ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

ホィットニー・ヒューストン→ムール貝→『までいの力』→日本古来のしらべ

2012年02月18日 | 日本とわたし
ホィットニー・ヒューストンのお葬式が行われていた。
はじめ、金曜日の午後に、隣の市の大型スポーツコンプレックスの大ホールで、彼女を悼むセレモニーが行われることになっていた。
ところが、遺族の意向で、それが中止になり、今日の土曜日に、近しい人達のみが参列を許される式が、彼女の故郷の教会で執り行われていた。
特にファンということでもなかったけれど、『ボディ・ガード』の映画は好きだったし、彼女の歌も好きだった。
亡くなって初めて、えらい近所で生まれ育ったんだとわかり、急に親近感がわいた。

テレビの生中継を観ながら、画面の中の人達と一緒に泣いたりしていると、
「ちょっとちょっと、中止中止!ホィットニーで今日一日が終わるのはかなわん」と、旦那が突然テレビの前に立ちはだかった。

「はい、ここまで。これからまうみは、ボクと一緒にマンハッタンに行くから」
なんと強引ぐマイウェイな人なのだ……。

慌てて着替え、バナナを一本食べ、乾燥枇杷とおかきを持って車に乗った。
とりあえず、ラジオの中継は聞かせてくれた。
ああホィットニー、あなたはほんとに、死ぬつもりなんてなかったのだろうね。マイケルのように。
けれども、この国でスーパースターとして生きるということは、よほどの、鉄のような心の持ち主でなかったら、
周りからの干渉や賞賛が、どこの国よりケタ違いにあり過ぎて、まともな神経を保つことができない。
湯水のように入るお金も、心をスカスカのスポンジみたいにしてしまう。
だからきっと、一日一日にすり減らす寿命の量が、わたし達のそれとは比べ物にならないほど多いのかもしれない。

マンハッタンに着いても、なかなか元気が出て来ない。
まずは腹ごしらえに、好物のムール貝とフライドポテト、そしてグラスワインを分けんこ。


今日は思いっきりの曇り空。気温はそれほど低くないけれど、風が強くて、体感気温はかなり低め。


旦那がマンハッタンの会社に勤めていた時の、退屈しのぎの散歩中に、いつもこの階段に座ってわたしに電話をかけていたそうな。


タイムズ・スクエアも省エネ。で、てっきりこっちが新年のくす玉割の方かと思っていたら……、


こっちだった……。


途中で寄ったスタバで、次の行き場所を検索していたら、『Music From Japan』ってのがあるで、と旦那。
ふむふむ、どれどれ。
えっ、Iitate's Spirit of "Madei"?!
それってそれって、飯舘村の『までいの力』ってことちゃうん?!
午後7時から、村長によるレクチャーがあり、8時から、雅楽の楽器による演奏があるという。

もちろん行くことにした。
コンサートの時間つぶしに、途中にあるタイム・ワーナー・ビルディングをぶらぶら。
このビルディング内の店舗は、どれもこれも、わたし達には全く似合わないものばかりだが、その中でも特にここは、群を抜いて似合わないだろう。


隣には、いつもいっぺんは来ようと思っている、ジャズ・アット・リンカーン・センター♪


4階から筒抜けに見える、地下のホール・フーズのフードコート。


ビルディングの中から見た、コロンバス・サークル。


さて、時間になった。
ホールまでは小雨が降っていた。
もしかしたら、ここだって汚染されていて、こんなふうに雨に濡れてはいけないのかもしれない、などと思いながら歩いた。

会場の『Merkin Concert Hall』は、こじんまりとした感じのいいホール。


きっとこの机に、飯館村の村長、菅野典雄村長と、彼の通訳さんが座るのだろう。


天井には、面白い反響板の付け方がしてあった。


笙や篳篥(ひちりき)、尺八や箜篌(くご)が、この会場にどんな音を響かせてくれるのか、楽しみ!
*箜篌(くご)は、こんな感じの楽器。


演奏会は、雅楽の楽器がこんな音楽も奏でることができるのか!?という発見がたくさんの、とてもすばらしいものだった。

飯舘村のことについては、別の記事にまとめることにする。
とてもじゃないが、ついでの話として書く事ができない。

米国暖かな冬のある日の風景事情

2012年02月18日 | 米国○○事情
かびかび大王のソファ。
くんくんと、臭いを嗅ぎまくってみる。
クッションの中身もくんくん。
背もたれもくんくん。
旦那の友人のお古のソファ。
少なくとも20年以上、いろんな人が座ったり居眠りしたり。

去年の夏前に、突如、かびの臭いを強烈に放ち始めた。
それまでも、フンと嗅いだような嗅がなかったような、そんな一瞬があったのだけど、
かびアレルギーの旦那とわたしは、極力なかったことにしたかったので、臭わなかったと、脳内で事実関係の変換があったのかもしれない。

高いからね、ソファは。

けれども、やっぱり、いくら思い込みたくても、黴びてるんやもんね、思いっきり。
その犯人は……、
簡易ベッドとして、ソファの下部に折り畳まれているマットレス!おぉ~クサッ!

こちらに来てから、お日様に干す、という作業をしなくなってしまった。
日本に居る時は、晴れの日には必ず、布団やマットや座布団を、せっせとベランダに出して干してたのに。
一年の大半は、乾燥しまくっている土地柄なので、ほんの短い間の長雨や、夏の熱帯夜などに、しっかり黴びていることを無視してしまう。
それが20年以上、積もり積もっての結果なのだと思う。

なので、とうとう、わたしより更に、かびに敏感な旦那が、マットレスを撤去。


ただ今の気温7℃。
ちょっと寒いけど、空気の入れ替えをしなければ、頭痛と鼻詰まりで今日の一日が終わってしまう。
いつものような冬では到底できないこと。今年の暖冬に感謝!

どうせ、部屋の中も暖かくないので、久しぶりにカメラを持って裏庭探索。

冬ですなあ~。








う~ん、どうしてくれよう、この侘び寂び、もとい、放ったらかしのミニチュア工事現場。


けれども、岩好き、石好きのわたしには、あまり気にならないというか、もしかしたら好きな方かも……。


などと写真を撮ってたら、「ひよっひよっ」とにぎやかな声が聞こえてきた。


君達はすずめか?なんでそんなにまん丸なのだ?
右から


左から


後ろから

ストレステストの1次評価は、原発の安全性の評価になっていない→再稼働とは全く関係ない!

2012年02月18日 | 日本とわたし
今日の朝一番に、こんな嬉しいニュースを読んだ。
このニュースが、ぬか喜びにならないことを祈りつつ、ざまあみやがれいさんのブログ記事を紹介します。

なんと! 安全委員会・班目が、保安院の「大飯原発3・4号」再稼働判断を却下!

ストレステストは「原発再稼働と関係ない」』ーー後藤政志氏が解説

『大飯原発3,4号機のストレステスト(1次評価)が、保安院によって押し切られる形でOKがでて、原子力安全委員会に、判断が受け渡されていました。

これに対して、ストレステストの委員会に参加している、後藤政志氏と井野氏は、抗議声明を出していました。

その後、原子力安全委員会から、ストレステストは再稼働とは関係がないとの意見が出されています。

それでは、後藤政志さんの、解説を見ていきましょう。

▼後藤政志より原子力安全委員会 班目委員長の東京新聞報道に対して



=====(文字おこし、ここから)

後藤
「はい、後藤です。
今日(2012年2月18日)、2月18日付東京新聞ですね、ここにですね、
あの、河川の放射性物質のこの、え…が、どのように蓄積しているかってことの問題もあったんですが。
その横にですね、えー、原子力安全委員会の委員長班目委員長の1次評価の、え…レベル疑問という形で、原発再稼働と関係ないと。
これは実はストレステストの話なんですね。
これ、非常に注目すべき内容なんで、ちょっとこれをご紹介いたします」

*******       ********       *******

▼東京新聞:班目委員長 1次評価のレベル疑問「原発再稼働と関係ない」:社会(TOKYO Web)

"原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は17日、定期検査で停止中の原発を、再稼働する条件とされている安全評価(ストレステスト)の一次評価について、
「再稼働とは関係ない。二次評価まで終わらなければ、安全性の判断はできない。
一次評価は、安全委が要求している(安全性の)レベルに達していない」との見解を示した。
 

安全委で、一次評価結果が妥当か否かを審査中の、関西電力大飯原発3,4号機(福井県おおい町)の再稼働問題に、影響を与えそうだ。

民主党の、原発事故収束対策プロジェクトチーム事務局長の、川内博史衆院議員との会談の中で述べた。

経済産業省原子力安全・保安院は13日、関電が提出した、大飯原発3,4号機の一次評価結果を、「妥当」とする審査書を安全委に報告。
安全委も妥当と判断すれば、政府は、福井県など地元自治体の同意を得たうえ、首相と関係閣僚の判断を経て、早期に再稼働したい意向だ。
しかし、班目委員長が、「一次評価は再稼働に関係ない」との認識を示したことで、
安全委に再稼働の可否を判断する権限はないものの、福井県が一段と、再稼働への慎重姿勢を強める可能性がある。


安全評価には、定期検査で停止中の、原発の再稼働の条件となる一次評価と、全原発対象の、二次評価がある。
一次評価は、核燃料の溶融を防ぐ対策のみ、二次評価は、核燃料が溶融する、深刻な事故の対策までを対象とする"

*******       *******       *******

後藤
「えっと…班目春樹委員長がですね、17日にあの、定期検査で停止中の原発を、再稼働する条件とされている、安全評価。
つまりストレステストの1次評価について、ということでですね。
え…カッコにして、言葉として入っているのは、
『再稼働とは関係ない、2次評価まで終わらなければ安全性の判断はできない』
それから、
『1次評価は安全委員が要求している』かっこ、『安全性のレベルに達していない』カッコ閉じ、との見解を示した、ということです。

で、これはですね、えっと非常に重要なお話で。
これ、わたくし、委員も私も、それを主張してるんですが。
1次評価というのは、ここに解説も出てるんですけれども、その……炉心が融けるまでの話なんですね。
で、それまでを、保安院が、指示を各電力会社に出した指示というのが、1次評価をとにかく先に出しなさい。
それで評価をしたあと、2次評価はあとでやると、そういう話だったんですが。

2次評価は切り離す。
それで、1次評価だけで、3号4号については、一応妥当であるという評価をした、ということなんですね。
それで、安全委員にあげたと。

しかしながら、安全委員会の委員長自身が、こういう発言(『再稼働とは関係ない、2次評価まで終わらなければ安全性の判断はできない』『1次評価は安全委員が要求している安全性のレベルに達していない』)をしてる、ということなんですね。
これは、至極まっとうな話なんですね。

実は、ストレステストの委員会の中でも、井野委員や私だけではなくて、
岡本委員、司会役をやってますね、東大の岡本委員も、最初に2次評価の重要性を指摘しているんですね、委員会の中で。
で、ほぼ、考え方としては、委員は大体、2次評価まで要るというような、それに近いニュアンスで、話しをしてきているわけです。

ところが、保安院は、1次評価だけで判断を止めてると、こういう構造なんですね。
これは一体どうしたものか、ということです。

でこれにつきましては、私は、月曜日ですね、明後日の月曜日のストレステストの委員会で、冒頭で申し上げるつもりです。
どういうことかと、いうことをですね。

で、そうしますと、そもそもですね、大飯3・4号があって、次に伊方とか、いろんな話がありますけれども。
そういう話、すっ飛んでしまいますよね。
そういう問題ではない。

つまりストレステストっていうの、一番最初から、ずっと議論しているところの、位置づけ、何を意味してるか、ということですね。
原子力安全委員会の委員長が、このストレステストの1次評価について、再稼働とは全く関係ないと。
安全性の評価になってないんだ、ということを言ってるということの意味ですね。
これはあの、非常に重要な話なんで、ちょっと、今日はお伝えしておきました。
それが1つです。

あと、前にもご紹介してるかもしれませんけれども。
クレヨンハウスというところですね、そちらから出していただいている、私が講演したときにですね、それを本にしたものがあります。
『原発を作ったから言えること』という本で。
あの、定価500円プラス税、という形なんで、比較的お求めやすい価格になってるかと思います。
と同時に、中身も、比較的分かりやすく書いてあると思いますので、もしよろしければご覧頂けるかと思います。
どうもありがとうございました」

=====(文字おこし、ここまで)

▼「原発をつくった」から言えること (わが子からはじまる クレヨンハウス・ブックレット003)



ざっくりと要約すると。

(1) そもそも、ストレステストという、1次評価を先に出してもらって、2次評価はあとで別にやる、という話だった。

(2) だが、保安院は、ストレステストという1次評価だけやって、原子力安全委員会にあげた。(話が違う)

(3) 原子力安全委員会の班目春樹委員長は、
『再稼働とは関係ない、2次評価まで終わらなければ、安全性の判断はできない』
『1次評価は、安全委員が要求している、安全性のレベルに達していない』と発言した。
つまり、1次評価だけでは、再稼働は認めない、と発言した。

(4) 今後の、ストレステストの委員会で、検討していく
よ。

ということですね。

3.11以後の報道において、原発推進側だとされている原子力安全委員会が、ここにきて、再稼働の壁として、機能しようとしているわけです。

4月の原子力規制庁発足で、原子力安全委員会は消滅するわけですが、最後の最後で、原子力委員会は、良心といいますか、最後の意地といいますか、本来の役目を全うしようとしているのでしょうか。

アタリマエのことを当たり前のようにやろうということですね。

大飯原発3,4号機の再稼働を、強引に進めようとする、原子力安全・保安院と、規制庁・原子力安全委員会、の対立構造がみえます。

これまで、保安院設立以降、存在感がほぼゼロだった安全委員会が、3.11以降、国民の厳しい目にさらされたということで、
機能が回復した、ということも言えるのではないか、とも思ったりします。

とにかく、班目春樹氏には、贖罪の意味を込めて、最後の大仕事を全うしてもらいたい。

2月20日(月)の、ストレステストの委員会の動向に、僕の関心が高まっています。

後藤さん、井野さんにも、エールを贈りたいと思います』