○ 企業を買収して、買収された企業が活性化し、赤字会社が黒字会社に蘇ったとか、リストラが成功し企業業績がV字回復した事例がいくつもあります。リストラとか言いますと早期退職とは暗いイメージもありますが、本来は事業の構造を変えることですね。
○ では、成功の秘訣はどういったものでしょうか。KFS=Key Factor for Successは何かですね。私は以下を実行したリーダシップがあり率先垂範する経営者が登場した場合に成功していると思っています。勿論改革には負の側面(自分の部門がなくなったりして不遇な残りの会社人生を送らざるを得ない人がでたり、退職したりするケースも多い)も多々ありますので、そこは表の大義名分と、裏の個別の出来るだけ暖かい配慮も必要だと思いますけれども。
① 企業文化・風土の改革(伝統の一部否定)あるいは進化
② 目標の設定
③ 選択と集中(人・物(資産)・金・技術)
④ 従業員の潜在力の発揮
○ いくつか具体例に見てみましょう。
【松下の中村改革】
・ 経営の神様・幸之助氏が築かれた伝統・風土・考え方がありました。創業者の呪縛ですね。これを一部否定して進化させたのが成功の秘訣ではなかったかと思います。具体的には以下ぐらいですね。①組織構造改革。幸之助氏の築かれた事業部制を否定しました。②国内流通改革。高度成長期に威力を発揮した既存の流通店舗(町のパパママ電気屋さん)が、大きな足枷になっていましたので、これへの対応明確化、即ちやる気のあるショップ店のみ支援でハッキリメリハリをつけました。③マーケットドリブンの製品開発・製造・販売体制の確立。テレビの世界同時販売なども行うようになりました。④雇用・賃金制度改革。今まで人員削減はタブーでしたが、早期退職を実施しました。年功序列も大きく変更したと思います。⑤グループ企業の再編。いま、最後の日本ビクターの売却を行っています。
【エルピーダの坂本社長】
・ 日立・NECのDRAM事業部門の統合によりメモリーメーカですね。業績不振の同社を、02年11月に就任した坂本社長が立て直しました。今までの企業風土を否定して新しい風土を築きました。今世界一のDRAMメーカを目指しています。従業員のやる気も10倍?アップ。目標もハッキリしています。
・ NHKのプロフェッショナル 仕事の流儀↓で紹介されましたね。
http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/070508/index.html
【日産ゴーン改革】
・ これについてはいろいろ本が出ていますね。風土を変えた、目標を作ってコミットさせた、元々従業員は優秀ですから、その潜在力をうまく引き出したと言えると思います。但し、納入メーカ、下請け等が疲弊していないか、辞めた人はどうしているのか、そういった痛みも感じないといけませんね。
【日本電産の永守社長】
・ 赤字の企業を1-2年で黒字化しています。少しカリスマ的になってきましたね。買収の流儀ですが、大体以下のようですね。買収した会社の会長になる。送り込むのは役員1人だけ。足繁く通う。個人筆頭株主になってリスクを負う。経営指導する。指導料は無償。
・ 「騙されたと思って一年は働いてくれ」と言って引っ張る。人員削減はしない。
・ 「顧客訪問は3倍」「仕入れコストは2割減」「開発スピードは2倍アップ」「会議は休日」
・ 6Sの実行=整理・整頓・清掃・清潔・作法・しつけの実行
これじゃ、企業風土も一発で変わりますよね。
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