1010 Radio

ラジオから色んな情報が発信されるように、車いすの視点から情報や思いを発信。

TPPは日本にとって地政学上の罠になりかねない(1)

2013-07-28 | ラジオ
日本はTPP・環太平洋戦略経済連携協定の交渉に加わった。日本の政界、実業界らのエリートの間ではTPP参加から得るプラス面のほうが、マイナスを上回るとの確信が強まっている。
これに対し、ロシア人専門家らの間では疑いの声が上がっている。
日本の専門家としてよく知られるパノフ元駐日大使は、日本のTPP加盟の決定は、そう簡単に得られないだろうとの考えを示し次のように語っている。
「日本政府内は当初、アメリカからのTPP参加呼びかけに、かなり慎重な態度を示していた。日本政府はアメリカ発音(?)のパートナーシップ構想の原則は、あらゆる関税、国内市場の保護手段を撤廃するものだと理解していたからだ。
このことから最も大きな被害を受けることが予想される経済セクターは、医薬品、医療サービス、農業だが最終的には、何らかのセクターがダメージを受けることになったとしても、日本全体としてはTPP参加から得る旨味は大きいということになったようだ」
元駐日大使は、このように語っている。

こうした経済、地政学上の問題がある一方で、当初アメリカによるTPP構想は、TPP独自の規則に従うよう、中国に影響を効しうる諸国連合の形をとっていた。
パノフ氏はこうしたことは中国の意に沿うはずはないとして、さらに次のように語っている。
「中国はこれにネガティブな反応を示した。ところが昨今は、中国からは自らTPP参加の可能性を閉ざさないという声明が聞こえてくる。またアメリカもこれに反対を示していない。おそらく中国は今、TPPプロジェクト参加によるプラスとマイナスを計算しているものと思われる」
元駐日大使は、このように語っている。

パノフ氏は、中国はASEANとの自由貿易圏の創設作業を、同時に続けているとの指摘をしている。ASEANとの自由貿易圏は参加国の国内市場を保護するメカニズムを、かなり多く有している。このため中国がTPP、そしてASEANプラス中国の両方に身を置こうとする可能性も除外できない。ただし問題は2つの機構を如何に共存させるか、またアジア諸国にとって、特に日本にとって悪夢と成り得る、米中間の抗争のヒートを如何に下げるかということだ。

ベテラン女性が言った「アメリカ発音」って何だ
TPPは日本にとって地政学上の罠になりかねない(2)へ続く

TPP 黒い条約 (集英社新書)
クリエーター情報なし
集英社

7月24日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。