田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

札幌市近郊スキー場巡り №2 ダイナスティスキーリゾート(北広島市)

2023-01-31 16:20:56 | スポーツ & スポーツ観戦

 札幌清田区からは15分ほどの至近距離にあるダイナスティスキーリゾートは石狩平原スキー場と同様、広々とした中級ゲレンデが広がっていた。整備も行き届き、小中学生のスキー授業のゲレンデとしては最適ではないかと思われた。

   

   ※ スキー場ではいたるところで小中学校のスキー授業が行われていました。

 私のスケジュールを睨みながら好天のスキー日和を狙っていた。すると昨日朝(30日)空はきれいに晴れ上がっていたので「これはチャンス!」と私にしては朝早く8時30分に家を出た。というのも目指すダイナスティスキーリゾートには、「シニア平日午前割」という格安のリフト券(1,200円)を販売していたからだ。

   

 ダイナスティスキーリゾートへ行くには、札幌市内から羊ケ丘通りを清田へ向かって走り、羊ケ丘通り週末点近くに建つホームセンター「カインズ」のところから右折して10分くらい走ると左手に駐車場が見えた。月曜日ではあったが駐車場には予想以上に車が駐車していて、バスもたくさん駐車していた。駐車場とゲレンデがやや離れているのはいただけないが、仕方のないことか。

 ゲレンデ前のセンターハウスに着くと、ゲレンデにはスキー授業の児童・生徒たちがいっぱいに広がっていた。私が準備をしてスキーを付けた時、すでに10時少し前だった。リフト前はスキー授業の児童・生徒たちで大混雑だった。幸い、子どもたちとは別に「一般用」の待機レーンがあったのでそれほど待たなくてもリフトに乗ることができた。

   

   ※ ピンク色のセンターハウスです。事務室と休憩室になっていて、食堂は別棟でした。

   

  ※ リフトを待つ子どもたちの長い列です。一般用は別にレーンが設けられていました。

   

   ※ 2機のペアリフトはフル稼働でした。左の斜面は第2ゲレンデです。

 私に残された時間は2時間少々だった。私はその間に全てのゲレンデを滑ることを自分に課した。斜面はペアリフトを降りた第3ゲレンデの出だしのところがやや急斜面かな?と思われるところ以外は全体が中級斜面だったので、ガンガンと滑ることに徹した。

   

   ※ 最も広々とした斜面が広がっていた第2ゲレンデです。

   

   ※ こちらは上から見た第1ゲレンデです。

   

   ※ シングルリフトの横に広がる第3ゲレンデです。

 結局、「西林間コース」は閉鎖されていたようで滑ることができなかったが、他は全て2度以上は滑ることができた。結局、数えてはいなかったが20本くらいは滑ったのではないか?ゲレンデは先述したようにスキー場用の圧雪車によってきれいに整備されていた。こうしてゲレンデをきれいに整備することが最近のトレンドのようだ。逆に言うと、圧雪車が入れないような(上ることができない)斜面こそが上級コースということなのかもしれない。

   

   ※ シングルリフトを降りたところに東林間コースへ導く案内が出ていました。

 私にとって20本は、もう満足、満足の世界である。まだ12時にはなっていなかったがスキーを外すことにした。

   

   ※ センターハウスとは別棟のレストラン(食堂)です。

 ところが私はこの日、この後予定外の行動に出たのだった。そのことについては明日リポートすることにしたい。

【ダイナスティスキーリゾート 概要】

◇〒061-1267 北広島市仁別82番地4

       札幌市内から羊ヶ丘通りを走り、通りの終末地点近くのホームセンター「カインズ」のところを右折し、道なりに進むとスキー場に行き着く。

 ◇シングルリフト 2本

  チェアリフト  1本

 ◇リフト券(シニア)  シニア平日午前割 1,200円


プロのビッグバンドを楽しむ

2023-01-30 18:48:25 | ステージ & エンターテイメント

 札幌で活動するプロミュージシャンによるフル編成のビッグバンド「札幌ジャズアンビシャス」は、その確かな音と会場を圧するような音量で会場に詰め掛けたジャズファンを魅了した。ジャズファンというにはおこがましいが、私もまたその音に魅了された。

        

 昨日(1月29日)午後、札幌コンサートホールKitara(小ホール)において「札幌ジャズアンビシャス」の第6回定期演奏会が開催され、友人の誘いもあって参加した。

 「SAPPORO JAZZ AMBITIOUS」とは、札幌を拠点に活動するプロミュージシャンが2012年に結成したフル編成ビッグバンドということだ。様々な事情があって大ホールが使用できなかったこともあり28日と29日と2日間にわたって開催されたのだが、チケットは2日間ともソールドアウトということで人気の高さをうかがわせた。

 演奏はまずグレン・ミラーのMoonlight Serenadeから始まったが、プロミュージシャンらしいクリアな確かな音を聴いてグーッと期待が高まった。コンサートを聴いた際の恒例にしたがって、プログラムを紹介すると…、

第1部 ※ 札幌ジャズアンビシャス単独のステージ

 ◇グレン・ミラー/Moonlight Serenade

 ◇デューク・エリントン/It Don’t Mean A Thing(If It Ain’t Got That Swing)

                                              〈スウィングしなけりゃ意味ないね〉

 ◇フレデリック・ロウ/I Could Have Danced All Night(踊りあかそう)

   ◇ベルト・ケンプフェルト/Strangers In The Night 

 ◇ジョージ・ガーシュイン/I Got Rhythm

 ◇ルイ・プリマ/Sing, Sing, Sing

   

第2部 ※ 若い演奏者やボーカル(後述)とのコラボレーションのステージ

 ◇ハロルド・ロボ、ニルティーニョ/Tristeza    with ボーカル

 ◇ニコラス・アンシュフォード、ヴァレリー・シンプソン

                                                     /Ain’t No Mountain High Enough    with ボーカル

 ◇ビル・チェイス/Get It On      with ユースメンバー

 ◇ボビー・ティモンズ/Moanin’      with ユースメンバー

 ◇デビット・マシューズ/Ambitious Theme   with ユースメンバー

 アンコールはジャズテイストの「見上げてごらん夜の星を」を出演者全員で演奏してコンサートを終えた。

 本コンサートの特長は、最期の「アンビシャス テーマ」を作曲したデビット・マシューズがピアノ兼音楽監督を担っていることがある。彼はグラミー賞の受賞歴があるなど本場アメリカでかつ訳されていたジャズミュージシャンであるが、2013年から札幌ジャズアンビシャスの監督をされているということだ。

 また、定期演奏会において専属で司会を務めるのが元STVラジオアナウンサーとして活躍した喜瀬浩さんというのも一つの特長だった。

 ところで第2部に登場したボーカルとユースメンバーであるが、ボーカルの方は「SAPPORO CITY JAZZ VOICES」と称して、2021年に結成された女性ボーカルグループ6人である。私は昨年の「パークジャズライブ」で彼女たちのステージを観ていた。(聴いていた?)その時と比べると「ずいぶん洗練されたなぁ」という印象を受けた。

 ユースメンバーというのは、2020~2022年の3年間のプロジェクトとして、ユース年代を育成してきたということだが、そこで育った若い世代のメンバー6人がステージに登場した。ジャズ演奏には曲間においてソロ演奏が付きものであるが、6人のメンバーはそれぞれ札幌ジャズアンビシャスの同じ楽器の奏者と共にソロを演奏したが、サックスやトランペットではプロ奏者に対して遜色がないほど(とは言ってもその差は歴然としているのだろうが…)の演奏を披露してくれた。対してトロンボーンはおそらく楽器としては難しい楽器なのだろう。素人が聴いてもその違いが明らかだったことは楽器の特性によるものだろう。

 とあれこれと感じながらも、一曲一曲を楽しませてもらった。トリオやクワルテット、クインテットなどのジャズ演奏もいいが、ビックバンドのジャズはその迫力、厚みからいっても聴き応え十分である。これからも機会があるかぎりビッグバンドを楽しみたい。


久しぶりに “落語” を楽しむ

2023-01-29 17:27:16 | ステージ & エンターテイメント

 私のレベルではアマチュア落語の方が相応しいのかもしれない。一生懸命に演ずる彼らの噺に私は素直に反応することができた。札幌落語倶楽部の「さつらく寄席」を楽しんだ。

        

 昨日(1月28日)午後、札幌エルプラザで開催された第27回「さつらく寄席」に足を運んだ。以前は札幌で活躍する桂枝光さんをはじめとするさまざまな高座に足を運んだのだが、どうも夢中にはなれなくて足が遠ざかっていた。

 そんな中、過去に一度足を運んだ「さつらく寄席」の主催者の札幌落語倶楽部から、「さつらく寄席」の開催の度に案内が送付されてくることに恐縮し、一度くらい応えなくてはと思い、今回足を運んでみることにした。

 会場はエルプラザの研修室というごく普通の会議室に高座を設けたところだった。定員は90名ということだが、ほぼ満員状態と盛況だった。

   

   ※ ほぼ満席状態だったエルプラザの会場です。

 出演者は下記のプログラム(番組)のとおりであるが、演者は分かるものの演目が表記されていないのが素人には辛い。なお、中入り後の宝玉斉こん太さんは落語ではなく「色もの」と言われる出しもので「紙切り」を披露してくれた。また、酉をとったエレキ家ニッパさんは落語ではなく講談を演じた。

   

 寄席全体では中入りを含めて2時間弱の時間だった。演者個々について評するほど落語通ではないのだが、泉屋春之輔さんはまだ若干14歳(中学2年)ということだが、堂々としたものだった。私は以前一度彼の高座を聴いているが、今回の演目「初天神」を堂々と演じきったところに彼の進歩を見た思いだった。

   

   ※ 若干14歳の泉屋春之輔さんの高座です。

 ベテランのいい味を見せてくれたのが日之出家金助さんの「猿後家」がなかなかいい味を出していると私には思えた。

   

   ※ ベテランの味を出した日之出家金助さんの高座です。

 続いて私の印象に残ったのは、「紙切り」を披露してくれた宝玉斉こん太さんだった。こん太さんはかなり修養を積んだ方とみえた。客席からお題をいただき、その場で切り上げる技はプロと遜色ない、というよりあるいはプロの方ではないかと思われた。紙切りをしている間の話芸も堂に入っていた。

   

   ※ プロとして活動しているのではと思わせてくれた宝玉斉こん太さんの紙切りです。

 と他の演者も含め、相当にレベルは高く十分に笑わせてくれ、楽しませてくれた。私は「さつらく寄席」を見直した思いだった。演者はところどころに素人ゆえの綻びも顔を出すが、一所懸命に演じてくれていることが伝わってきた。   

 頻繁に通うことはなくとも、これからは機会があれば足を運んでみようかな?と思わせてくれた「さつらく寄席」だった。                              


遺志を継ぐ~相続と遺贈について~

2023-01-28 19:40:27 | 講演・講義・フォーラム等

 遺志を継ぐとは、単に先人の財産を継ぐという意味と、先人の志を継ぐという意味がありそうだが、ここでは先人の財産を継ぐという意味でのお話を専門家から聴いた。財産と言えるほどのものを持ち合わせていない私には縁遠い話ではあったが…。

   

 1月25日(金)午前、札幌市社会福祉センターが主催する「わたしの生き方セミナー」の1月講座があり出席した。1月のテーマは「遺志を継ぐもの Part Ⅱ~今知りたい!相続と遺贈~」と題して司法書士の佐藤岳大氏が講師を務めた。

   

   ※ 講義をする司法書士の佐藤岳大氏です。

 前述したようにここでいう「遺志を継ぐ」とは、あくまで財産を継ぐという意味であることをまずお断りしておきます。

 まず、財産を継ぐ方法として、一つは生前に遺言書によって特定の相続人や第三者に遺産を贈与することを予め決めておく方法がある。もう一つは、遺言書などが作成されていない場合、相続人全員による遺産分割協議によって財産を分割して継ぐ方法がある。

 よく混乱を引き起こしたり、世間を騒がせたりするのは後者の方であることは言うまでもない。そこで問題になるのが、相続人として資格がある「法定相続人」についてである。その法定相続人とは、まず「配偶者」、そして「子ども」ということになる。そうした方がいない場合は「直径尊属」(父母、祖父母、曾祖父母、…)、以上のような方もいない場合は相続順位の第3位として「兄弟姉妹」という順になっているという。私がこの話題で目を見開かれたのは「養子」に出た子も相続人であるということは新しい知見だった。(もっともこの場合、特別養子ではない等、難しい条件があるようだが…)

 遺産分割協議がスムーズに進めばよいが、なかには協議が難航し、このことによって親、兄弟などの仲違いが生じるということもよく聞かれることである。ここで重要な役割を果たすのが佐藤氏のような行政書士の方々の存在なのだろう。

 しかし、それでも解決が付かないときは「遺産分割調停」にかけることになるという。そうなると審理期間が6カ月から1、2年程度と長期に及び、相続人たちには経済的にも精神的にも大きな負担がかかるという。

 こうした状況を作らないためには「遺言書」の作成が最も合理的な相続ということになるが、遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」の二つの方法があるというが、「自筆証書遺言」は手軽な方法であるが、いざ執行というときに問題が生起する場合もあることから、「公正証書遺言」の方が手間や費用はかかるが安全ということが言えそうである。

 さて、私は講義を受けながら「自分にはあまり関係ないなぁ」と思いながら聴いていた。というのも、前述したとおり財産と言えるほどのものを持ち合わせていないという気楽さがあるからだ。講義後の質問コーナーではたくさんの方が真剣に質問される姿が目立った。この問題に憂うる方がけっこう多いことをうかがわせてくれた。

その姿を見ながら「お主、羨ましい悩みをお持ちでるあなぁ…」と呟いていた私だった…。                  


冬の特別朗読会「和みの本棚」

2023-01-27 16:26:29 | 講演・講義・フォーラム等

 私には今俄かにブームのような様相を呈している朗読会の良さを感得できずにいる。今回もまたそうした思いを引きずりながらある朗読会に顔を出してみた。私の思いが晴れたとは言い難かったのだが…。

        

 1月24日(火)午後、札幌市民交流プラザSCARTSスタジオにおいて五十嵐和子朗読教室の冬の特別朗読会「和みの本棚」があると知り、他に特に予定がなかったこともあり参加してみることにした。

 これまで何度かこの種の朗読会に参加し、NHKのアナウンサーによる朗読の会は別にして、なぜこれほど朗読の会が開催されるのか、私には腑に落ちない思いがずーっとあった。私には単に本を読むだけじゃないの、という思いが拭いきれないのだ。そんな私が「今度はどうだろうか?」という思いで参加した。

   

   ※ 3人同時朗読(役割読み)の「深川澪通り木戸番小屋」ですが二人しかフレームに入らなかった。

 今回の朗読会のラインナップは次のとおりだった。

 ◇「深川澪通り木戸番小屋」北原亞以子 作

           朗読  大河内則子、西島まさえ、渡邊美智子

 ◇アイリッシュハープ演奏    演奏 熊井芳美

 ◇「冬の日」藤沢周平 作    朗読 五十嵐和子

 結果は私の思いを拭い去るものではなかった。ただ、朗読の際に効果的にハープ(アイリッシュハープ)の音が挿入されるところに斬新さを感じはしたが…。

   

   ※ 朗読の伴奏とソロ演奏を披露した熊井芳美さんの演奏の様子です。

 私には “本を読む” という行為が、どうしても特別の行為に思えないところがあるのだ。これまで参加した朗読会での読み手の方々は確かに素晴らしい朗読をされている。そしてそれを聴こうとする人たちもたくさん存在する。今回の朗読会もコロナ対策で入場を制限はされていたものの、おおよそ定員いっぱいの方が会場で耳を傾けていた。それはそれで需要があるのだと思わされる。しかし……、とやっぱり思ってしまうのだ。どこにそれほど魅力があるの?と…。

   

   ※ 朗読教室の主宰者の五十嵐和子さんの朗読の様子です。

 中には1,000円、2,000円と入場料を徴収している朗読会もある。その魅力を感じていないのは私だけなのかもしれない。

 もう少し追いかけてみようか?するとそこに私には感得できなかった素晴らしいものが隠れているのかもしれない。それを追いかけてみようか?


スポーツのチカラ × まちのミライ

2023-01-26 16:06:50 | 講演・講義・フォーラム等

 オリンピアンの寺田選手が、コンサドーレの三上GMが、レバンガの横田CEOが、スポーツのチカラを、そしてまちのミライを雄弁に語った。また、そこに塚本道医療大教授と秋元札幌市長も加わり、多士済々のシンポジウムとなった。

        

 1月23日(月)夜、ホテルモントーレエーデルホフ札幌において、札幌市主催の「スポーツのチカラ × まちのミライ」と題するシンポジウムが開催され参加した。

 シンポジウムは二部構成となっていて、第一部が「まちづくりとプロスポーツチームの関わり」第二部が「スポーツと子育て、スポーツと健康」というテーマでそれぞれ関係する方々がプレゼンテーションをしたり、ディスカッションを繰り広げたりした。

   

   ※ ホテル入口に表示されたイベント案内

 第一部の「まちづくりとプロスポーツチームの関わり」では、「スポーツによるまちづくり」宣言を行った道内プロスポーツチームのコンサドーレとレバンガの代表者(コンサドーレ:三上大勝GM、レバンガ:横田陽CEO)が、スポーツのチカラが持つ可能性、スポーツを通してまちづくりに貢献する決意などについて、それぞれプレゼンテーションをされた。お二人はそれぞれサッカーの魅力、バスケットの魅力を語り、チームとしての夢を語り、道民に明るい話題を提供したい、と語った。プロスポーツチームとしては地元ファンに支持され、試合会場に駆けつけてもらわねば経営そのものに直接影響する。そのためにも会社としては地元への貢献は何より大切にしなければならないだろう。しかし、プロスポーツチームとしては、「勝利」を地元ファンに届けることが何より第一であろう。チームとして何より「勝利」することに注力してほしいと思う。大企業のない北海道においては支援も少なく選手補強にも難しさが伴っていることは十分に想像できる。そうした苦境を乗り越え健闘する選手たちの姿から道民はたくさんの勇気を与えられているのだと思う。関係者は「そんなこと百も承知だ」と言われるかもしれない。それでも言いたい。「プロスポーツにおいては勝利を届けることが何よりの地域貢献であり、まちのミライに寄与することだ」と…。

   

   ※ 三上 GM(左)と秋元札幌市長(中央)と横田 CEO(右)です。

 第二部の「スポーツと子育て、スポーツと健康」では、東京オリンピックの女子100mハードルにおいて準決勝進出を果たした寺田明日香選手と、過去にスキー選手として活躍され、現在は北海道医療大学で感染症などの研究に取り組む塚本容子教授、さらに秋元札幌市長も加わって、上記二つの話題でのディスカッションを行った。

 寺田選手についてはご存じの方も多いと思うが、若い頃には日本選手権に3連勝するなど第一線で活躍していたが故障などに悩まされ若くして引退したという過去がある。その後大学進学・出産を経て5年後に復帰し、オリンピック出場を果たしたママさん選手である。彼女が長女を伴って大会出場することが明るい話題として度々新聞などで報道されたことを記憶している。彼女はそうした選手生活を、多くの方々のサポートを受けながらスポーツ選手として活動できたことに感謝の言葉を述べていた。また、長女のことについては、彼女と行動を共にすることによっていろいろな人、コトに触れる機会が多くなり、成長できていることを実感していると語った。

 また塚田教授は、子どもはメンタルの不調が体の不調として現れると指摘し、子どもの免疫を上げるためにも運動が必要と強調された。さらに、市民が適度な運動を習慣化することによって体調を維持することは医療費の削減にも繋がり、ひいてはそれがまちづくりの一つにもなると指摘した。

   

   ※ 語り合う寺田選手(左)と塚田教授(右)です。

 秋元市長は二人のお話を引き取って、市長らしく「市民がスポーツに親しむ機会を増やせるような取り組みを進めたい」と結んだ。

 と全体的にはスポーツには関心がある私にとっては楽しいひと時だったが、シンポジウム全体の時間が1時間30分と短い時間の中にたくさんの要素を詰めすぎたかな?ということも正直な感想だった。

   

   ※ シンポジウム参加者に配布されたスポーツタオルです。


我々人類の祖先は “宇宙人” である!?

2023-01-25 17:50:38 | 講演・講義・フォーラム等

 関心のある方々にとっては、あるいは常識なのかもしれないが、私のような凡人にとってはなんとも不思議な言説を聞いた思いだった。“宇宙人”と聞くと、UFOに乗ってやってくるなんとも不思議な生物というイメージしか思い浮かばないのだが…。

        

 少し話は古くなるが、1月21日(土)午後、札幌市中央図書館において、中央図書館講座「第56サイエンス・フォーラム」が開催され、参加した。今回のテーマは「われわれのルーツを宇宙に探る」と題して、北大低温研究所の大場康弘准教授が講師を務めた。

   

   ※ 講義をする大場准教授です。気鋭の若手研究者という印象です。               

 大場氏は私のような門外漢にはまったく存じない方であるが、その道においては先駆的な研究に取り組まれている高名な方のようである。

 大場氏はまず「我々は宇宙人だ!」と高らかに(?)に宣言した。その心は、地球外生命のうち知性を持つものの総称として “宇宙人” と呼称されているが、地球も宇宙に存在する星の一つと考えれば、地球人も宇宙人の括りに入るという意味のようだ。

   

   ※ 「宇宙人」と聞いて私たちがイメージするものを大場准教授が示してくれました。

 ここで大場氏はフランスの画家、ポール・ゴーギャンの最も有名な作品の一つである「我々はどこから来たのか 我々は何者なのか 我々はどこへ行くのか」という作品を私たちに紹介した。大場氏がこの唐突とも思えるゴーギャンの絵の紹介は、科学者は芸術家のこうした根源的な問いに答える責務があるという、科学者の自負のようなものを示したのだと私は受け止めた。

   

   ※ ポール・ゴーギャンの「我々はどこから来たの~~」題する画です。

 さて本題であるが、大場氏は地球誕生から、地球の歴史と生命の誕生について私たちに説明してくれた。地球の誕生はおよそ46億年前とされているが、誕生直後は「マグマオーシャン仮説」という仮説があり、地球上がマグマに覆われていて、生命が生まれる材料はなかったと推測されているという。そして地球誕生後数億年後には地球の表層が冷却して海が誕生したが、その頃にも生命の起源はつくり出せなかったという説が先駆者たちの実験から通説になっているという。

 生命の誕生の痕跡があるとの説が有力であるのが41~38億年前に地球外から地球に向かって宇宙塵(小惑星のかけら)が降り注いだとされる「後期重爆撃期」に生命誕生の起源があるのではないかというのが科学者の中で一つの仮説となっているという。それは降り注いだ宇宙塵の中にアミノ酸を含む有機物が含まれていたという説である。

   

   ※ ヒトの体を構成する要素を説明する図です。

 大場氏はその有機物を検出することに世界で初めて成功した研究者だということだが、それがどれだけのインパクトを伴ったものなのかについて、種々説明されたが私の理解力はまったく及ばなかった。

 ただ、大場氏の業績は1990年代から科学者たちによって提唱されていた仮説に一種の証明がなされたという点において大きなことだといえるようだ。大場氏は「はやぶさ2」が小惑星から持ち帰った隕石の有機物分析チームの一員にも所属しているという。近年宇宙への関心が一段と高まっているが、それに伴って地球生命の誕生の謎の解明も一段と進むことなのだと思われる。しかし、科学のお話は門外漢にとっては難しいなぁ…。


「めだかの学校」新年も順調にスタート!

2023-01-24 18:41:00 | 講演・講義・フォーラム等

 私が所属する生涯学習グループ「めだかの学校」の学習活動が今年も16日、23日と順調にスタートした。小さなグループではあるが、今年も楽しく、意味のある学習活動を続けていきたいと思っている。

        

 時おり拙ブログでも取り上げている「めだかの学校」のことであるが、会員数が僅か18名という小さなグループである。時には外部の方々にも呼び掛けて大人数で学習する場合もあるが、現在はコロナ禍とあって基本的には会員に限定した学びを続けている。その「めだかの学校」の代表の座に不肖私が3年前からその任に就かせてもらっている。

 その「めだかの学校」の本年の学習を、1月16日(月)、1月23日(月)と2週続けて実施した。

 学習の内容は1月16日が、SDGs学習会」④と題して、札幌市の出前講座を活用して「家庭ごみの分け方・出し方・暮らし方」と題して札幌市環境局環境事業部の職員の方からレクチャーを受けた。いろいろと学ぶことの多い講座だったが、特に市の当局としては資源ごみの回収、そしてそれらのゴミの再資源化への取組みを詳しく知ることができた。我々市民としては資源ごみの再資源化のために協力することの大切さを知る機会となった。

   

   ※ 札幌市環境局環境事業部の職員の方から家庭ごみの処理について講義を受けました。

 また1月23日は、DVDフォーラム「北海道遺産を映像で訪ねる」③の学習を実施した。今回は◇旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁、◇摩周湖、◇北海道ラーメン、◇小樽港と防波堤、◇北大第二農場、◇姥神大神渡御祭と江差追分、◇北海道の馬文化、◇屯田兵村と兵屋、◇アイヌ口承文芸、◇ジンギスカン、◇サケの文化、以上11件の北海道遺産を取り上げた。

   

   ※ 会員が北海道遺産に関するスピーチに耳を傾けています。

 私たち「めだかの学校」の学びのスタイルは、ただ聴くだけ、観るだけに終わらせないところに大きな特徴がある。「SDGs学習会」にしても、 DVDフォーラムにしても、お聴きした後、視聴した後に、必ず感想や意見を互いに述べあい交流し合うところにある。DVDフォーラムの方はさらに視聴前に会員の方が北海道遺産について短いスピーチも実施している。新しく入会した人は戸惑いもあるようだが、やがてこの方式に慣れて交流し合うことに意義を見出してくれていると確信している。この後、3月いっぱいは月の第2月曜日と第4月曜日に現在のテーマで学びを続けることにしている。

   

   ※ 北海道遺産の映像を視聴する「めだかの学校」の会員の皆さんです。

 4月からはまた新しいテーマで学習を続けていくことになるのだが、そのテーマ設定については昨年10月以来、会員の中から選ばれた運営委員によって会員の希望を汲み上げながら、精力的に検討・協議を続けてきて、このほど全体像がようやく固まった段階である。まだ内部手続き等があるので公表できないが、いずれその内容についても拙ブログで公表できたらと思っている。

 自ら学習計画を立て、自分たちで運営し、そしてお互いに学び合うという「めだかの学校」方式の学びのスタイルに私は大きな魅力を感じている。会員の方々と協力し合って、「めだかの学校」で学び続けていきたいと思っている。


北海道の結婚披露宴の特徴

2023-01-23 17:32:51 | 講演・講義・フォーラム等

 北海道の結婚披露宴というと一般的に「会費制」で行われることが大きな特徴だと言われている。他地域では見られないこのようなしきたりが、どのような経緯で定着したのか?北海道の風俗を研究している専門家からお話を聞いた。

         

 1月20日(金)夜、歴史的建造物(国指定重要文化財)である「札幌市豊平館」において豊平館講座が開催され、参加した。この日のテーマ、講師は「北海道の結婚式」と題して北海道博物館の尾曲香織学芸員が講師を務めた。

   

   ※ まさに歴史的建造物の室内においての講座でした。

   

   ※ 講師を務めた北海道博物館の尾曲香織学芸員です。

 尾曲氏は北海道の出身ではないが(茨城県?)、北海道の風俗、特に結婚式や葬式など人生儀礼について調査・研究を進めているという。

 講座においては 婚姻と結婚の違いなどの前提についてもお話があったが、ここではそれらは省略し、結婚する両者が社会的に承認を得る場としての「披露宴」の在り方について、本州と北海道の違いについて話された点に絞ってレポしたい。

   

   ※ 昔の婚家においての結婚式(披露宴)の様子です。両端は仲人夫妻です。

 本州も北海道も明治時代以降、結婚が社会的に承認を得る場として費用をたくさんかけて多くの人を招いて行われる場合が多かったようだ。そのため昭和に入ってから、農山漁民に対する「生活改善普及事業」(昭和23年)とか、全国泯国民を対象とした「新生活運動」(昭和30年)などが声高に叫ばれるようになったという。そうしたことの影響もあり、かつては婚家において何日も披露宴を行っていたものが、公民館などの公的施設を会場として使用するようになった。しかし、本州各地においてはあくまで両家が招待する形は変わらなかった。

   

   ※ 男たちは酒肴で接待され…

 一方、北海道でも生活改善の動きは各地にみられたが、尾曲氏は陸別町の事例を報告されたが、陸別町においては昭和35年頃から会費制が普及し始めたという。その形は、①婿が嫁を家まで迎えに行く。②神社か、公民館の小別屋で結婚式。③神主が公民館まで来たり、仲人が説明をしながら三々九度を行ったりした。④そこから場所を変えて、会費制で披露宴を行った。というような形だったようだ。

 さらに会費制結婚式は徐々に定着し、昭和45年頃の陸別町では次のような「祝賀会の  心得について」という文書が出回ったという。その内容は、「発起人会」が組織され、発起人会では次のようなことを協議し、披露宴を主導してそうだ。①開催場所の選定。②二回乃至三回開き連絡を密にする。③会場日時の決定。④会費制度のため内容を検討する。⑤両家への負担・引物・酒肴料。⑥役員割。⑦発起人の代表選定。など…。

   

   ※ 婦人たちは賄いに駆り出され…。

 まさに現代の北海道の会費制による結婚披露宴を実施する原型を見て取ることができる。

 私は今、現代の北海道の結婚披露宴の原型と表現したが、実際のところここ10年ほどはそうしたおめでたい席に出席したことはない。私が結婚した時も、私の職場で後輩が結婚した時も、形は陸別町の例と大きな違いはなかったが、はたして現代はどうなっているのだろうか?そのことについては知る由もないが、おそらく大きくは変わっていないのではないか、と思われる。それは会費制という制度が、両家への負担も少なく、伝統をあまり気にしない北海道人にとっては極めて合理的な制度だから、と思うからである。

 本州人である講師の尾曲氏はやはり違和感がある、ということだったが…。        


荻原節炸裂!スキージャンプWCパブリックビューイング

2023-01-22 16:28:06 | スポーツ & スポーツ観戦

 荻原次晴さんはサービス精神旺盛だった。NHK札幌放送局の8K280インチの大ビジョンに映し出される男子スキージャンプWCの今季第15戦、札幌大会を観戦しながら、ユーモア溢れる荻原さんの解説に終始笑い声の絶えないパブリックビューイングだった。

          

       ※ NHKの玄関前に掲げられたパブリックビューイングの案内。

 昨日夕刻、午後4時から始まった男子スキージャンプWC第15戦、札幌大会のパブリックビューイングをNHK札幌放送局で観戦した。

   

   ※ 放送前の280インチの画面に映し出された荻原次晴氏の顔写真です。

 パブリックビューイングの解説を担当したのが、スキー複合競技で一世を風靡した荻原兄弟の弟の荻原次晴氏だった。次晴氏は競技引退後、スポーツコメンテイターとして活躍されていることは多くの人が知っているところである。彼のコメントはいつも前向きで、聞いている人の気持ちを明るくさせるところに特色があると思っていた。

   

   ※ 画面を観ながら解説やコメントを発している荻原次晴氏です。

 今回のパブリックビューイングは、その次晴氏の良さが満載だった。その上、意外にもといっては失礼だが、技術的な解説も非常に分かりやすく、彼のコメント力の素晴らしさを改めて認識させられた思いだった。

 曰く、ジャンプにおいて深い前傾姿勢は時代遅れで、身体をくの字型の姿勢の方が空気を捕らえやすいために距離が伸びる。

 曰く、最近のジャンプ台はクロソイド曲線の理論によって造られているため距離が出にくい。(国内では蔵王のジャンプ台だけがその理論に基づいたジャンプ台だそうだ)

 曰く、テイクオフが早すぎるとスキーの先端が下がり、遅いと先端が上がり、いずれも失敗ジャンプに繋がる。等々、これまでのテレビの解説では聞けなかったような技術的解説もたくさん聞くことができた。

 さらにはスキージャンプの世界は、選手の体力、トレーニングの方法などが年々進化することに伴い、競技の規定も年々変化・進展しているという。その一つの例として、選手のジャンプスーツの前面のジッパーがスーツよりさらに上部まで取り付けられていることに言及した。それはスーツの中に外気を1m㎥たりとも入れないための規定だそうだ。

 また、札幌五輪で優勝した笠井選手がもし今のルール(助走路の長さが圧倒的に短いそうだ。また、カンテの角度も違うという)で飛んだとしたらおそらく50m程度しか飛べないだろう、と言われたのには驚いた。それだけジャンプの技術、技量は進化していると次晴氏は語った。

 次晴氏は良さ(面白さ)は、単に技術的な解説に止まらない点である。例えば、選手の何気ない振る舞いの中に用具メーカーへの配慮があるといったことや、双子の兄弟の弟であることの悲哀などはいくらでも話せるよと語ったり、自身の競技経験を語る時に恋バナを交えたりと、サービス精神旺盛な点が彼の大きな特長である。

   

   ※ 小林陵有選手の2回目の完璧なジャンプです。

 あまりにも興味深いお話を次から次へと聞けるものだから、競技の方へ集中できないきらいもあったが、競技の方は今を時めく小林陵有選手が前日の優勝に続いて3位入賞を果たし会場を大いに沸かせた。小林選手はこの日1本目にやや失敗して11位と出遅れたのが響いたが、2本目に137.5mの大ジャンプを披露して8人を抜き去り3位に入ったのは見事だった。

 もう一つ気付いたことがあった。荻原氏のコメントを引き出す役のNHK札幌放送局の二人のアナウンサーのプロフェッショナルぶりである。笠井大輔アナの事前の取材の緻密は「さすがプロ!」と思えるほど徹底した選手たちへの取材をしていることをうかがわせる荻原氏とのやりとりだった。対して野原梨沙アナは、素人に徹して初歩的な質問を荻原氏にぶっつけ、ジャンプ競技観戦初心者への配慮を忘れなかった点は見事だと思えた。

   

   ※ 表彰台を確保した小林選手(右端)です。

 いずれにしてもこれまで何度か体験したパブリックビューイングの中では、最も楽しく、そして充実したパブリックビューイングだった。