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ロシアへの接近路線を取り始めた日本

2011-10-01 | ラジオ
日本はロシアとの直接接近路線を取り始めたようだ。初めて現職の政治家、それ
も外務大臣が南クリル・北方領土におけるロシアとの共同活動の可能性に言及した。
これまで日本で一般に受け入れられていた、この問題に関するアプローチは、四島における投資プロジェクトへの参加は、領土問題における日本政府の立場を台無しにするというものだった。

そのため日本は、そうした活動はロシアがこれらの島々を事実上所有しているばかりでなく、それが法的な根拠を持つことだと間接的に認めることになるとして、南クリルの共同開発に付いての、あらゆる提案を退けてきた。
これが戦後一貫した日本外務省の強固な立場だった。 
それ故、南クリルでの露日の共同開発は有り得るとした、今回の立場は大きな注目を集めている。

露日問題の専門家キスタノフ氏に意見を聞いてみた。
「ここ最近、日本がこれまでの固い立場から離れる用意があるとの兆候が見られていた。
最初に、そうした慎重な一歩が示されたのは、今年2月の当時の前原外務大臣のモスクワ訪問の時だった。
現在、前原氏は与党民主党の政調会長という要職にある。この機関は対外政策を含め、新政権が戦略を作成する際に非常に大きな影響力を持っている。
もし玄葉外相の発言が言葉の上ではなく実際のものとなれば、それは本当の意味で突破口を開くものであり、ソ連邦崩壊後の露日関係における最も重要な肯定的前進と評価されるだろう」
キスタノフ氏は、このようにコメントしている。

野田新政権で外相に就任した玄葉氏は、日本の高学年用歴史および地理の教科書にある、北方領土はロシアにより不法に占領されている、という記述の適否をめぐり、現実的に対処した政治家でもある。
その玄葉氏が新政権の外相として、ロシアとの具体的な協力プラン作成の意向を持っていることは重要なことだ。
玄葉外相は外交辞令もあるとは思うが、実務上のパートナーとしてのロシアの魅力を指摘し現在ロシアは、経済成長と進歩を遂げ、自分の力に自信を持っていると指摘している。

日本はロシアとの協力へ大きな注意を払い、両国関係改善の新しいバリエーションを模索する方向へと進みつつあるが、これは、それを促す多くの要因があるからに他ならない。
悲劇的な大震災の後、発生した福島原発事故により、日本は追加的補完的なエネルギー源を必要としている。
先ず第一に石油やガスなどの化石燃料だ。また日本政府はエネルギーバランスに占める、原子力の割合を減らす方針を打ち出した。

ここで再びキスタノフ氏の見解を紹介したいと思う。
「今年6月、極東管区のロシア大統領全権代表は日本に対し、領有問題で意見が分かれる南クリル大陸棚での石油ガス開発を提案した。
北海道の目と鼻の先にある南クリルの大陸棚には、およそ6億5千万トンもの資源が眠っている。そこが実際に開発されれば輸送費が安く済み、このことは日本にとって大変魅力的だ。
現在、日本は中東諸国からの輸入に大きく依存している。中東はご存知の通り今複雑な状況で、問題は遥々日本に運ぶ途中、タンカーが海賊に襲われるという事ばかりではない。
今や南シナ海および東シナ海で増大する、中国の海軍力という脅威も存在している。南シナ海や東シナ海は、まさに石油やガスを中東から運ぶ際の通り道なのだ。
言うまでもなく、そうした状況が日本に新たなアプローチを促したのだと思う」
キスタノフ氏は、このようにコメントしている。

日本国内では様々な意見が出されるだろうが、こうした傾向は大変前向きで、かつ創造的であり未来志向的だ。
袋小路に陥ってしまっている、露日間の領土問題解決に向け突破口を開くための、重要なチャンスと成り得るのではないだろうか。

9月29日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル


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