天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

ワイルダーのヘップバーン評:映画にドライブインウェイトレスが嫌ほどやってきた後やっと出た気品ある女性

2010-11-19 22:27:18 | 日記
今日の日記は、映画『麗しのサブリナ』(米1954年:ビリー・ワイルダー製作・監督・脚色 ハンフリー・ボガート オードリー・ヘップバーン ウィリアム・ホールデン主演)のことです。添付した写真は、映画での素敵なヘアースタイルのオードリー・ヘップバーンです。
今、私はこの映画の製作内輪話が記載された著書『オードリーの愛と真実』(イアン・ウッドワード著・坂口玲子訳1993年日本文芸社刊)を読んでいます。この著書でとても印象的で私が強く共感した記述(Ⅲ.ハリウッドのロマンス・14『ボガード氏には熱い気持ちになれました。とてもすばらしい方だと思います』)より、以下に一部引用・掲載します。
『ハンフリー・ボガードの分身”ボギー”は、人を困らせ、動転させ、かんかんに怒らせる特別な能力をもっていた。・・製作会社のパラマウントが次のオードリーの相手役に選んだのが、このボギーだった。・・これほどタイプの違う二人も珍しい。・・軽いコメディの大金持ち実業家などという役どころは、私立探偵や理想主義に殉じる男を演じていた俳優に対しては、必死で脚本を書き直しても追いつかなかった。「彼はやったこともない分野で、ひどく居心地が悪そうだった」とワイルダー監督は言う。・・「私はハンフリー・ボガートが少し怖かったわ。彼もそれを知っていました」ずっとのちにオードリーは打ちあけている。・・<ニューヨーク・タイムズ>は「オードリーの繊細で優雅な魅力は、運転手の愛らしい娘の役を、みごとに花咲かせた」と批評している。そして彼女はこの映画で再びアカデミー賞候補にあがる。しかし、オスカーは、”喝采”主演女優のちのモナコ王妃、グレース・ケリーの手に渡された。・・オードリーの一番の弱点は、まだ可愛さにたよる傾向だったが、最大の強みはなんといっても彼女の磁力だろう。・・ビリー・ワイルダーは「映画界にドライブ・インのウェイトレスがイヤというほどやってきた後で、やっと気品ある女性が出現した」とこのオードリーの磁力を表現した。』
若いオードリー・ヘップバーンが、主演作の二本目で名匠ビリー・ワイルダーと大俳優ハンフリー・ボガートと一緒に仕事をしたことは、彼女にとって真の大女優になるステップとなったと、私も思っています。なぜなら俳優にとって、良い監督や共演者との出会いが、自身の演技的力量をよりスケールアップさせるからです。
コメント
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