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朝鮮半島情勢で中国に圧力をかけるアメリカ

2010-11-28 | ラジオ
アメリカの原子力空母ジョージ・ワシントンが、配備されている横須賀港を出港したことを受けて、北朝鮮は自国の主権が侵害された場合、韓国を壊滅させる用意があるとの声明を表した。
4隻の艦隊に伴われジョージ・ワシントンが横須賀港を出港したことは、日本にも強い衝動を呼び起こした。
日本は北朝鮮が対抗措置を講じてくるのを恐れ、27日から12月1日まで、閣僚全員が東京に残り、緊急事態の発生時に官房長官の指示から1時間以内に、所管省庁に登庁できるような体制をとるよう指示した。

もちろんアメリカのこうした措置に対しては韓国も大きな懸念を表し、23日に北朝鮮からの砲撃が行われた延坪島から、韓国市民を避難させるとの決定を下している。28
日からまさにこの地域で軍事演習がスタートする。
23日この島から11キロ離れた北朝鮮の海岸から、集中的な砲撃が行われた。
この際、韓国軍の対応が遅れたとして、キム・テヨン国防相が辞意を表明、新たな大臣にはイ・ヒウォン大統領安全特別補佐官が選ばれた。
一方、韓国は北朝鮮の海岸砲基地を殲滅することはできなかったと告白している。

北朝鮮はアメリカと韓国が繰り返し実施している軍事演習を、非常識な挑発行為と指摘、攻撃には攻撃で、戦争には戦争で対抗すると表明している。非常事態が発生した場合、アメリカが同盟国の韓国や日本を見捨てることはないだろう。
しかしこうした危機的状況において、ジョージ・ワシントンを出港させたことで、地域には危険と脅威が生まれることとなった。

今年7月、アメリカは中国の沿岸に近いことから、黄海での軍事演習を中止した。今ジョージ・ワシントンは北朝鮮以外にも、国防総省の力を見せつけている。
イスラム諸国や中国へも正面からゲームを挑んでいる。南北朝鮮の事件の直後からアメリカは中国に対し、北朝鮮への影響力を高めるよう、中国への圧力を強めた。中国はアメリカや日本、ドイツからの、この事件における第三国の立場を取るようにとの要請に、非常に冷静に対応している。
その理由の一つに付いてモスクワ国立大学・国際朝鮮研究センター所長は次のように話している。
「北朝鮮は独立しようと常に努力してきた。北朝鮮と韓国は他国の干渉で成立することとなった訳で、この二ヶ国は対となる存在だ。どこかの大国への依存は、双方にとって非常に重要な問題だ。ソ連時代、南北朝鮮は中国とロシアの問題の間でバランスを保とうとし、ある程度独立した措置をとって、ある種の配当まで手にしたのだ」
所長はこのように述べている。

中国は北朝鮮に最も大きな影響力を持っているが、これを誇示したいとは思っていない。北朝鮮の主権に疑いの余地が出てくるかも知れない。同時に中国は、さまざまな事件の結果、突然朝鮮半島が統一され、韓国とアメリカの勢力下に入るなどということが起こらないよう最大限の努力をしている。
複数の通信社が26日付で、中国の匿名の官僚の発言を引用し、北朝鮮はわれわれの東ドイツだ。東ドイツが消滅したときに何が起こったか?ソ連が崩壊した、と伝えている。

日米同盟vs.中国・北朝鮮 (文春新書)

リチャード・L・アーミテージ;ジョセフ・S・ナイJr;春原 剛

文藝春秋

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11月26日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル