ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

憲法審査会をサボりまくる議員、トンデモ発言する議員、せやのに改憲改憲て……自民党ってほんまに……

2013年05月11日 | 日本とわたし
ブログを通じて知り合った、わたしの憲法の先生、じゅんこさん。
ここ数日は、憲法憲法と、憲法のことばかり記事に書いてるけど、その心の奥には、高線量の地域から避難できずにいる子どもらのこと、
汚染されたゴミを燃やし続けて、今ではそのことがニュースにもならへん毎日の中で、放射能汚染がどんどんひどなってる大きな都市のこと、
地震と津波に襲われて、命からがら逃げ出したまんま、原発事故の影響で、今だに暮らしの先行きも見えんと避難生活を強いられてる人たちのこと、
TPPのこと、モンサントのこと、沖縄の基地のこと、いや、もっともっと身近でも起こってる、なんでやねんっ!と腹立つこと、などなどが渦巻いてる。

それでもわたしの体と脳ミソは、この世でたったひとつしかないから、なにもかもに集中することはできひん。
悔しいけど、これだけはどうしようもない。
おまけにわたしは、独りで生きてるのでもなく、仕事したり家の用事したり、旦那と一緒に過ごすことも大事な時間。

などなど、別に言い訳するつもりではないのやけども、それならば、今わたしが一番声高に訴えなあかんことは何か、と考えた。
そしたら、憲法ちゃうか、という答が、自分の中から返ってきた。

今の、実際あるかないかも意識してなかった、まるで空気のような存在やった憲法。
なんでここまで意識してなかったかというと、意識せんでもええような、心地良い環境やったからや。
空気みたいな、水みたいな。
そんなこと言うたら、お水が無うて死んでいってる子らに、申し訳が無さ過ぎるのやけど、実際日本やアメリカではそうやった。
けど、そのお水が、なんかのかげんで、急に薄茶色に濁ったり、誰かが悪さして、危ないもんが加えられたりしたらどないする?
なんとかして、元の、飲んでも安全な水に戻そうと必死になるやんね。
けど、どないしてももう、元には戻らんようになってしまうこともある。
今の放射能汚染みたいに。

憲法は、人の皮かぶった権力っちゅうバケモノらを、閉じ込めてくれてる頑丈な檻。
その檻の鍵が96条。
バケモノどもは、何十年もの間、その鍵をなんとかして奪おうと、悪知恵を働かせては失敗してきた。
バケモノをいったん外に出してしもたらどないなるか。
バケモノ天国や。
ほんで、頑丈な檻に閉じ込められるのは、わたしら市民。
主権をわらしら市民から国に戻す。
国こそが、バケモノの本体やからね。
国民主権、基本的人権の尊重、平和主義(戦争放棄)、象徴天皇制。
当時の首相、幣原喜重郎氏によって生まれた平和憲法。
バケモノらにはおもろないねん、そのいちいちが。
そやから、なんとしても檻から出たい。
そんな輩に、鍵渡してもええん?ほんまにええん?

↓以下、じゅんこさんが教えてくれはったことです。

「改憲をめざす第二次安倍政権下で、憲法審査会はすでに参院で二回、衆院では第一章からのレビューで五回開催され、四月は毎週開催になった。」ということで、
今、改憲に向かって、憲法審査会が開催されています。

憲法審査会を傍聴している市民の「憲法審査会傍聴備忘録」http://web-saiyuki.net/kenpou/というブログですが、憲法審査会の委員でさえこの体たらくです。

*ということで、ブログ主まうみの独断で、そのブログの中の記事の一部を紹介します。

4月25日は第8章「地方自治」で議論 空席ばかりが目立つ自民党委員席
Posted by: 高田健 2013年4月25日 13:48衆議院

本日は、市民連絡会からは、19名の仲間で傍聴した。
始まる前に、委員会室に入ってきた共産党の笠井さんに、「2日は、やりそうですか?」ときいたら、「いやいや、やはり2日は開催できませんよ」という話だった。
連休中であり、また参院選も次第に迫っているので、議員たちとしてはやりたくないのがホンネだろう。
従来、自民党は、来週2日に、9章、10章、11章を一括でやりたいと言っていたが、
問題の96条を含む9章を、それでなくとも後述するように、自民党の出席率が悪いのに、より悪くなると予想される連休中に強行することは、多くの反対でできなかったのですね。

25日、衆院憲法審査会は、第8章「地方自治」のレビュー。
いつものように、冒頭に説明聴取を受けた衆院法制局の橘幸信企画調整部長は、
最初に、明治憲法では軽視された地方自治が、現行憲法では重視されたことの確認をしたことは、大事なことであった。
この意義を、後に、みんなの党の畠中光成委員、共産党の笠井亮委員も、発言冒頭で確認したのは良かった。
橘氏は、「道州制」問題を、第8章最大の論点と言って過言でない、と発言したが、私はちょっと勇み足で、まさに「過言」のような気がするがどうだろう。

この日の議論は、憲法問題の議論でいつも焦点となる、「地方自治の本旨」にかかわる論点、
道州制、条例制定権、地方財政、定住外国人の参政権、特別法の住民投票など、論ずべき点は少なくなかったが、
各党代表の一通りの意見表明の後は、全体として論議は低調で、12時終了の予定が11時頃には議論が「尽きて」、はやばやと終了した。

いつも書くことだが、自民党席の空きはひどく、開始1時間にもなると15人(委員数31名)ほどになり、75分頃には13人くらいになってしまった。
共産党の笠井委員が、
「きょうの審査会も、設定についてはいろいろ日程の調整の議論があった。
いま、ほかの委員会とダブっている状況ではない
一番開催しようと言われている自民党が、相当空席がある。
自民党の幹事の方も、お二人(自民党の幹事は6名)しか座っていらっしゃらない。

こういう状況で、毎回、この大事な憲法の問題について議論をやるというのがいいのか。
無理に日程設定するのをやめた方がいいと思う」と指摘した。
会長の保利氏と自民党の船田筆頭幹事は、顔を見合わせて、苦笑いした。
傍聴席からはブーイングも出たとか、出なかったとか。

この間、改憲派からは繰り返し語られてきたことだが、
この日も、自民党の土屋正忠委員や船田元幹事、維新の会の松浪健太委員、公明党の大口善徳委員、生活の党の畑浩治委員などが相次いで、
第8章は4条しかなく簡素すぎる」「地方自治の本旨とはわかりにくい」などなどと主張した。
しかし、こういうのを、「ためにする意見」というのではないか。
92条から95条にいたるこの章をあれこれいうが、「地方自治の本旨」とは、非常に重要な概念であって、
「住民自治と団体自治を、車の両輪とした意味」であり、その内容は従来から明確にされており、改憲の口実にはならない
共産党の笠井委員が、
規定が抽象的だから、地方自治がうまくいかないという声は地方の現場から聞いたことがない」と反論したのは全く同感だ。
地方自治と関連して、明文改憲による道州制導入を、維新の会やみんなの党が主張し、自民党や公明党は、改憲なしの道州制導入を主張したが、
これは、地方自治を充実することにはつながらず、議論が必要だ。
笠井委員だけが指摘したことだが、今回の東日本大震災と東電福島第一原発の事故の中で、合併による地方自治体の広域化と、新自由主義的な人員削減の結果、
現場で被災者救済に重大な支障がでた経験を顧みても、単純に道州制を賛美することなどはできない
はずだ。

また、定住外国人の地方参政権問題では、自民、維新、みんなの党が反対した。
この日の審査会の最後に、自民党の衛藤征志郎委員がトンデモ発言をして、危機感を煽ろうとしたので紹介しておく。

例えば、与那国島。
ここは、議員の数はたしか6人か7人で、150票ぐらいで当選と。
そして、先般私が行ったときには、自衛隊の、いわゆるレーダー移動基地をつくる問題が、微妙になっている。
国境の島で、日本国籍を持っていない者が150人でも200人でも移住して、そうしたら議会の、いわゆる賛成、反対はひっくり返っちゃう。
こういうことがちょっとあります
」などなど。
(高田健)



↓ここからは再び、じゅんこさんの発言。

第147回国会 参議院憲法調査会 第7号http://www.kenpoushinsa.sangiin.go.jp/kenpou/keika_g/147_07g.html#wrap

これは、2000年の5月2日に開会された、参議院憲法調査会(まだ審査会になる前)の議事録です。
超長文で、遅読のわたしは1時間くらいかかってしまいましたが、参考人に、マッカーサー草案を起草した、GHQ民政局のベアテ・シロタ・ゴードンさんと、リチャード・A・プール氏が出席しています。

この中で、笹野貞子議員が、
続きまして、憲法の学問的な理解度なんですが、シロタさんが憲法をつくったときに日本の社会は、大学あるいは高等学校を含めまして、このすばらしい憲法をみんな学習いたしました
ところが、昭和三十年ぐらいから、この憲法を徐々に教えなくなりました。
特に女子大では、憲法は全部選択になりました。
そして、男性の大学でも、法学部を除いて、憲法は選択制に変わっていきました。
現状ではほとんど、女子大学では、憲法を知らない学生がたくさん出てまいりました。
こんな女性の権利を保障した憲法を、今知らないで、日本の国民は改正云々を言っているということは、大変に私は不思議だと思います。
 
この、女性の大学で憲法を全部外し、選択にしたという現状、また、男性の大学でも、憲法を学ぶ機会が非常に少なくなったという、こういう現状に対しまして、シロタさんの御見解を伺いたいと思います。
 
これは、文部省の方針でやっていることですが、私は、大変危険なことだというふうに思っております
。」と語っています。

現在もいる自民党議員の名前もありますが、13年前にしっかり勉強したはずなのに、何も活かしきれていないことがよくわかります。
世耕弘成議員は、今では安倍内閣の官房副長官になっていて、電通を使ってステマを仕掛けてるチーム世耕、として有名ですね。
あとは、野党議員がどれくらい憲法を知ってるかが問題ですが、護憲の社民党は弱小政党になってしまい、審査会に委員を送れないから、しっかり理解してるのは共産党議員くらいでしょう。
生活の党も、96条改憲にははっきり反対してるから救われますが。
憲法教育をしてこなかったのは、怨念のように改憲を望んでる自民党が、長年政権を握ってきたから当然ですよね。
不勉強な国会議員も、その術中にしっかり嵌ってしまってますね。