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日本、モンゴルの第三の隣人に

2013-04-04 | ラジオ
日曜日に終了した安倍晋三首相のウランバートル訪問は、中国をめぐる状況や関係における、新たな時代の幕開けを告げるものとなるかもしれない。
首相のウランバートル訪問を発案したのは、安倍氏の首相第一期において官房長官を務めた塩崎恭久氏であるという。塩崎氏は現在、自民党の所属の衆 議院議員を務めている。塩崎氏は中国とロシアの間に位置するモンゴルの戦略的重要性を強調した。訪問少し前の3月半ば、塩崎氏はウランバートルを 訪ねて、モンゴル政府への首相親書を届けた。
ノロブ・アルタンホヤグ首相との首脳会談の後に行われた記者会見で、安倍首相は自由、民主主義、法の支配、基本的人権など、共通の価値観を持って いる国々との関係を発展させていくことは、日本にとって重要であると強調した。
専門家の一部は、これは中国を念頭に置いた発言ではないかと見なしている。すなわち中国には、そうした共通の価値観がない、と仄めかしがあるので はないかということだ。

安部首相はさらに、日本とモンゴルの関係が将来的に発展していくことが、日本、モンゴル、アメリカの三ヶ国フォーマットの協力関係の、重要な一部 となるということへ期待感を示した。
このことがまたひとつ、中国外務省に近い情報筋に、安倍氏による今回のモンゴル訪問は、反中国というコンテクストに位置づけられるものなのではな いかと見なす根拠を与えた。

モスクワ国際関係大学・国際関係研究所のイワノフ専門家によると、今、日本とモンゴルの関係が新たなレベルへと引き上げられるための好適な環境が 整っている。
「モンゴルでは、中国はモンゴルの天然資源からあまりに多くの利益を受けている、という確信、疑念が形成されている。
しかも中国の活動およぴ、その他の外資系資源採掘企業が、モンゴルの自然環境に深刻なダメージを与えている。安倍首相は、モンゴルに自然環境浄化 のための技術を輸出することを約束した。その代わりに日本は世界最大の石炭産地でのひとつでの採掘権を獲得した。さらに日本は、モンゴルにおいて レアメタルその他の鉱物資源を採掘する意図も持っている」
専門家のコメントを紹介した。

日本の技術とモンゴルの資源を交換することによって、東京とウランバートルが緊密なパートナーとなり、モンゴルにおける中国の影響が低下するかも 知れない。
一部の中国専門家は、こうした展望を真剣に受け止めている。中国人民大学のシー・イフン教授によると、安倍氏のモンゴル訪問は、アジア諸国との関 係を蔑ろにしがちな中国外交の弱点を突いたと見ている。
ですが安倍氏のモンゴル訪問が、アンチ中国という内幕を露見させないよう、巧妙な計らいがなされた。安部首相の総括会見では、モンゴルとの関係発 展が第三国にダメージを与えるということはない、という強調がなされた。
それでも今回の訪問は目覚ましの役を果たす。中国を眠りから覚ます目覚ましだ。おそらくアジアの覇者となった夢が覚まされたに違いない。

この新人アナウンサーは、何年経ったらアナウンサーらしくなるんだろう

中国外交の世界戦略―日・米・アジアとの攻防30年―
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4月2日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル