田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

いまさら聞けないスマートフォンのこと

2016-10-21 23:58:58 | 講演・講義・フォーラム等
 羊頭狗肉といおうか、はたまた上げ底包装といおうか、…。タイトルのような講座が開講されたので期待をもって受講した。ところが私の期待は空しく裏切られた。講座を受講できることに基本的にはどの講座にも感謝している私だが、今回のような場合には愚痴の一つ言ってみたくなる。 

               

 10月19日(水)午後、北海道立消費者センターにおいて10月期の「くらしの講座」が開催された。テーマはタイトルどおり「いまさら聞けないスマートフォンのこと ~契約から最新のスマホ事情まで~」と題して、北海道総合通信局の電気通信事業課長(氏名は伏せます)さんが講師だった。

 私は仲間内の中ではスマートフォンを割合使いこなしているとみられているようだ。しかし、それはいち早くスマートフォンを入手したというだけで、自己流に使っているだけだった。
 そこで、私の知らない使い方、より快適な使い方、あるいは経済的な契約の仕方、などなど、〝いまさら聞けない″スマートフォンのことが聞けるのでは、と期待をもって受講したのだった。

 講座は「電気通信事業法」が施行され、電気事業に民間が参入できることになり、競争原理が導入されたということから始まり、携帯電話の歴史や、普及に伴い消費者保護の考え方が強まってきたなどということが延々と述べられた。
 さらには「MNO」と「MVNO」という初めて聞く言葉が講座のキーワードになると話された。ちなみにMNOとは「移動体通信事業者」、MVNOとは「仮想移動体通信事業者」のことだという。
 なぜキーワードになるかというと、MVNOの登場が格安スマートフォンの登場を可能にしたということらしい。

 このあたりまでは一生懸命にお話に耳を傾けていたのだが、どうも内容が通信事業の許認可省である総務省のお役人が、通信事業者に対して法律の内容や留意点を話しているように聞こえてきた。
 そう思い始めた途端、私は一生懸命に聞こうという気力が失せてしまった。

 そう思ったのは、私一人ではなかったようだ。
 質疑応答の時間になった時、一人の方が「私はそういうことを聞きたかったのではない」と発したことから、次々と不満の声が上がった。
 その場は司会の方がなんとかとりなしたのだが、同じ思いの人は多かったようだ。

 このことは講師だけに責を求めることではないように思う。
 講座を企画した側が、その趣旨をどれだけ講師の側に伝えていたか。また、講師は講座の趣旨をどれだけ理解して講座に臨んだか。また講座名はどちらが考えたのか、等々…。
 講座を受講する側は講座名だけを頼りに、その講座内容を想像し、期待して受講するのだから…。
 講座を企画した側と、実際に講義をする側が十分に打ち合わせ、こうした事態を招かないようにすることが求められると思う。

 こうしたことばかりレポするのは、とても残念であり、つらい思いである。
 と言いながら、明日は我が身である。来る11月1日に私が企画を担当する講演会が控えている。二人の方に講師をお願いしている。
 講師の方には、講演題を決定する際に、こちら側の意向を伝え、それに沿うような形で講演題を決めていただいた。さらには、講演の概要を事前に伝えていただくこともお願いした。(あっ、普通はこのようなことをお願いすることは講師に対して失礼になる場合もあるのだが、今回はある特別な事情がありお願いしたことである)
 企画した側としては、講師の方が趣旨を理解していただき、期待しているような内容のお話になることを祈るばかりである。

 〝人のふり見て、我がふり直せ″…。そんなことを感じた今回の講座だったが、「誰かにスマートフォンのことを聴きたいなぁ」という思いは残ったままである…。
 

札幌麺紀行 116 永坂更科 布屋太兵衛 大丸札幌店

2016-10-20 21:48:31 | 札幌麺紀行 & グルメ紀行
 大丸札幌店に出店している創業210余年という伝統を謳う蕎麦店をランチで訪れた。一番挽き粉使用の「御前そば」はそうめんと見紛うばかりの白さだった。また、甘口と辛の二種の蕎麦つゆを用意するところにもこだわりを見て取れた。 

 都心で買い物があり、それを終えて久しぶりに妻とランチとなった。
 こうした場合、我が家では妻のリードで店は決定される。今回は「蕎麦を」ということになり、大丸札幌店に入店している「永坂更科 布屋太兵衛」に案内された。

               

 昼どきで混んではいたが、幸い待たずに入店することができた。
 店内は特に凝った様子でもなく、ちょっとおしゃれな蕎麦店といった感じだった。
 オーダーは二人とも蕎麦と天丼がセットとなったもので、妻は「蘭」(1,749円)、私は「蟹足天丼 合盛り膳」(1,825円)をオーダーした。

               

 「蘭」は、御前そば、蟹足天丼(蟹足、イカ、シシトウ)、お新香、小鉢、わらび餅というセットだった。
 「蟹足天丼 合盛り膳」は、合盛り(御前そば、太平衛そば)、蟹足天丼、お新香という内容だった。

               

 セットが届く前にスタッフが、「甘口と辛口のつゆです。好みにブレンドしてお召し上がりを」と置いていった。二種の蕎麦つゆが出されたのは、私には初めての経験である。
 「蘭」が運ばれてきた。御前そばの白さにはちょっと驚いた。そうめんのような白さなのだ。これまでも更科そばの白いのは目にしていたが、一層白さが際立つ感じだった。

               

 「蟹足天丼 合盛り膳」の方は、その御前そばと太平衛そばの合盛りだったが、太平衛そばは、生粉打ちそばといい色が付いたそばだった。
 どちらのそばも上品な味だったが、やはりここの売りは「御前そば」のようだ。
 二種のたれの方だが、私にはどちらもやや甘さが勝っているように思えたが、日常で市販のたれに私の舌が慣れすぎてしまっているせいのようだった。

               

 天丼の方は、蟹足が甘くて、たれも美味しかった。
 時にはこうした本格的な蕎麦店でしっかりした味を堪能しなくては、と思った。
 
【永坂更科 布屋太兵衛 札幌大丸店 データー】
札幌市中央区北5条西4丁目7 大丸札幌店8F
電  話   011-828-1250
営業時間   11:00〜22:00
定休日    不定休(大丸に準ずる)
座  席   76席(こども用イス3台)、小上がり有
駐車場    大丸札幌店の駐車場有
入店日   ‘16/10/17

保健機能食品って何?

2016-10-19 22:51:31 | 講演・講義・フォーラム等
 世の中の健康志向の高まりによって、TVではいろいろなサプリメントや健康食品と称する商品のコマーシャルが流され続けている。保健機能食品といっても、さまざまなカテゴリーがあるという。専門家の方から正しい付き合い方についてお話を伺った。 

 10月18日(火)午後、「ほっかいどう学」かでる講座の11月講座が開催された。
 今回のテーマは「保健機能食品ってなんだろう? ~健康食品との正しい付き合い方~」と題して、藤女子大学の食物栄養学科の中河原俊治教授が講師を務めた。

               

 まず、一口に「食品」というが、食品は大きく二つに分けられるという。一つは「一般食品」であり、もう一つが「保健健康食品」と称されるものである。
 「一般食品」には、我々が普段口にしている食品をはじめとして、栄養補助食品、健康補助食品、栄養調整食品といったものも含まれるという。これらは、その機能性を表示することができないという。
 対して、「保健機能食品」といわれるものは、その食品の機能表示ができるとされる食品である。

 その「保健機能食品」は、次の三つに分類されるという。「特定保健用食品」、「栄養機能食品」、「機能性表示食品」の三種類である。
 その中で「特定保健用食品」は、通称「トクホ」と称して、その摂取により当該保健の目的が期待できるとして消費者庁が認めたもので、「トクホマーク」と保健の用途の表示が許されている食品だそうである。

                   
               ※ これが「トクホマーク」です。食品の包装などに印刷されています。

 一方、「栄養機能食品」とは、栄養素の不足、食生活のバランスの乱れを補い、改善する食品のことで、いわゆるサプリメントなどがこれにあたるようだ。
 また、「機能性表示食品」とは、科学的な根拠を示せば、国の審査なしに、健康への効用を表示できる食品を指すそうだ。

 また、一般食品の中に含まれる栄養補助食品、健康補助食品、栄養調整食品、あるいは健康飲料などと称するものは、法令上の明確な定義はなく、表示や広告で健康に役立ちそうな表現をして販売している食品だということだ。

講師の中河原氏からは、これら食品の摂取の仕方などさらに詳しい説明があったが、私の中では整理しきれなかった。
 講義を聞いて、私の中ではこれら健康食品というものに過度に頼らず、バランスの良い食事を心がけることが何より大切なことではないか、と思った。
 しかし、加齢によって自らの健康で気になるところが出てきたとしても、やはり公的機関が認めたトクホ(特定保健用食品)くらいとどめるべきではないか、と思ったのだが…。

 私は今のところ、こうした健康食品は特に意識してはいない。
 トクホ許可品目は本年8月現在で1,275品目が認可されているという。
 どのような食品がそれにあたるのか、ちょっと調べてみると、よく知られたところでは「胡麻麦茶」(高血圧予防)、「キシリトールガム」(虫歯予防)、「よつ葉プレーンヨーグルト」(腸内環境改善)などが目についた。

               
               ※ 「トクホマーク」の付いた飲料の一部です。

 中河原氏は最後に意味深なことを口にした。
 食品の健康食品の機能性成分はあくまで科学的根拠が前提となるが、しかし、それを「鵜吞みにしない」ことが大切だと指摘した。
 その一言は、やはり健康食品にあまり頼るな!ということではないだろうか?と私は考えたのだが…。

圧巻! 定山渓の紅葉

2016-10-18 18:46:49 | 環境 & 自然 & 観察会
 定山渓はただ今紅葉真っ盛りだった。温泉街の木々も、遠くの山並みも…。錦秋の錦絵とは良く言ったものである。温泉街の紅葉はあるいは意図的な部分もあるかもしれないが、遠くの山並みはまさに自然が造形した巧みな錦絵という光景だった。 

 昨日ブログで、泊りがけで出かけることになったというのは、札幌の奥座敷の定山渓温泉に一泊するというものだった。
定山渓温泉についてみると、見事な紅葉が山全体を、そして街全体を覆っていた。
 「これはぜひとも紹介したい!」と思い、バカチョンカメラを片手に散策に出た。ところが昨日は生憎の雨模様、その上時間も4時近くとあって光量が絶対的に不足していた。それでも、このチャンスを逃したくないと思い、シャッターを切り続けた。
 雨ではあったが、幸運にも紅葉の中で結婚式の前撮りをしている光景に出くわし、和服のカップルを写真に収めることができた。

          

          
          ※ ピントが合っていません。前からの写真も撮ったのですが、プライバシーを尊重しました。

 そして今朝、空は見事に晴れ上がった。「これはもう一度チャレンジしなければ!」と朝食もそこそこに温泉街に出た。谷間にある定山渓温泉街には太陽の光が当たっているところと、まだ光が届いていないところがあったが、光が当たっているところを求めてあちこちと歩いてみた。
 そこここで、鮮やかな紅葉を目撃することができて大感激だった。

 それではちゃっちーカメラで、拙い腕の私が撮った60枚の中から厳選(?)した13枚の定山渓温泉街の紅葉写真集をどうぞ!!

          

          
          ※ 木漏れ日を通して黄色に色づいた葉が鮮やかで、お気に入りの一枚です。

          

          

          
          ※ 紅いカエデの葉がとても引き立ちますね。

          

          
          ※ 谷間にある定山渓温泉街では、朝のうち陽があたるところとそうでないところのコントラストが見事でした。

          

          

          
          ※ この一枚もなかなかお気に入りの一枚です。

          

          
          ※ 定山渓大橋の下から撮った一枚です。橋やホテルの壁が額のような役割をしています。

          
          ※ 私が最も気に入った一枚の写真です。

 5年前の10月下旬、私は秋の木曽路7宿を歩いたことを思い出していた。木曽路はちょうど紅葉の季節だった。
しかし、私が見たかぎりの木曽路の紅葉は、残念ながら錦秋の錦絵とはお世辞にも言えなかった。ただ、茶色に変色した山々が映るだけだった。
 それに比べると、定山渓の紅葉は木曽路よりははるかに鮮やかだった。木曽路の関係者には申し訳ないが、きっと私が訪れた年は紅葉が不作の年だったのかもしれない…。
 それにしても定山渓の紅葉は見事だった。


 

          

クライマックスシリーズ点描

2016-10-17 10:43:28 | スポーツ & スポーツ観戦
 昨日のクライマックスシリーズ最終戦は、鮮やかな逆転劇に球場内のボルテージは上がり、大谷投手の登場で最高潮に達した。その上、日本最速の165キロの目撃者になるという幸運にも恵まれ、長く語り継がれる日となった。この日の球場内を点描してみた。 

 実は今日、これから泊りがけで出かけることになった。
 懇親会付きの宿泊なので、ブログの更新もままならない。そこで苦し紛れではあるが、昨日の興奮を今一度味わうべく、未公開写真を中心に写真を羅列してみることにした。

               

                       

              ※ ちょっと暗いのですが、球場内には2016シーズンのパリーグ優勝のペナント、トロフィーが展示されていました。

               
               ※ 球場内にはこのような写真も。よ~く見てください。顔出しできる穴も作られています。

               
               ※ 試合前のフィールドノックの時、中田を中心にホークスの選手と談笑しているシーンです。

               
               ※ 試合開始前、栗山監督と工藤監督がメンバー表の交換を行うところです。

               
               ※ 遠路福岡から駆け付けたホークスファンも懸命な応援をしていました。

               
               ※ こちらはブルーのチムーカラーのファイターズの大応援団です。

 ※ 大谷選手(投手)三態です。どれをとっても絵になりますねぇ~。

               

               

               

               

 ※ 最後に我が愛する近藤健介選手が、ライトの守備に付こうとしている写真です。
               

               

日ハムの日本S進出決定戦を目撃!

2016-10-16 21:54:16 | スポーツ & スポーツ観戦
 栗山監督の策がズバズバと的中した試合だった。田中賢介に代えて杉谷拳士の起用、岡大海の代打策、そして私にはサプライズに映った大谷翔平のクローザーとしての起用、すべてが見事にはまった。唯一、加藤貴之の先発起用を除いて…。そして私は大谷投手の日本最速165Kmの豪送球を投じた現場に立ち会えた幸運に感謝したのだった。 

               

 私の行動原理は、いつも刹那的であり、衝動的であると自己理解している。今日(10月16日)の場合が典型的だった。
 私のスケジュール帖では、本日の予定は14時から札幌大学で行われる「広東外語外資大学生芸術団公演」と記されていた。私自身も今朝起きたときには、その公演を観るつもりでいた。

 ところが朝の妻との会話を重ねる中から、ちょっと違う考えが私の中で膨らんできた。「もし今日、日ハムが日本シリーズ進出を決めたら、ブログの話題は当然そのことになるだろうなぁ…」と思い始めた。
 だとしたら、「札幌でやっているその試合を観戦するべきではないのか?」と思い始めたのだ。そうなると、私の思考回路は一直線。当日券を求めて札幌ドームへ向かった私だった。

               
               ※ 本日の戦いの日ハムスターティングメンバーです。

 当日券はかろうじて3階立見席(2,000円)のみが販売されていた。私は初めから立見を覚悟していたので、迷わず購入した。
 ところが、その立見席へ行ってみると、そこも満員状態で、前列で柵に寄りかかって観戦できる状態ではなく、柵から離れたところで立ったままでの観戦を余儀なくされた。

               

               
               ※ この写真が3階立見席の様子です。

 そんな状況の中で、先発加藤が1回表にいきなり4点を献上するという最悪のスタートとなった。一つ一つの試合がシーズン中よりはるかに重要な試合で、いきなり4点の献上はあまりにも重すぎる。あまりにも不甲斐ない加藤の出来に、私はその場を離れた。そして帰宅しようか、とさえ思った。球場内には重たい空気が立ち込めていた。

 球場内の重たい空気を取り除いたのが、2回裏の中田翔のどでかい一発だった。
 そして、続く3回裏の杉谷のタイムリー。これで球場内の雰囲気は「いけるかもしれない!」という空気に一変した。
 すると4回裏、満塁の好機に好捕手・大野に代打岡を送り、これが見事に的中して2点、さらに中島はスクイズで1点をもぎ取り、4回で早くも逆転するという日ハムファンには堪えられない展開となった。
 私は2回から、3階立見席から2階外野席後方の立見席に移っていた。そこでは得点するたびに周りの人とハイタッチをする。私もそれに引き込まれ、得点ごとにハイタッチをしていたのだった。

               

 日ハムの攻撃はまだまだ手を緩めない。5回裏にも近藤の2点タイムリーが飛び出し、7対4とリードする展開に…。この間で非常に重要な役割を果たしたのが2回よりマウンドに立ったバース投手である。2回から5回まで4イニングを零封して、ホークスの勢いを削いだのが大きかった。
 さらに6回、7回は谷本、8回は宮西と、それぞれが自分の役割をきっちりと果たし、零封した。

 打線の方が6回~8回まで少し淡白となり、ダメ押し点を取れなかったのが不安ではあったが、日ハム自慢のリリーフ陣が役割をきっちり果たしてくれたのが大きかった。
 栗山監督からの信頼が厚い谷本を6回、7回に使い、「最後は誰が来るんだろう?先日失敗したマーティンではちょっと不安だなぁ…」と思っていたところ、なんと!大谷の名がコールされた。球場内は驚きと歓声で沸き返った。

               

               
               
 「あゝ、その手があったか!」と思ったが、テレビでは早くからそのことを予想していたとか…。
 それにしても大谷投手は凄かった!
 160キロ超を連発する投球内容である。一人目の松田選手に163キロ、164キロを連発すると、次打者の吉村選手の時にはついには大谷自身の日本最速を塗り替える165キロを記録し、球場内をどよめかせた。
 ソフトバンクの打者は剛速球にバットを当てるのが精いっぱい。その後の変化球にバットはむなしく空を切った。
 結局、大谷は難なく3人の打者を切って取り、見事日本シリーズ進出を決めた試合だった。

               

               


 私は野球(特にプロ野球)の試合はテレビ観戦の方が好きである。試合の流れがよく分かり、リプレイも見ることができ、選手の表情も見て取れる。
 しかし、今日のような重要な試合は、選手たちと同じ空気を感じながら、リアル感のある感動はテレビで得ることのできないものである。

               

 いつの日かまた、このような感動を味わってみたいと思う…。

拓郎節に酔う! 拓郎倶楽部コンサート

2016-10-15 19:54:06 | ステージ & エンターテイメント
 もちろん吉田拓郎本人が登場したのではない。しかし……。声質が極めて似ているのだ。さらに楽譜を多少無視するような歌い方までそっくりだ。そして、外見も拓郎を多分に意識したいで立ちだった。1時間半の拓郎節を楽しんだ。 

                    

 今日(10月15日)午後、中央区民センターで区民センターが主催する「拓郎倶楽部フォークソング・コンサート」が開催され、駆け付けた。
 客層は青春時代に吉田拓郎に出会った私と同世代の方が多く、会場は200人近くの人でほぼ満杯だった。

               

 午後2時、ステージに4人が登場した。メインボーカルにリードギター、ベースギター、カホンという組み合わせである。
 最初の曲「シンシア」を歌いだした。「似ている!」、「雰囲気がそっくりだ!」と感じた。声質も、歌い方もそっくりなのだ。まるでそこに拓郎がいるかのように…(ちょっとオーバーな表現だと自分でも苦笑していますが…)
 それから繰り出す、どの歌も十分に楽しませてくれるものだった。

               

 そのラインナップは…、
 ◇シンシア
 ◇どうしてこんなに悲しんだろう 
 ◇ビートルズが教えてくれた
 ◇今日までそして明日から ※
 ◇旅の宿 ※
 ◇リンゴ・高円寺 ※
 ◇準ちゃんが吉田拓郎に与えた偉大なる影響 ※
 ◇祭りの後
 ◇唇のかみしめて
 ◇流星
 ◇イメージの詩(うた)

アンコールで
 ◇春だったね
 ◇洛陽
以上13曲を一気に歌い切った。 ※印は、メインボーカル一人の弾き語りだった。

                              

 ところで、私はステージに登場した「拓郎倶楽部」そのものがよく分からなかった。ウェブ上を繰ってもよく分からない。
 ただ、白石区にある歌酔倶楽部「ありがとう」という店の客の中で拓郎好きが集まって「拓郎倶楽部」を結成したようなのである。そして今日ステージに登場したのはその倶楽部の選抜メンバーのように思われた。というのも、最後の「洛陽」のときにはほかのメンバーもステージに登場して、一緒に歌っていたからだ。

               
               ※ ステージの最後には「拓郎倶楽部」の他のメンバーもステージに上がった。

 今日のステージはメインボーカルの方の独壇場のようにも思えたのだが、彼の名は聞くことができなかった。彼がプロなのか、そうでないのかさえ分からなかった。
 別のメンバーがMCで、定期的に「ありがとう」の店で仲間内で楽しんでいるので、ぜひ参加してほしい、というようなことを話していたので、機会があればぜひ訪れて、拓郎節をまた聴いてみたいと思ったコンサートだった。


中国における中産階級とは?

2016-10-14 21:37:21 | 大学公開講座
 講師の周倩(シュウセイ)氏は、中国人旅行者が日本で「爆買い」しているのは、けっして中国人の中産階級ではない、と強く否定します。しかし、聞いている私からしたら単なる言葉遊びのような気がしたのだが…。 

 北大メディア・コミュニケーション研究院主催の公開講座「旅は東アジアを変えるか?」の第2講が10月13日(木)夜、開講された。
 第2講は、「中国人の海外旅行とメディア利用~中産階級の訪日観光を事例に~」と題して中国人女性で北大助教の周倩(シュウセイ)という方が担当した。

                    

 周倩氏は講義の初めに次のようなスライドを提示した。
    「爆買い」している中国人観光客 ≠ 中産階級
     中国の中産階級 ⇒ 「爆体験」している


 彼女は「中産階級」を研究対象としているという。その彼女によれば、中国の中産階級を規定するとき、収入・職業・学歴を総合的・客観的に見たとき、中国人のわずか3.2%しか中産階級に当たらないという。
 ただし、主観的に「自分自身が中産階級」と認識している中国人は38.6%だという。

               
               ※ 周氏が示した客観的中産階級と主観的中産階級の間の差を図示したものです。

 周氏に言わせると、「爆買い」をしているのは、中産階級の人より下の階級の中国人であり、真の中産階級の中国人は日本に観光に来ていろいろと体験(爆体験?)をしている、と主張するのだ。
 周氏には、日本のメディアが中国の中産階級の人たちが日本に来て「爆買い」をしているという報道が我慢ならないのでは、と私には思えた。
 
 周氏の話を聞いていた私は、中国人観光客が「爆買い」と称するような買い物をしていたということは事実であるのだから、その人たちが中産階級の人たちなのか、否かはそれほどの問題ではない、と思うのだ。
 日本のメディアが来日中国人を「中産階級」と称したのは、中国では一定の収入、納税がなければ旅券申請ができないと聞く。つまり、それらの階層の人たちは中国の中でも中程度以上の階層である、ということから「中産階級」と称したと考えられる。

               
               ※ 中国人観光客の「爆買い」を象徴するような光景の一枚です。

 私には、そうした言葉の定義より、講座のテーマである「旅は東アジアを変えるか?」という主題に対して、21世紀に入って俄かに増大した中国人の海外旅行ブームが東アジアにどのような影響があるのかについて、中国の側からの考察を聞きたかった思いである。

 札幌においても中国系と思われる旅行客が非常に目立つようになってきた。その人たちが「爆買い」しているところも何度か目撃した体験がある。
 しかし、その様相にも最近は変化がみられると報道は伝えている。そうした変化は過去の日本の海外旅行にも見られた傾向ではないだろうか?
 それは、つまり団体旅行から個人旅行への変化の流れである。

 中国人の観光客もそうした傾向が見られ始めているのかもしれない。周氏の話では、中国人の海外旅行者の数が年間1億人を突破したということだ。基礎人口の違う中国人が今後益々海外への旅行志向を高めていったとき、それは特に東アジアの国々に大きな影響を及ぼすと考えられる。
 そうしたことへの影響とか、また文化的交流が何を生み出すのか、といった点について研究者的視点からの考察を伺いたいと思ったのだが…。

市町村長リレー講座 留萌市長篇

2016-10-13 21:33:35 | 大学公開講座
 一生懸命お話しいただいた市長さんには申し訳ないのだが、どうも話が総花的になってしまった感が否めなかった。自治体の首長となると、あれもこれもと目配りが必要なのは分かるが、聞いている我々は市民ではない。留萌のマチづくりの特徴を詳しく聴きたいと思った私だったのだが…。 

                         

 今日(10月13日)午後、札幌大学の「市町村長リレー講座」の今年度第2回目の講座があった。講師は留萌市長の高橋定敏氏「留萌きらめき舞台物語」と題して、留萌のマチづくりについてお話された。

 高橋氏は留萌市長として現在3期目で、道議会議員からの転身で63歳とのことだった。
 高橋氏の印象も、前回の片岡寿都町長同様、元気はつらつといった印象だった。
 それは片岡氏の時にも触れたが、自らが主導してマチづくりを推進しているという自負と自信がそうさせていると私には思われる。

               

 その高橋氏のお話だが、大きくは二つのことについて話された。
 一つは留萌市の財政健全化を果たすまでいかなる努力をしたかという点と、もう一つは、氏によると「るもいならではの取り組み」をいかに進めているか、ということについてだった。

 留萌市の財政は、バブル他以後に税収の伸び悩みや、ごみ処理コストの激増、国の各種補助金の廃止などにより市の財政負担が増しているにも関わらず、各種の公共施設(温水プールや学校、港湾整備など)の建設を行ったことで公債費の負担が増大したという。
 さらには、市立病院会計の赤字も市の財政悪化に輪をかけたそうだ。
 そうした状況の中で市長に就任した高橋氏は大ナタを振って財政の立て直しを図ったという。
 職員の削減、市議定数の削減、市長をはじめとする特別職・管理職・職員の給与の削減、公共料金の見直し、各種公共施設の廃止、市主催事業の廃止、等々…。
 地方自治体の財政について、私はほとんど無知だが、相当の剛腕でもって財政健全化路線を突き進んだように思われる。

 職員は理解し、付いてきてくれたというが、はたして内心はどうだったのだろう? それでも職員は市財政の内状が分かるからまだ理解できる部分があるかもしれないが、公共サービスをカットされた市民感情はどうだったのだろうか?

 それでも断行できたのは、高橋氏自身の市政運営によって負債が増えたわけではなかったところに、氏が大ナタを振るえたところがあったのだろう。市の財政はまだまだ予断を許されない状況のようだが、好転してきていることが高橋氏の表情からもうかがえた。

               

 次に「るもいならではの取り組み」についてだが、私が聞きたかったのはこちらの方である。留萌のマチづくりにはどのような特徴があるのだろうか、と…。
 どうもこの部分が私には今一つ物足りなかったところである。
 氏が挙げたのは、「るもい健康の駅」の創設、「三省堂書店 留萌ブックセンター」の開設、「シーフードダイニング『留萌マルシェ』」を東京都内に開設したこと、パスタ麺の原料である小麦「ルルロッソ」の開発、等々…。
 私はお聞きしていて「総花的だなぁ…」という感をもった。
 冒頭でも触れたように、首長であればあらゆる面に目配りすることは大切である。しかし、聞いている私たちは留萌市民ではないのだ。(受講している学生も含めて)「留萌というマチはどのようなマチなのだろう?」「どんな特徴のあるマチなのか?」ということに興味があるのだ。(少なくとも私は…)
 その点でいうと、正直に吐露すると、氏の話にはそれほど興味を持てなかったなあ、というのが私の率直な感想である。

 留萌市というと、以前お聞きした地域エフエム「もえる」の取り組みはとても興味が持てた。私には地域住民が積極的なマチづくりに関与していこうとする取り組みのように映った。そのことについてもお聞きできるかな?と思ったのだが、残念ながらまったく触れていただけなかった。

 JR留萌⇔増毛間が近く廃線になるという。地域にとって明るいニュースではけっしてないが、片岡寿都町長のモットーである「ピンチはチャンス」ととらえて、留萌が文字通り「きらめき」輝くマチとなってほしいと願いたい。

製紙の主原料は古紙だったんだあ…

2016-10-12 22:11:17 | 札幌(圏)探訪
 古紙の回収システムが整備され、製紙原料として使用されていたことは知識としてあったが、今や製紙の主たる原料が木質パルプではなく、古紙から取るパルプだったとは…。目からウロコだった。(お恥ずかしい…) 

           
          ※ 工場内は写真撮影がNGだった。そこで一枚だけHPから拝借した。写真は「抄紙機」という巨大で長~い製紙機械です。         

 10月11日(火)、経済広報センターが主催する「企業と生活者懇談会」に応募したところ、幸いにも当選し参加することができた。
 今回の懇談会は、王子製紙苫小牧工場を訪れて、工場見学をするとともに、工場関係者と懇談するという内容だった。

               
               ※ 王子製紙苫小牧工場のシンボル、200mの巨大煙突です。

 今回は正午に札幌からバスで苫小牧に移動し、まずは王子製紙のレクチャールームで、王子ホールディングスと王子製紙の関係者からそれぞれ概要説明を受け、企業のPR・DVDを視聴することから始まった。

 その冒頭の説明で、王子製紙苫小牧工場で生産する紙の8割が新聞用紙であり、新聞用紙の国内シェアは3割とのことだった。
 そして、原料としては古紙が7割、木材チップ3割であるとの説明を受けた。(後からの懇談の担当者は古紙6割とも言っていたが…)
 ともかく、今や製紙の主原料が古紙となっていることを不覚ながら私は初めて知ることとなった。

 この事実に衝撃(?)を受けた私は、後からの懇談の席で関係者に伺った。「製紙の原料が木質パルプから、古紙から取るパルプへと主役が転じた時期は何時だったのか」と…。
 すると担当者から、エコ意識の高まりや、木材原料の高騰、あるいは海外の木材の買い漁り批判など複合的な要因から、1990年代に入り急速に古紙への転換が図られたという。そして1990年代末には古紙が上回ることになったと思う、との回答を得た。
 そんなに早くから古紙は製紙原料の主役に躍り出ていたとは、私の認識不足であった。

 その後、苫小牧工場の二つの製紙関連の機械(工場)を見学した。
 一つは、古紙から古紙パルプを製造する「パルパー」と呼ばれる機械に古紙が投入されるところ。
 もう一つは、木質パルプも含めて、パルプから紙を一貫生産する「抄紙機」という長さ100mを超える長いラインの機械を見学した。
 まあ、最近の工場見学はオートメーション化によって、大型の機械をただ眺めるだけということが多いが、製紙工場の場合も例外ではなかった。

              
              ※ 歴史ある苫小牧工場では、産業遺産となるような建物があちこちに散見されました。
               写真はレンガ造りの変電所で現役だそうです。ただ、耐震性に問題があるため取り壊しの運命とか…。

 工場見学の後、担当者を交えての懇談があり、私たちの質問にいろいろ答えていただいたが、私が最も印象に残ったことは、製紙業界が自然環境の維持のために大変な努力をされているということだった。
 製紙業界というと、製紙工場が集中していた静岡県富士市において、田子の浦の海がヘドロにまみれていた映像を思い出す向きが多いかもしれない。私もその一人だ。そのダメージから脱却するために、製紙業界では大変な努力をされ、今やどこからも非難を受けることなどない状態となっている、と担当者が話された。

 さらには、製紙業界が時代の変遷の中で構造的不況に苦しんでいるということをお聞きした。情報機器の発達によりペーパーレス化が進んでいること、さらに新聞、書籍などが読まれなくなり、紙の需要が大きく落ち込んでいるということだった。
 担当者の話から、そうした状況からの脱却のために培った技術を関連産業、他産業への転用を模索しているということだった。

               
               ※ レクチャールームの入り口には、王子製紙アイスホッケーチームのユニフォームなどが展示されていました。

 産業界の現状などには全く疎い私である。時代の変遷が産業の在り様を大きく変えていること、さらには大企業であっても時代の需要に合わせて業態を変えていくことが求められていること、などを生の声として伺うことができた貴重な「企業と生活者懇談会」だった。