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北朝鮮による熱核融合成功の声明に付いて

2010-05-16 | ラジオ
北朝鮮の『労働新聞』は12日、同国の科学者が水素爆弾などの開発に繋がる、熱核融合に成功したと報じた。
ロシアの専門家の多くは事実無根と見ている。
今回の報道は初代指導者・金日正の生誕記念日である15日の太陽節に合わせて発表されたことも、世界中で多くの懐疑論を呼んだ。
アメリカ側はほぼ無視の姿勢だ。

一方ロシア科学アカデミー東洋学研究所のボロントフ氏は北朝鮮に核融合、熱核融合の能力が無いとはなから否定してはならないと語っている。
「かつて北朝鮮が核兵器の製造を発表した際も、世界中で懐疑論が飛び回った。
アメリカもまたロシアの専門家も、北には充分な経済力、産業力がないと見ていた。
しかし北朝鮮は実際に製造に成功し、二度も地下核実験を行っている。
だから熱核融合など到底不可能だというのは無責任だ。
一方でこの熱核融合炉は単なる実験炉なのかもしれないし、さらに言えばもっと理論的な開発段階にあるのかも知れない。
北朝鮮が実用段階まで進めたというのは、かなり疑わしい話だ。
ただ実現に向けて進み得るということ、そして中間的な成功を収めたということは在り得る」

一方、世界経済国際関係研究所・現代朝鮮研究センターの、調査プログラム長も同様の考えだ。
「熱核融合というもの自体、産業レベルでは世界のどこの国でも現在に至るまで成功していない。
恐らく北朝鮮は研究を進めており、何らかの希望を抱かせるような成果が出たと言うことだろう。
北朝鮮は声明によって対話の掛け金を吊り上げた。これはつまり6ヵ国協議に限らない話だ。
北朝鮮は核技術を改善し続けているということをアピールしたかったのだろう。
指導部は対立する勢力が核問題をめぐる交渉で、今回の声明によっておとなしくなると狙っているのだ」

最も北朝鮮の声明によってIAEAや、国際社会は警戒を強めることだろう。
ただ極東研究所の副所長は、声明を過大視してはならないとも指摘している。
「核開発関連でこれまで技術的声明と言うのは、一度ならず出てきていた。
皆が(???)している。
一方で地下核実験やミサイルロケットの発射、NPTからの脱退と言った(???)的な措置は、核不拡散体制への深刻な挑戦となるのだ」

最もIAEAや各国の核専門家は、声明を非常に注意深く検討している。
ただ少なくとも今のところは、必要以上に不安を抱く理由は無さそうだ。

(???)は男性アナウンサーの不明瞭な言葉で聴き取れず

5月13日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル