今日の続々編日記は、映画『渚にて』(1959年製作 スタンリー・クレイマー監督 グレゴリー・ペック エヴァ・ガードナー フレッド・アステア アンソニー・パーキンス主演)のことです。
この映画で、最後まで残ったオーストラリアにも、放射能汚染が進んで人類最後の日を迎えます。その描き方が余りにも綺麗こと過ぎると、一部の映画評論家から批判されました。しかし、もう何処にも逃げる手立てや方策がなければ、人間は達観した境地に達して、静かに自分の安らかな死を受け入れるのです。
だから、スタンリー・クレイマー監督は、複数の男女カップル(グレゴリー・ペックとエヴァ・ガードナー アンソニー・パーキンスとDonna Anderson 他)や独身の初老科学者(フレッド・アステア)の最後を、粛々淡々と描いていきます。
その中で、私は有名スターでない名もない男女俳優が演じたオーストラリア海軍提督(Jone Tate)とその若き女性副官(Lola Brooks)のエピソードに深く感動しました。以下に、海軍省提督室での、その二人の最後の会話を映画から引用掲載します。
・提督『オズグッド オズグッド!』
・副官『はい』
・提督『いよいよ 来たな!上陸するか?艦に残るか?』
・副官『残ります!(じっと提督を見つめて)』
・提督『では おいぼれと一杯やるか?』
・副官『(彼女は首を振り)いいえ 提督となら喜んで!』
・提督『いつも思ってたが、どうして若い男とデートしないんだ?』
・副官『いません!制服のせいです』
・提督『目がないな 世間の男は!(二人はお互い見つめ合って、グラスを飲み干す)』
何か、これだけで歳の離れた男女の恋愛映画が一つ出来てしまうような結末です。そして、グレゴリー・ペック艦長も、深く愛するようになった女性(エヴァ・ガードナー)と別れて、「死ぬなら故郷で」との乗組員の望みで、汚染され生存者のいない母国アメリカに向けて、死への出航を行なうのです。添付した写真は、その出航したアメリカ原子力潜水艦を見送るエヴァ・ガードナーの後ろ姿です。
この映画には、放射能汚染パニックになって、人々の暴動や掠奪が起きるシーンは何も出てこないです。何故それが発生しないのか?は、それ以上に深刻で絶望的な情況だと、人々が理解したからです。さらに言えば、人間はもう諦めて救いを求め安らかな死を迎えようとするのです。
だから、パニック映画を超越したもっと根深い恐怖や核戦争に対する静かなる告発が、私の胸に迫ってきました。とても良い反戦映画の名作です。
この映画で、最後まで残ったオーストラリアにも、放射能汚染が進んで人類最後の日を迎えます。その描き方が余りにも綺麗こと過ぎると、一部の映画評論家から批判されました。しかし、もう何処にも逃げる手立てや方策がなければ、人間は達観した境地に達して、静かに自分の安らかな死を受け入れるのです。
だから、スタンリー・クレイマー監督は、複数の男女カップル(グレゴリー・ペックとエヴァ・ガードナー アンソニー・パーキンスとDonna Anderson 他)や独身の初老科学者(フレッド・アステア)の最後を、粛々淡々と描いていきます。
その中で、私は有名スターでない名もない男女俳優が演じたオーストラリア海軍提督(Jone Tate)とその若き女性副官(Lola Brooks)のエピソードに深く感動しました。以下に、海軍省提督室での、その二人の最後の会話を映画から引用掲載します。
・提督『オズグッド オズグッド!』
・副官『はい』
・提督『いよいよ 来たな!上陸するか?艦に残るか?』
・副官『残ります!(じっと提督を見つめて)』
・提督『では おいぼれと一杯やるか?』
・副官『(彼女は首を振り)いいえ 提督となら喜んで!』
・提督『いつも思ってたが、どうして若い男とデートしないんだ?』
・副官『いません!制服のせいです』
・提督『目がないな 世間の男は!(二人はお互い見つめ合って、グラスを飲み干す)』
何か、これだけで歳の離れた男女の恋愛映画が一つ出来てしまうような結末です。そして、グレゴリー・ペック艦長も、深く愛するようになった女性(エヴァ・ガードナー)と別れて、「死ぬなら故郷で」との乗組員の望みで、汚染され生存者のいない母国アメリカに向けて、死への出航を行なうのです。添付した写真は、その出航したアメリカ原子力潜水艦を見送るエヴァ・ガードナーの後ろ姿です。
この映画には、放射能汚染パニックになって、人々の暴動や掠奪が起きるシーンは何も出てこないです。何故それが発生しないのか?は、それ以上に深刻で絶望的な情況だと、人々が理解したからです。さらに言えば、人間はもう諦めて救いを求め安らかな死を迎えようとするのです。
だから、パニック映画を超越したもっと根深い恐怖や核戦争に対する静かなる告発が、私の胸に迫ってきました。とても良い反戦映画の名作です。