ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

前川さん、国会議員になってください!

2017年06月18日 | 日本とわたし
一日中、少しでも時間があるとピアノに向かっていた10日間が終わりました。
この10日間、それでもやっぱり気になったので、国会の様子をちらりと観たり、ツィッターやフェイスブックで流れてくる記事を斜め読みしていました。
心が大変に乱れましたし、ブログに書き留めておきたいことも山のようにあったのですが、体はたった一つしかありません、練習に集中するよう自分を諌めながらの10日間でした。

首相を筆頭に、外道議員たちの醜い姿、口から出てくるデタラメやウソの言葉の羅列を、これでもかこれでもかというほどに見せられ、聞かされた国会でした。

でもそれだけに、必死になって頑張っていた野党議員たちや、加計学園の「文書は間違いなく本物」と証言してくれた前川前事務次官の存在に、大いに励まされました。

この前川氏の言動は、わたしの今まで持っていた官僚という存在に対する印象を、大きく変えるものが多かったのですが、
今朝見つけたこの記事を読んで、彼のような人に国会に立ってもらえたらと、ますます強く願い始めています。
記事は、5日前に、東京新聞の【ふくしま便り】の欄に書かれていたものです。



【ふくしま便り】
私塾「福島駅前自主夜間中学」 震災でも途切れず8年目

【東京新聞】2017年6月13日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/tohokujisin/fukushima_report/list/CK2017061302000170.html

さまざまな事情で、義務教育を修了できなかった人のための学びの場、自主夜間中学が、福島にもある。
「自主」と付くのは、元教員などのボランティアが、手弁当でつくり上げ、続けている私塾だからだ。
学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設問題で、「行政がゆがめられた」と訴えている前川喜平・前文部科学省事務次官も、ここに通ったボランティアの一人だった。
何を求めたのか。
答えを探して、授業の様子を見せてもらった。
 
JR福島駅に近いビルの一室。
午後6時に、自主夜間中学は始まった。
教師と生徒、一対一の学習が原則で、6組ほどのペアが、肩を並べて教材をのぞき込む。
英語のアルファベットを学ぶ組、新聞を材料に、時事問題を読み解く組など。
休憩を兼ねた15分のお茶タイムを挟んで2時間、静かだが、熱気に満ちた学習が続いた。
 
生徒の年齢は、20代から80代まで。
教師役は、教員を定年退職した人が多い。
 
運営母体の「福島に公立夜間中学をつくる会」が、活動を始めたのは、2010年8月だった。
 
文科省が設置した公立夜間中学は、全国に31校。
大部分が首都圏、関西圏に集中し、東北以北には一つもない。
 
設立メンバーの大谷一代さん(54)は、7年前に亡くなった実弟が、不登校の末に苦しむ姿を目の当たりにした。
「弟と同じ境遇の人たちを救いたい。夜間中学を」と、仲間に呼びかけたのが、きっかけとなった。
 
自主夜間中学は、月に4回。
授業料は無料。
東日本大震災があっても途切れず、生徒は20人ほどに増えた。
 
この小さな私塾に、思いもよらぬ「贈り物」があった。

前川氏の講演「夜間中学と日本の教育の未来」を、東京で聞いた大谷さんが、「ぜひ、福島でも」と直談判した。

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(まうみ注・1時間半近くの長い講演ですが、ぜひ時間を見つけて観ていただきたいと思う内容ですので、ここに挿入させていただきます)


日本国憲法26条は、文部科学省にとっては一番大事な原則を示したものである。
旧憲法の時代には、教育を、国民の権利として認めていなかった。
教育というのは人権の中核。
教育を受ける権利は、基本的人権。
個人の尊厳を、実際に実現する基礎にあるのが、教育である。
教育を受けることができないと、一人一人が、それぞれの人生を豊かに全うすることも、尊厳を守ることもできなくなる。
教育は、人権保証の中核である。
憲法の三原則は、基本的人権の尊重、国民主権(政治は国民が主権者であり、政治家は国民の代表として奉仕する)、永久平和主義。
この三つが日本国憲法の三大原則で、憲法改正ができないものである。


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前川氏は、あっさりと快諾。
今年1月14日、文科省事務方のトップが福島を訪れ、講演が実現した。
このとき関係者を驚かせたのは、前川氏が、「退省したら、福島の夜間中学の活動に参加したい」と、申し出たことだった。

 
前川氏が、天下り問題の責任を取って辞職したのは、この約1週間後。
そして2月1日、今度は、ボランティアとして、福島に姿を見せた。

 
マンツーマンの授業を受けたのは、渡辺宏司さん(78)だった。
 
「講演の内容がさっぱり理解できなかった、と話したら、一緒に新聞を読みながら、解説してくれたんだよ。
偉ぶるところのない、温厚な人だったな」

 
渡辺さんは、中学を卒業したものの、自動車染色工になるために高校進学を断念したことを、今も悔いている。
生徒の中には、そんなお年寄りが多い。
 
この後、週に2回ずつ、合計10回にわたって、前川氏はボランティアにやってきた。
 
最後は5月12日。
数日後、「しばらく忙しくなります」と、運営母体の会の代表、菅野家弘さんに電話があった。
前川氏が、加計学園問題で記者会見したのは、同25日のことだった。
 
「驚いたな。暇になったら、また来てくれないかな。待っているよ」と、渡辺さんは話した。
 
夜間中学を巡っては、2016年12月に、教育機会確保法が成立。
これを受け、文科省は、各都道府県に少なくとも一つ、公立夜間中学を設置するよう、検討を進めている。
   
   ×  ×  ×
 
福島駅前自主夜間中学では、生徒、ボランティアを募集している。
連絡先は大谷さん=電090(2025)5287=へ。 
(福島特別支局長・坂本充孝)

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夜間中学
埼玉の運動31周年集会 「重要な役割」 
初参加、文科省事務次官が評価/埼玉

【毎日新聞】2016年10月31日
https://mainichi.jp/articles/20161031/ddl/k11/100/096000c

埼玉の夜間中学運動31周年を記念した集会が29日、JR川口駅東口にある、複合施設「キュポ・ラ」で開かれ、
文部科学省の事務方トップとして集会に初参加した、前川喜平事務次官が、
「(夜間中学は)教育の場で、重要な役割を果たしてきた」と評価し、文科省として、公立夜間中学設置を推進する考えを示した。【鴇沢哲雄】

埼玉には、公立夜間中学がなく、川口市には、自主夜間中学が設けられている。
集会は、「すべての人に義務教育を」をスローガンに、県内に公立夜間中学を設置するための運動を続ける、
「埼玉に夜間中学を作る会」(野川義秋代表)と、「川口自主夜間中学」(金子和夫代表)が開催。
前川次官は、「夜間中学と日本の教育の未来」と題して、講演した。

1979年に文部省(現文科省)に入り、初等中等教育局長などを経て、今年6月に次官になった前川次官は、
「教育は、人権保障の中核。国籍に関わらず、全ての国民は、等しく教育を受ける権利がある」と語り、
卒業証書を受け取るだけの「形式卒業」や、義務教育未修了者、不法滞在の外国籍の親を持つ子どもたちなど、
教育を受ける権利を制限されてきた人たちに、学びの場を提供してきた「夜間中学」を、高く評価
した。

また、不登校が増えている現状を挙げ、「今後、夜間中学の重要性が、増す可能性がある」とも言及。
「個人的見解」としながら、
「夜間中学設置について、組織としての文科省は、これまで見て見ぬふりをしてきた。
(夜間中学設置に賛同する)自分は、(省内では)異端。居心地が悪かった」
と、吐露した。

文科省として、公立夜間中学設置を推進するに当たっては、
「多様な学習機会を確保する観点」から、不登校の生徒についても、本人の希望を尊重して、受け入れていく方針を明示。
半世紀近く、夜間中学運動に関わってきた元教師からは、「大変大きな前進」と、歓迎する声が聞かれた。

講演後、野川代表は、「作る会」の今後の活動方針について、
▽公立夜間中学設置の法案ができるよう、各団体と連携を深める
▽6万人署名達成を目標に、活動を拡大する--ことなどを挙げた。

金子代表は、自主夜間中学の取り組みについて、「生徒やスタッフを増やしながら、市民と一緒に教室を充実させる」と話した。

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こんな外道議員の寄り集まりのようになってしまった与党が、国会の在り方をことごとく劣化させた結果、


まだ支持がこんなにあるのが不思議で仕方がありませんが…。









(毎日新聞)