対馬長石など)に鉄分の少ないいす灰等を添加して

    作ります。熔け難い長石は長時間焼成する事で熔かす事が出来ます。

以下次回に続きます。

    

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